宣戦布告
大日本帝国は戦時体制に突入した。3時間前の神聖ゲルマン連邦帝国によるアメリカ合衆国東海岸への攻撃を受け、大日本帝国は緊急の御前会議を開催した。此れにより天皇陛下による開戦の詔を受け、大日本帝国は神聖ゲルマン連邦帝国へ宣戦布告。これに続きアメリカ合衆国以下の大亜細亜連合加盟国全てが神聖ゲルマン連邦帝国へ宣戦布告を行った。此れにより遂に第三次世界大戦が勃発したのだ。大日本帝国は戦時体制を作ったが、神聖ゲルマン連邦帝国は強大であった。
大日本帝国帝都東京首相官邸地下3階戦闘指揮室では藤咲瑞希内閣総理大臣が、閣僚と陸海空軍首脳陣を集めての会議を開催していた。まず藤咲総理は、坂内梨華国防大臣に状況の説明を求めたのである。
坂内国防大臣は状況は最悪です、と断言すると偵察衛星の画像を映し出した大型画面の前に移動した。そこには砲撃を行う艦艇が映し出されていたが、その艦体は水上艦というよりも潜水艦の様な艦体であった。坂内国防大臣は奇襲攻撃であった為に、潜水艦による攻撃を考えるのが普通だと言い、残念ながら潜水艦技術に関しては神聖ゲルマン連邦帝国の方が上だと語った。
そう言う坂内国防大臣は申し訳なさそうな表情を浮かべていた。それは海軍軍令部総長大河内栄一大将と連合艦隊司令長官早見咲子大将も同じであった。藤咲総理は坂内国防大臣に話を続けるように促した。
大日本帝国海軍連合艦隊は潜水艦を攻撃型と戦略型とに分類しているが、神聖ゲルマン連邦帝国はそれだけでは無く、砲撃型。つまりは実質的には潜水戦艦を保有していると考えられニューヨークへの攻撃に投入したと断言した。坂内国防大臣が切り替える偵察衛星からの画像は、多くの潜水戦艦が映し出されていた。
水上艦、つまりは戦艦と空母に関しては海軍連合艦隊の方が一日の長があり、神聖ゲルマン連邦帝国海軍はH級戦艦の系統を増産したが、海軍連合艦隊は大東亜戦争により生み出した大和級の血を引き継ぐ、紀伊級・越後級・超大和級を建造し保有していた。空母に於いても神聖ゲルマン連邦帝国より数歩先に行く先進空母であり、昨年には原子力空母まで竣工していた。此等を見るに海軍連合艦隊の兵力は圧倒的だと坂内国防大臣は話をしていたが、突如として慌てた様子で1人の軍人が入って来た。その軍人は坂内国防大臣に近付くと、耳打ちしながら紙を手渡した。それを受け取り目を通した坂内国防大臣の顔は、瞬く間に蒼白となった。
石森智香子大蔵大臣は不思議に思い尋ねたが、坂内国防大臣は振り絞るように声を出したのである。アメリカ合衆国東海岸駐留の連合艦隊第7艦隊が核攻撃により全滅し、ホワイトハウスも空襲を受け全壊したのだ。坂内国防大臣の言葉に、藤咲総理は天を仰いだ。




