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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1035.想像以上の乱波者

※加筆修正を行いました。

 『煌鴟梟(こうしきょう)』のアジトで見張りをしていた『浮梟(うふく)』がゲンロクの里に戻って来ると、真っすぐに自分を使役した『妖魔召士(ようましょうし)』の元へと向かっていき、見聞きした一部始終を報告した。


「な、な、なっ……! 何だと!?」


 『浮梟(うふく)』を見張りとして使役していた『ヒュウガ派』の『妖魔召士(ようましょうし)』である『キクゾウ』は『浮梟(うふく)』からの報告に素っ頓狂な声をあげるのだった。


 ――ゲンロクの里に居るが彼は今回追手に選ばれた『キネツグ』と『チアキ』と同じ『ヒュウガ派』であった。


 ゲンロクの代わりに『妖魔召士(ようましょうし)』の長になり替わろうとしていた『ヒュウガ』が、件の二人組によって裏で動いていた事を暴かれてしまい、その報復として『ヒュウガ』は二人組であるソフィ達を闇に葬る為に追手を二人差し向けていた。


 それが『妖魔召士(ようましょうし)』である『キネツグ』と『チアキ』であった。

 あくまでヒュウガは『予備群(よびぐん)』に手を出すつもりなどはなく、計画を丸潰しにされた鬱憤晴らしにソフィ達を狙わせただけであった。


 しかし『浮梟(うふく)』の報告通りであれば何のつもりかは知らないが、二人組は『旅籠町』で起きた人攫いの事件を追ってその人攫いのアジトへ乗り込んでいた様子であった。


 そしてその『旅籠町』に護衛として派遣されていた『予備群(よびぐん)』達も件の二人組と行動を共にしていたようであった。そして二人組が人攫いの一味を捕らえようと動いていたところ、何を思ったのか『キネツグ』達はその場に乗り込んで彼らを襲い『予備群(よびぐん)』達に制止を呼びかけられたにも拘らず、キネツグ達はそれを無視しただけに留まらずに『文句があるならゲンロクに言え』と告げた後に『予備群(よびぐん)』を襲い攻撃したらしい。


 確かに『キクゾウ』はこの二人の普段の破天荒な行動を知ってはいたが、まさか()()()()()()()()()()()()達だとまでは思わなかった。仮にも二人は由緒ある『妖魔召士(ようましょうし)』の筈なのである。


 『妖魔退魔師(ようまたいまし)』組織に対して弓を引けばどうなるか、流石にそんな事も分からない者達ではないと考えていた。


 『妖魔団(ようまだん)(らん)』以前までであれば『妖魔退魔師(ようまたいまし)』と『妖魔召士(ようましょうし)』は志を共にする間柄であった為、多少のいざこざも目を瞑れていた。


 しかし今では互いの縄張りに入るだけでも文句を言い合い、利権絡みの問題ではまるで親の仇のように相手どるような間柄なのである。


 少し前にサカダイの管理する『加護の森』の隣にある敷地に入り込んだだけで、警告と共に色々と『妖魔召士(ようましょうし)』にとっては耳が痛い通達があったばかりなのである。


 今後は二度とこのような事が起きないように目を光らせるからと、納得してもらったばかりであった。そうだと言うのに、舌の根の乾かぬ内に今度はもっと酷い出来事が起きてしまった。


 争いを避けるために『予備群(よびぐん)』が提案をしたのを聞き届けた上で、それを無視した挙句、それだけに留まらず『予備群(よびぐん)』に手を掛けた上に文句は組織のトップである『ゲンロク』に伝えろとキネツグたちは『妖魔退魔師(ようまたいまし)』の組織に属する『予備群(よびぐん)』に告げたのだ。


 既にこれは向こう側の組織の『上』にも通達されてしまっているだろう。今更この不都合を闇から闇へ葬ることは出来ない。


 これを相手がどこまで問題にするかは分からない。しかしどう転んでも今回の事もまたゲンロクの耳に入る事は間違いはないのである。


 最低でも追手を差し向けた『ヒュウガ』は、今度こそ処分されるだろう。そしてその『ヒュウガ』に協力していた『キクゾウ』やその他『ヒュウガ派』の面々も何もお咎めなしというわけにもいくまい。


「だ、駄目だ……! こ、これは私だけの手に負える話ではない。ひゅ、ヒュウガ様にすぐに報告をしなければ!」


 『浮梟(うふく)』を『式札』に戻した後、キクゾウは今回の事の報告にヒュウガの元へと急ぐのであった。


 イダラマ達が『妖魔退魔師(ようまたいまし)』達と話し合いが行われている頃、ゲンロクの里では『浮梟(うふく)』によって、遂にソフィ達やコウゾウ達を襲ったチアキ達の事が伝えられた。


 そしてそんな事が起きている事など露知らず、ソフィ達は『旅籠町』の屯所でヌー達と酒を酌み交わしていたのであった。


 ……

 ……

 ……

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