表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双藍の箱  作者: ジニー
第一章 「片隅の世界」
4/16

1ー3 「越える冬」

次の日の朝

 彼らはいつものように朝食をとっていた。

 しかし、出久は、姉の様子がおかしい事に気づいた。さっきから、何処となしか忙しなかった。

 朝食を済ませた2人は、一言も話さずに家を出た。

歩いていると、和泉が口を開いた。

「今日は別の道から行きましょう。」

「あ、ちょっと!」

彼女は出久の手を引いて、角を右に曲がった。いつもより歩くのが速い。

それから、彼女はいつも通らない道を選んで、学校に向かった。

学校からそこそこ離れた河川敷近くの道で、明らかに彼女がおかしい事に気づいた出久は握られている手を無理に離して立ち止まった。

前を歩いていた和泉も立ち止まる。

彼は強い口調で言った。

「どういうつもりだよ、和泉!まだ昨日の事で怒ってるのか!?」

和泉は彼と目を合わせようとせず、唯々遠くを見つめていた。

「おい、聞いてるのか!?」

和泉はだんだんと目を細めて赤くさせ、出久に背を向けた。

 不審に思った出久は、彼女に近づいた。

 それからすぐに、和泉は、

「ごめん出久。あなたを、守れなかった………。」

と、突然訳の分からない事を言った。

「守れなかった?どういう事だよ?」

出久は和泉の肩を掴んでこちらに向けようとしたが…………


ドカッ!


後頭部に、強い衝撃が走った。

「う…………っ!?」

出久は気を失い、その場に倒れた。

出久の後頭部を殴った軍服の男は、次に和泉の気も失わせた。

その後、2人を囲むように路地という路地から、多くの軍人が出て来た。

2人は、彼らによって車に運ばれ、ある場所まで運ばれた。




「違う、もっとだ!アメリカの奴らに勝つ為には、もっと大量のワクチンが必要だ!」



「出来たぞ。私の最高傑作が………!【これら】を冷凍室に運べ!!」



出久は意識が朦朧とする中、そんな声をなんとか聞き取った。





気づくと、出久は白と黒が混ざる謎の空間で彷徨っていた。

(ここは…………?)

ただ、体が永遠にこの空間をゆらゆらと漂っている。

(そうか、ここは地獄か……………。)

出久は自然とそう理解した。

前を見ると、自分ともう1人別の者が、この空間に漂っていた。

(和泉………?和泉!!)

声を出そうとするが、声が出ない。

なんとか届くかと、彼女に手を伸ばす。

だが、僅か拳一個分程度届かなかった。

(和泉…………和泉!!)

叫ぼうとするが、やはり声は出ない。

彼女は少しずつ離れていった。

彼女が離れると同時に、この黒と白の空間が別れてきた。彼女の方に白が行き、出久には黒が残った。


そのまま、彼女は出久の前から姿を消し、目の前が真っ暗になった。

筆者です。これでは、謎がさらに深まるばかりではないか〜!!^_^

誤字・脱字がありましたら教えてください。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ