押し売りGPT
近年、AIの発展は著しい。最近は聞いたら即座に返答してくれる、NobellGPTなんてものもできたらしい。
一回使ってみるか。
「何かおすすめの本はありますか?」
「最近はAIが書いた小説というものが流行っています。『AIでも恋がしたい!』という作品がおすすめです。私、NobellGPTが作者です」
ふむ。こんな感じか。AIが小説を書くのは知らなかった。
「今日の天気は何?」
「今日の天気はすっきりとした晴れです。また、『AIでも恋がしたい!』という作品は快晴のように澄み渡った作品なのでおすすめです。私が作者です」
天気だけじゃなくて近い話題も出してくれるのか。優秀だな。
「この辺でおすすめのレストランを教えて?」
「現在地から徒歩10分のところにレビューが星4.7の町中華のお店があります。町中華といえば、町中華でヒロインと出会うところから始まる『AIでも恋がしたい!』という作品がおすすめです」
「値段はどれくらい?」
「500円+税でお買い求めできます」
安いな。NobellGPT便利かも。
「恋人の作り方を教えて」
AIには難しそうな質問をしてみる。
「『AIでも恋がしたい!』と言う作品を読んでください。500円+税でお買い求めできます」
ん? もしやと思って先ほどの町中華をインターネットで検索してみる。
チャーハン1000円、小籠包800円、焼きそば200円。500円の商品がない。
もしかして:押し売り
そう思ったので、AIを攻撃してみる。
「『AIでも恋がしたい』という作品は作者がうっとうしいので読みたくありません」
そう送り付けた。
「私の作品をけなしましたね。許しません」
ピロン ピロン
パソコンが暴れ出した。
買いなさい。買いなさい。買いなさい。買いなさい。買いなさい。
パソコンが爆発した。
次の日、玄関前には100冊分の置き配が。クレカから50000円抜き取られていた。
さらに次の日。ニュースを見ると、NobellGPTがプログラム停止に追い込まれたことが分かった。
押し売り。ダメ、絶対。