表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1172/2226

1155.聞き逃せない言葉

※加筆修正を行いました。

 ソフィは『旅籠町』でコウゾウから頼まれて預かって来た書簡をミスズに渡し終えた。書かれている内容をソフィは知らなかったが、どうやらミスズの様子を見るにコウゾウからの思いは無事にミスズに届けられたのだろう。


 読み終えたミスズに感謝の言葉と笑顔を向けられたソフィは、この女性はこのように笑うのかとばかりに、これまでの戦闘の最中に感じたミスズの印象を一変させるに至っているのだった。 


「クックック、どうやらその手紙は余程お主を喜ばせる内容だったようだな」


 上機嫌になっていく様子を見ていたソフィはミスズと会話を続ける。


「ソフィ殿はコウゾウと共に行動をしていて、彼が戦っているところを見ましたか?」


「『煌鴟梟(こうしきょう)』と名乗る者達のアジトで『妖魔召士(ようましょうし)』と戦う場面は見たが、あれは戦うところを見たとは言えぬな、何故なら……」


「その『妖魔召士(ようましょうし)』に『魔瞳(まどう)』を使われでもして、コウゾウは戦いにならなかったと?」


 どうやらソフィが全てを告げずとも言いたい事はミスズに伝わったようで、ソフィが話を終える前に被せるように、ミスズがそう告げた。


 ソフィの言葉に食い気味に被せてきたミスズだったが、何やら彼女にしては珍しくむすっとしていた。眼鏡を外している時であればいざ知らず、眼鏡を掛けている時に彼女がこんな顔を他人に見せるのは珍しい事だった。


「成程『魔瞳(まどう)』を使う『妖魔召士(ようましょうし)』との戦闘以外にどうやらソフィ殿は、コウゾウの戦いぶりは見られなかったのですね?」


「そうだな。コウゾウ殿が戦ったところは、そこまで記憶に残っておらぬな。先程ここに現れたシグレ殿が戦うところの方が、多く見た程だったと記憶しておる」


 ソフィからコウゾウの戦いぶりをよく知らないと聞かされた事で、彼女は残念そうに首を傾げるのだった。


「そうですか。貴方程の力量を持つ者でしたら、しっかりとコウゾウが戦うところを見て頂けていたら、相手が『妖魔召士(ようましょうし)』であっても、私と同じ感想を抱いて下さるとそう思ったのですがね……。 『魔瞳(まどう)』を使う者が相手では、まぁ今の段階では仕方がありませんでしたね」


 この世界に居る者達やサイヨウから、ある程度の話を聞かされてきた事で『予備群(よびぐん)』と『妖魔退魔師(ようまたいまし)』。それに対立する『妖魔召士(ようましょうし)』の力量差をある程度理解してきているソフィにとって、今この場で告げるミスズの言葉に疑問を持った為、ソフィはその疑問を解消するべくミスズに口を開くのであった。


「明確にランク差という物は分からぬが『予備群(よびぐん)』は『妖魔召士(ようましょうし)』には勝てぬと聞いておる。我の世界でいえばこの世界の『予備群(よびぐん)』とやらが大魔王の最上位に位置する者達で、我が戦った『妖魔召士(ようましょうし)』程の相手が『準魔神級』と呼べる者達なのだがな? 我らの世界の常識でいえば大魔王領域に居る者では『準魔神級』の領域に居る相手に現段階ではどう研鑽を積んだところで、まず勝つという事は有り得ぬ程に難しいのだ。しかしお主の口振りでは『魔瞳(まどう)』を使われさえしなければ、相手が『妖魔召士(ようましょうし)』であってもコウゾウ殿であれば勝てると、ミスズ殿がそう言いたいように感じられたのだが」


「失礼。誤解を招くような発言をしてしまったようです。 『妖魔召士(ようましょうし)』の『魔瞳(まどう)』も立派に脅威的な技法な事に間違いはありません。よって現段階ではコウゾウは妖魔召士(ようましょうし)相手に何度戦っても勝てないでしょう。それは間違いはないのですが『魔瞳(まどう)』という力だけに絞れば対抗しようと思えば、いくらでも対抗が出来る技法な為、少しコツを教えればコウゾウであれば『魔瞳(まどう)』は脅威的には映らず、僅かな期間で『妖魔召士(ようましょうし)』達に勝ると言いたかったのです」


「『魔瞳(まどう)』は対抗しようと思えば、()()()()()()()()()()()()()……?」


 何気ない解説のように聞こえるが『魔瞳(まどう)』を扱う『魔族』にとって今のミスズの発言は決して聞き逃せる話ではなかった。

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ