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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1141/2222

1124.新たな発見と、伴う高揚感

※加筆修正を行いました。

 どうやらソフィを一筋縄でいく相手ではないと理解したナギリは、これまでの先入観を全て捨てて相手をランク『4.5』以上ではなく『5』以上の存在と上方修正を行い、一人で鍛錬を行っていた時と同じように瞑想をするように目を瞑りながら呼吸を整えていく。


 遠目からそれを見たソフィは、隙だらけの今のナギリを攻め立てるような、そのような無粋な真似をせずに、何か新たな事をしようとしているナギリを見て嬉しそうに顔を綻ばせながら何をしてくれるのだろうかと期待に胸を膨らませ始める。


(クックック……! さぁナギリとやら、我がお主を一目見た時に感じた何かを我の見立てを越えるような、そんな力を見せてもらおうか!)


 ソフィ自身何故ナギリに対して特別なモノを感じたのかは分からない。単なる強さだけならばナギリよりも、それこそ同じ『妖魔退魔師(ようまたいまし)』の『スオウ』の方が遥かに上だろう。しかし『スオウ』を見た時にソフィはその特別な感覚は得られなかった。


 これまでも『アレルバレル』の世界でいえば『エルシス』や『九大魔王』に『ヌー』。そして『リラリオ』の世界でいえば『ラルフ』や『リディア』に『レア』にも同じ感情を抱いた。


 しかし大魔王『ダルダオス』に『ミラ』といった既にある程度完成されている者に対しては、ソフィはその特別な感情を抱く事はなかった。つまり現状での強さに対してソフィの本能が、反応しているわけではないのだろう。


 この事に関してはソフィ自身もよく分かっていない為、この特別な感情を抱く気になる者に対しては、研鑽を重要だと信じて疑わず、現状で満足せずに更に上を目指そうとする気概を持つ者達に、興味を持っている証なのだろうと、ソフィは勝手にそう思い込むようにしている。


 ――ある意味でソフィは無意識に、その()()()()()()()()()()()()のかもしれない。


 だからこそ『九大魔王』や『ラルフ』達を傍に置いて、強くなるようにと期待して待っている。そしてこの特別な感情を抱く新たな者が、この目の前に居るナギリなのであった。


 ソフィはこのナギリに対して既に『代替身体(だいたいしんたい)』の『レキ』と同じような強さを持ちながら、自分自身がまだよく分かっていないこの感情を唆らせる彼に、そう思えた自分の本能を信じて、大きな期待を寄せていたのであった。


「出し惜しみをする相手ではない、という事だな」


 自分に期待を寄せて来るソフィに対して、どうやら遠慮の要らない相手だとナギリは判断したようで、ソフィを強者と認めるに至った。これより先は本当にランク『5』以上の妖魔を相手にする時と同じように全力でぶつかってみようと、これまで抱いていた考えを全て破棄し直すナギリであった。 


 そしてその決断を下したナギリの周囲に、ソフィの周囲を覆っているのと同じ青のオーラが纏われ始めていく。その青は先程ナギリが瞑想を行っていた時の『()』とは明確に違う青色で『瑠璃(るり)』と呼ぶに相応しくとてもくっきりとした濃い『青色』であった。


(我の使う青とまたヌーやレキの放っていた青とも違う『()()()()()()()()()()()()()()』ではないのか……。それとも違う何かの力の影響?)


 オーラという力は似て非なる色であっても行き着く到達点は『三色併用』のオーラなのだと、長い年月を掛けて意識付けて来たソフィ。その()()()()()()()()』なのであってもその過程となる力の影響を理解していなかった。


 今回ノックスの世界へ来た事でヌーが『三色併用』に目覚める事となったが、その到達点である三色併用へ向かうまでの過程。青のオーラや紅のオーラが持つ色に明確な意味があり、防御力や攻撃力の上昇その効力を理解するに至ったソフィであったが、更に今ナギリのオーラを見た事でその過程となるオーラの色にも少しだけ違いがあるという新たな発見につながったソフィであった。


 まだナギリの青の濃さが目立つ『瑠璃色(るりいろ)』と、ソフィやヌー達の纏う鮮明な青の『天色(てんいろ)』。そして多くの魔族達が体現する通常の『淡い青』と呼ばれるオーラ『浅葱色(あさぎいろ)』。


 それぞれが同じ『青』で表されるオーラの種類であるが、もしかするとこの防御力を高める青のオーラにも色の濃さや薄さによっては、練度と考える概念と同じく何か意味合いが込められているのかもしれないと、ソフィはそこまで思考が進んでいくが、同時にその色を示し始めたナギリを見て、一体どういう変化を表してどういう攻撃を仕掛けて来るのだろうかと『第二形態』となっている今の彼が高揚感に包まれながら大いなる期待に胸を膨らませ始めるのであった。

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