番外編-リサ・エミリア-
1章主人公の番外編……と言うよりは話が始まる前まではこんな感じだった。というお話です。
*番外編*
ここはとある世界のとある小さな村。
少女...リサ・エミリアは、普通に幸せ者だった。
優しい姉...ライアとの二人暮らしの、幸福者。
父と母は居なく、決して裕福な家庭という訳では無い。それでもお互いにお互いが居れば寂しくなかった。苦しいことも力を合わせて乗り切れた。
そして、親がいない二人にとっては、村人達がまるで家族の様だった。
リサ「お姉ちゃん!」
リサがどこかご機嫌そうに姉を呼ぶ。
ライア「なぁに?」
幼い妹の様子から笑顔で聞き返す。
リサ「私ね、お姉ちゃんの事が大好きなんだよっ!」
唐突な言葉にライアは一瞬驚いたように固まる。しかしすぐにこの上ない幸せを噛み締めた。
ライア「嬉しい事言うじゃん!私もリサの事が一番好き!」
そう言って妹の頭を照れ臭そうにわしゃわしゃと撫でる。リサは嬉しさにライアに抱き着き、姉を見上げて、
リサ「私、お姉ちゃんの妹で世界一の幸福者だよ」
ライア「なら私はリサのお姉ちゃんで、世界一の幸福者だね!」
そんな2人を見ている村人達は 「私達も幸福者だねぇ」 なんて、つい言ってしまう。
つまりは、リサとライアの姉妹だけでなく、これ村全体が"平和"そのものだった。
リサ「私ねっ!お姉ちゃんの事、大好きだよっ!」
ライア「私もだよ!リサ!」
二人は、こんな【幸せ】がずっと続けばいいと願った。
──しかし、そんな【幸せ】長くは続かなかった──
(*番外編*リサ・エミリア*完*)