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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1032.総長シゲンの威圧

※加筆修正を行いました。

「ところでイダラマ殿、さっきから気になっていたんだがよ。アンタが連れてるそこの()()()()』の連中はアンタの護衛なんだろうが、そっちの少年は一体何なんだい?」


 背が高く髪の長いヒノエは、ずっと気になっていた事を口に出した。

 ヒノエが指を差している青髪の少年とは当然『エヴィ』の事であった。


「ふふっ、ヒノエ殿。この子は『麒麟児(きりんじ)』だよ。私の大事な()()()と言ったところだ」


「ほう……?」


 ヒノエの目が細められてイダラマへの睨みが鋭くなる。どうやらイダラマの真意を確かめようと本気になったのだろう。


 組織の最高幹部にして『一組』を張る『ヒノエ組』の組長が冗談にもならない眼光を放った事で、他の幹部達だけではなく、副総長のミスズ。そして総長のシゲンまでもがヒノエをその目で視界に捉えるのだった。


「そか、まぁそれならいいや。この場に()()()()()を連れ込んでいるからちょっと気になったもんでね」


 猫背気味に机に頬杖をついてイダラマを睨んでいたヒノエは、溜息を吐いた後に背を後ろに倒しながらそう言った。


「は? もしかして僕の事を子供って言ったのかい? 言葉に気をつけろよ、そこの()()()。それに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「「()?」」


 一気に殺気が部屋に充満し始めたかと思えば、()()()()()()()された『ヒノエ』と、流れ弾で被害を被った『()()()』が同時に苛立ちの声をあげて『()()()()()()』を睨みつける。


 この場に居る者達は全員が間違い無く強者である為、()()()()()()()()()()()()()()()()()は、誰一人いなかったが、一般人がこの中に居れば泡を吹いて倒れる程の殺気であった。


「イダラマ? 悪いけどこいつら()()()()()()()()()()()()()? 僕は()()()()()()よ?」


 更にエヴィは煽るようにそう言うと、目が金色に変わり始めていく。


 イダラマやアコウとウガマが同時にエヴィを宥めようと声を掛けようとした瞬間、シゲンが口を開いた。


 ――全員、黙れ。


「「―――ッ!」」


 一斉にその場に居た『妖魔退魔師(ようまたいまし)』達の幹部達が椅子から立ち上がったかと思えば、戦闘態勢に入るかの如く各々が構えを取り始める。どうやらシゲンの圧から身を守るために無意識に戦闘態勢を取らされたのだろう。


 『妖魔召士(ようましょうし)』であるイダラマは瞬時に自身とその周囲に居る『エヴィ』や元『予備群(よびぐん)』達の前に『結界』を張って彼らの身を守る。


 流石のイダラマもこれは予想外だったのか、イバキ達を相手にした時以上に真剣な表情を浮かべていた。


 シゲンは別に攻撃をしようとしたわけでは無い。本当にただ単に注意するような言葉を出しただけである。しかしただそれだけで変わった事は何もしていないというのに『エヴィ』には頭を殴られて脳を揺らされたような衝撃が走ったのであった。


(い、今のは一体、な、何!?)


 イダラマの『結界』がなければ大袈裟でも何でもなく、本当にこのまま意識を失って倒れていてもおかしくはなかった。


 それ程の衝撃を受けたのは『エヴィ』達だけではなく、彼の仲間である筈の『妖魔退魔師(ようまたいまし)』の面々も立ち上がって身構えている様子だった。


「ヒノエ組長。彼に謝りたまえ。彼が気分を害したのは()()()()()()()()()()()()()?」


 シゲンはヒノエの方を見ずに前を向いたままそう告げると、慌ててヒノエと言う女性は『エヴィ』の方を向いて頭を深々と下げた。


「す、すまなかった少年……!」


 先程まで荒々しい口調を使っていたヒノエは、別人かと思える程に上擦った声でエヴィに向けて謝罪を口にするのだった。


「あ、ああ。こっちこそ、悪かったよ。僕はもう大人しく座っているから早く頼むよ? イダラマ」


 口を尖らせながらエヴィも謝罪の言葉をヒノエに吐いて、そのままイダラマに『まだ用事があるなら早くして』とばかりに促すのだった。


 イダラマがエヴィに頷いていると眼鏡をくいっとあげながら、副総長のミスズが凛とした声をあげた。


「それでは皆さん、お座りください。イダラマ様のお話を黙って聴くことに致しましょう」


 その場に居る幹部連中は全員、ミスズの言葉を受け入れるように頷いて、大人しく椅子に座り直していく。


 それを見た副総長のミスズは『続きをお願いします』とばかりに、笑顔を見せながら『イダラマ』に視線を向けるのだった。

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