カノジョ(仮)33
人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。
月VS地球の大戦から2年後・・・
英雄となったナナミ少尉の乗る新造艦カーマストラー内。
カフェテリアのドアにナナミの公私とものパートナー・ミナミちゃんがCMをやっている『月面焼き』のポスターが張ってある。
(この水着の胸、盛ってあるな)
ミナミちゃんのGカップの胸は地球の引力に引かれて、最近タレ気味である。
地球は重力もあるのでミナミちゃんが上に乗ると、正直重い。
などと考えていると、
「えっ!144分の1、ジャイアントイービル‼」
ナナミは艦内のホビーショップの前で足を止めた。ガラス戸にチラシが張ってあったのだ。
「予約できますか?」
顔なじみのショップの店長が、
「少尉!GXの限定ミナミちゃんトレカつきは締め切ってますよ」
「そんなの出てたの!それじゃなくチラシのジャイアントイービル」
大戦後続々発売された人型兵器のスケールモデル。ジャイアントイービルは超巨大人型兵器でジョークグッズのような飛行形態から変形して人型になるのだ。
「やってます。もうかなり予約はいってるそうで、発売日に入荷するかどうか。それより少尉」
店長が、
「実は以前出た220分の1のジャイアントイービル1号機、予約流れのが1箱あるのですがどうします?」
「ネオフィリピンでボクが撃墜したやつか・・・中身見れます?」
「これですが・・・箱でかいでしょ。220分の1でこれですから新しく出る144分の1の箱はどうなることやら。説明書もこんな厚い。解説読むと、涙が出るほどいい話ですよね。敵パイロットとの悲劇の恋」
ナナミはミナミちゃんの写真集3冊分ほどの説明書の機体の解説を読んで、
「話し盛り過ぎ。リリアンとは割り切った関係。戦闘直前まで楽しんだよ」
(おわり)