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双藍の箱  作者: ジニー
第一章 「片隅の世界」
1/16

1ー0 プロローグ

1944年 12月25日 ドイツ


激しい雨の日だった。

戦争の影響で、夜は静かだった。

木の枝に乗っているフクロウが、ホーホーと泣いている。

そんな街にある、1つの細長なトンネルで、歳は30後半だと思われる男2人が、1人の少年をトンネルの壁に押し付けていた。

「おいアジア人の兄ちゃん、金貸してくれないかなー?」

優しげに、1人の男はその少年に言った。

「……………。」

少年は何も答えない。

「こんな世の中だからさあ、おじさん達困ってるんだよ。」

もう1人も少年にぐいっと寄った。

それでも少年は黙っていた。

「なんか言えよ、ガキ!」

1人が少年の肩を強く掴んだ。

「あまり大きな声を出させないでくれよ。」

握る力が少しずつ強くなっていく。

少年はふっと口元を緩ませた。

「なら殺せよ。殺してみろよ。」

その声を聞くと、掴んでいた肩を離し、ポケットから小さなナイフを出した。

「じゃあそうさせてもらうぞ!」

「やめとけ、捕まるぞ!」

「こんなガキ1人殺したくらいで今は、捕まんねえよ。兵隊さんはみんな戦争に行ってるからな。」

「まあそうだな。」

もう1人もナイフを構える。そして少年の顔にナイフを突き刺そうとした。

「じゃあな、ガキ!」

その時少年は、ニヤッと笑った。


ザシュッ!


ナイフにより、何かを切断する音がトンネル内で鳴る。

「……………あれ?」

1人の男は不思議に思った。ナイフを持っていた右手の感覚が無い。見ると、右手が無くなっていた。足元には、ナイフを握った自分の右手が、血を噴き出して落ちていた。

「ぐわぁーーーー!!」

男は後から来る痛みで斬れた右腕を、左手で押さえ、叫び声をあげた。

少年は、右手に血だらけのナイフを握る。そして、棒立ちでガタガタと震えているもう1人の男を直視した。

「ひっ!」

見られた男は、早くトンネルから出ようと、彼に背中を向けて走り出す


ザクッ!


しかし少年は彼を逃さない。手に持ったナイフを素早く投げ、彼の足に突き刺した。

「うわっ!」

男は足にナイフが刺さったため、転んだ。

「く、くそ…………っ!」

痛みで立ち上がる事が出来なかった。

コツコツと歩く音が、だんだんとその男に近づいて止まると、足のナイフを勢いよく引き抜かれた。

「ぐっ!」

抜いた瞬間、次にそのナイフは首を斬り落とす。男は斬り落とされた痛みを感じる暇もなく息絶えた。

首がゴロゴロと血を流しながら転がる。

それを見ていた右手の無い男は、足がすくんで動けなかった。

少年は、今度はその男に向かった。

「あ、あ…………。」

腕を押さえながら、床に尻もちをついた。

少年はコツコツと足音を立てながら、男に向かって行く。

「先にしかけて来たのはそっちだぜ?」

「う、うるせえ!てめえ、前々から俺たちの後をずっとつけてた事は知ってるんだぞ!」

男は顎をガタガタ震わせながら言う。

「なんだ知ってんじゃん。けど、お前たちも同じ事をしたんだろ?えーっと………確か名前は【アレイナ】だったっけ?」

「な、何でそれをお前が知ってんだよ!?」

少年は男の目の前まで来る。

「そんなのさあ。今から死ぬヤツに言ってもしょうがないだろう?」

少年はナイフを男の首に突き付けて言った。

「や、やめてくれ…………。」

「その女の子は外に出るのが怖くなって、最近は家から一歩も出ないとか。」

「こ、殺さないでくれ!も、もうしないから。何もしないから〜!!」

「麻薬売りも?」

「え?」

「麻薬を売るのがそんなに楽しいか?」

「わ、分かった!もう麻薬も売らない!!これで良いだろう!?」

「そっか………。」

ナイフを首から離した。

男はふーっと一息ついた。が、

「じゃあな。」

「え?」


ザクッ!!


少年は躊躇う事なく、男の頭に刃を突き刺した。その後、2人の死体をバラバラにし、袋に詰めて、川に投げ捨てた。

「好き勝手したお前らがいけないんだからな……?」

そのまま、少年は何事もなかったかの様に自分の家に帰って行った。

こんにちは、ジニーです。新作を始めていきたいと思います。

こちらは投稿ペースが少し遅くなりますので、よろしくお願いします。

まだまだ未熟者なので、誤字・脱字などを教えて頂けたら嬉しいです。

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