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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1331.いざ、退魔組へ

※加筆修正を行いました。

「え……?」


 先程の『金色』の湯気を纏っていた『イツキ』という男と決着をつけて帰ってきたソフィを見て、ヒノエは労いの言葉を掛けようとした。


 既にミスズからソフィの強さを予め教えられていたために、あのイツキという男が如何に強かろうとも自分達と同様に『妖魔退魔師』の組長格の強さに匹敵するであろう『ソフィ』が負けるとは思っていなかったようである。


 しかしそのソフィの横には先程まで居なかった存在が二人ほど増えていたことで驚きの声をあげたのである。


 それもそれが『三組組長』である『キョウカ』なのだから、驚くなという方が難しいだろう。


「キョウカ組長!? い、いつの間にっ! と、いうか何故ソフィ殿と一緒に居るんだよ!」


 ヒノエは後退るように態勢を下げながら、キョウカを指さしながらそう告げるのだった。


「ヒノエ組長。何だか貴方の顔を見るのも久しぶりに思えるわね」


 『妖魔退魔師』組織に属する最高幹部である『一組組長』の『ヒノエ』と『三組組長』の『キョウカ』。


 互いに対照的な態度を見せながら会話を交わすのであった。


 そんな後ろで『ユウゲ』は、新たに現れた『妖魔退魔師』の『組長格』である『キョウカ』の事よりも、あの『イツキ』がソフィと呼ばれている者に意識を失わされて抱き抱えられている事の方に驚きを隠し切れなかった。


(なっ! あ、あのイツキ様を倒して見せたというのか!?)


 驚いているのは『ミヤジ』も同様であったが、彼は一般人の枠組みの中では強い方ではあるが、戦闘面では『特別退魔士(とくたいま)』であるユウゲとは比較対象にもならないため、あの『ヒュウガ』のような最上位の『妖魔召士』よりも魔力が上であろうと考えられるイツキが、倒されるということがどういうことか理解はしていないだろう。


 ユウゲは信じられないものを見るような視線をソフィに向け続けていたが、そんなユウゲに向けて『ヒノエ』組長が声を掛けるのだった。


「さて……。お前らは『退魔組』の組員で間違いねぇな? そっちは退魔組連中の狩衣を着てはいないが、一緒に行動をしていたんだ。今更自分は関係がないとか言い出さねぇよな?」


 ヒノエはユウゲからその隣に居る『ミヤジ』に視線を移して睨みつけながらそう告げた。


「うっ……! あ、ああ。俺は『退魔組』ってわけじゃないが、もちろん関わりはある」


「そうかい。じゃあひとまずお前らのアジトに向かおうか。まだ他にも退魔組の連中が居るんだろう? 確かお前らのトップは『サテツ』とか申す野郎だったか?」


「あ、ああ……。分かりましたよ」


(素直に案内するのはまずいんだろうが、もう全員『加護の森』へ移動しただろうし、そもそもワシはもうイツキ様個人についていくって決めたわけだし、別に構わんだろう……)


 ユウゲは当初、だんまりを貫こうと考えていたが、恐ろしい眼光で睨みつける『ヒノエ』組長と、言葉を発さず静かではあるが、まるで何かを探ろうとじっと観察を続ける『キョウカ』組長という二人の『妖魔退魔師』の組長格の恐ろしいまでの威圧感に圧倒されて、その目論見は大きく崩されてしまうのであった。


 更には頼りにしていた『イツキ』すら、妖魔退魔師なのかどうかも分からない青年に、あっさりと意識を失わされて抱き抱えられている姿を見せられて、もうどうにでもしてくれという気分でユウゲは『退魔組』を案内することに決めたのだった。


「よし! じゃあお前らを自由に歩けるようにしてやるが、逃げるんじゃねぇぞ?」


「あ、ああ……。ハナから逃げられると思ってないが、縛ったままじゃなくてよかったのかよ」


 ミヤジが少し不貞腐れ気味にそう口にするが、ヒノエはにやにやと笑いながら答える。


「へっ! キョウカ組長にこのソフィ殿も今は居るからな。私一人じゃないなら、お前らを縛る必要はないだろ。それにお前らに一仕事してもらおうって思ったんだよ」


「一仕事ですか?」


 ユウゲが何やら嫌な予感を感じつつそう口にすると、ヒノエはその質問を待っていたとばかりにさらに口角を吊り上げるのだった。


「お前らに意識を失った私の組員達を『退魔組』まで運んでもらおうとおもってな!」


「うげ……」


「はぁっ……。そういう事ですか」


「よーし! じゃ行くぞ! いざ、退魔組へー!」


 ヒノエは手を上げながら、えいえいおー!と景気よく音頭をとるのだった。


 そんなヒノエの姿を横目に、ユウゲはミヤジと顔を見合わせながら『やっぱり嫌な予感が当たった』とばかりに、溜息を吐くのであった。


(一体何往復させられんだろ……)


「最悪だよ……」


「元々てめぇらの仲間のコイツが私の組員達を気絶させやがったんだから、仕方ねぇだろうが! ほらほら! ブツクサいってねぇでサッサと運びやがれぇ!」


 ヒノエ組長はボヤくミヤジの頭を軽くはたいたかと思うと、がはははと豪快に笑って退魔組まで彼らに組員達を運ばせるようとするのであった。


「クックック。ヒノエ殿は中々に面白い奴なのだな」


「ええ……。ヒノエ組長はいつまでも見ていても飽きないからオススメなのよ?」


 こっそりとヒノエ組長の方を見ながら『ソフィ』と『キョウカ』は談笑するのであった。


 ……

 ……

 ……

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