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プロローグ
世界にはルールがあった。
人は皆12歳になると教会で、洗礼を受けた後、御告げを授かる。
その時に大きく分けて、戦闘職・生産職に分けられた職をの御告げを受け人生を歩む。
御告げを受けた翌日には親元から離されてそれぞれのジョブにあったギルドが管理する学校に通う。
16歳まで専門の教育を受け、卒業後初まりの街に派遣され、簡単な試験の後、そこから移住先を探し散っていく。
戦闘職・生産職問わず、なぜか過剰になることも不足することもなく、些細やいざこざや貧富の差はあれど戦争が起こることもなく人口の増減も落ち着いている平穏に満ちたそんな世界。
人々はある程度引かれたレールの上を歩き、ささやかな幸せを持ちながら生きている。
この話の主人公は、そんな簡単な試験すらクリアできず初まりの街』から2年経っても一歩も出れない、世界初の落ちこぼれの女の子『ハナ・アんなベル』のお話。