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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1116.広大な施設と新たな学び

※加筆修正を行いました。

「その『特務』の部長というか、うちの副総長がその『特務』の()()()で何でも出来る大天才な方なんだけど、うちの副総長様は見た目からは信じられない程の武闘派なんだ。それも自分だけではなく、他者を鍛えて強くする事にも精力的でね。自分の直属の部下となった連中を強くするために……、こういった『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 そう言って本部のあった場所から歩いて十分程といった所に『妖魔退魔師(ようまたいまし)』の本部の建物よりも一際大きな施設が見えてくるのであった。


「これは確かに凄いが……、ここで職務を行っているのか?」


 まるで『リラリオ』の世界のトウジン魔国にある闘技場のような広さを持つ、縦にも横にも広がった広大な施設が近づくにつれて徐々に視界に入ってくる。


「ここでいちいち説明していても仕方がないからね。ひとまず中に入ってから、色々と説明するから入ろう」


 そう言ってスオウが大きな施設の入り口に立っていた男に近づくと、警備を行っていた者達は直ぐに頭を下げて入り口の両脇に移動して、ソフィ達に道をあけてくれるのだった。


「旦那! こりゃあ絶対に罠だぜ。あんな見張りを行っている奴らでも今の俺じゃ勝てる気がしねぇ。そんな奴らが単なる見張りの筈がない。やっぱり俺達は騙されたんですよ、ここに俺達を誘い込んで始末するつもりだと思われます!」


 真剣な顔で冗談のような事を告げるセルバスに、ソフィは思わず吹き出して笑ってしまう。


「クックック、()()()()()()()()()()()()。今度お主の事をディアトロス達にもしっかりと紹介をするとしよう」


「は……?」


 セルバスは何も面白い事を言ったつもりはなく、自分の主と見込んだソフィに危険を知らせたつもりだったが、その伝えた当人が自分を見て何やら笑い始めた為、意味が分からずに狼狽するのだった。


「おーい、何してるの? 早く入ってきてよぉ!」


 先に施設の中へと入っていったスオウが再び表に顔を出すと、ソフィ達にを手招きしながらそう告げるのだった。


「すまぬ、直ぐに行く」


 両脇に立っている『妖魔退魔師(ようまたいまし)』の見張りを睨んでいた『セルバス』の背中を軽く叩くと、先にソフィはスオウに返事をして中へと入っていく。


「ま、待ってくれよ、旦那!」


 こんな所に一人にされる方がヤバイと感じたのか、セルバスも慌ててソフィの背中を追って『特務専門部署』の施設へと足を踏み入れるのだった。


 建物の中は天井が高く玄関口からは奥行のある廊下が広がっていた。しかし廊下には誰も居らず、静まり返っている廊下に立っていると、そこだけがまるで切り抜かれた外界に居るような感覚に陥る程であった。


「ここは色々と役割を持っている施設でね。この廊下を進んだ先に特務専門部署の役員達の仕事の場があるんだけど、そこまではご覧の通り何も部屋もない広い廊下となっているんだ。この施設は有事の際に、サカダイの町民達が、丸ごとこの施設内に避難出来るように広く作られていて、ここが謂わばサカダイの避難所とも言える場所なんだ。まぁでも、ここを避難目的で使う事はこれまで一度もなかったし、これからもそういう意味で使う機会はないと思うんだけどね?」


 精霊など『(ことわり)』を生み出す存在が居ないような、この『ノックス』世界のような場所ではこういう避難場所は確かに重要な事だろう。


 この町に入る前にセルバスが言っていたように、上空から一気に『極大魔法』のような『(ことわり)』を持った『攻撃魔法』が扱える『魔族』にとっては、それこそ町の何処へ避難場所を作ろうと『結界』がなければそれこそ関係がない。


 スオウの話を聞いていたソフィはそう考えたが、それこそ世界が変われば持っている常識もまた変わる。この世界に存在する妖魔に対して、対抗してきた人間が知恵を巡らせてきたのだ。我々の世界の攻撃に対する対策と、違う対策を取るのは当然の事だと、ようやく別世界に居るという事に慣れてきたソフィも考えられるようになったのであった。


 元々『アレルバレル』の世界から『リラリオ』の世界に辿り着いた時も、その世界の常識に触れた事で色々と学びを得たソフィだったが、この二つ目の別世界『ノックス』という世界に来た事で、新たにまた見聞を広めるに至るのであった。


(なるほど。ヌーが言っていた事は、こういう事だったのだな)


 ケイノトの町でヌーに言われた『()()()()()()()()()()()()()()』という言葉を別の角度から改めて理解したソフィは、新たな学びに興味を抱きながら、再び『特務専門部署』の施設内を歩き始めるのであった。

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