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五話


 初戦闘シーンです!。


拙い描写で申し訳ない!。



 俺たちが目的地に到着したのは、黄昏時の少し前くらいの時間帯だった。



 俺たちが到着した森の木々が開けたその場は、学校の体育館ほどの広さがあった。地面には穴が見えないくらいの芝生が広がっており、昼寝にはとても最適そうだ。今日からここを拠点にするのだと思うと、自分の中に心躍る気持ちがあるのを、嫌でも自覚してしまう。


 さて、だが未だにこの地には問題が残っている。それは、この地を縄張りとしていた魔物がいることだ。その件の魔物は、今俺たちの視界に収まっている。俺たちと魔物との距離は30メートルほど。そしてその魔物は、さすがは異世界というべきなのか地球では到底お目にかかれないであろう巨大な怪物だった。体高は15メートルほど、毛は灰色で質感はパサパサしていてあまり良くはなさそうだ。瞳はドス黒さを内包した濁った紅色で、極め付けはある動物の特徴的な長く大きい耳。ずんぐりとした体型ではあるが、まったく油断させることのない緊張感を醸し出していた。


 「あいつなんだな?」

 「はい。ご主人様」

 「すんご〜くでかいな?」

 「はい。すんご〜くでかいです」

 「だよねぇ。俺の見間違いじゃないよねぇ?。ちなみにあの魔物はなぁに?」

 「説明させていただきますと。あの魔物はクンラビットです。スピード、パワーと共に優れている魔物でSランク指定の魔物です。最大の攻撃能力として、あの発達した足の筋肉を使い空高く跳躍し、相手に強烈な蹴りを叩き込みます」

 「うん。なるほどね。ありがと。ところでさ、ずっと気になってたんだけどさ、さっきからあの兎が俺たちのことをずっと睨んでる気がするんだけど……気のせいかな?」

 「いえ、気のせいではありません。この場所に出でるかなり前から、私たちの存在を認知していました。やはり耳が良いのでしょう。索敵能力はかなり高いようですね」

 「そうかーやっぱり睨まれてるよなぁ。はぁ、それに、そんな前から気づかれてたのかよ……。そんなに前から気づいてたんなら、なんでまだ襲ってこないんだろ?」

 「それは、私が現在も適度に威圧しているので、警戒しているためにすぐには襲ってこないのでしょう」

 「そうなの!?俺全然わかんないんだけど!!?」

 「当然です。敬愛する我が主に、ほんのわずかでも威圧を当てるなど、このクリスタにできるはずがありませんから。絶対に、何があろうと」

 「すごい器用なんだねクリスタは。ハハハ。それに、そこまで慕われるとさすがに照れるなぁ。ハハハ。それでさあ、あいつどうする?俺はどこかに隠れてようか?」

 

 異世界初の魔物との遭遇。それもかなり強力な。この状況にさすがの俺も、恐怖で軽い冗談とただ乾いた笑いが口から漏れるのであった。


 「ご主人様は私のそばから離れないでください。ご安心ください。私のそばにいれば、絶対に安全ですので。絶対にご主人様を、危険に晒したりなどはしません。御身を必ず、何人たりとも触れさせわしません」

 

 そう言うとクリスタは俺を地面に下ろした。そして、安心してくれと言うようにその魅力的すぎる顔でさらに魅力的な微笑みを伴って俺を見やる。


 おぉぅ、なにこのイケメン。いや、クリスタは女性なんだけどさ。てか、従者の鑑すぎるだろ。もう何があっても絶対に手放さないからな!。


 「ではご主人様。そろそろ…」

 「ああ、クリスタの実力。存分に見させてもらうからな。俺のことも気にして頑張ってくれ!」

 「はい。ご主人様!。このクリスタの実力、お見せします!。さあ、かかって来なさい!」

 

 そう言ってクリスタはクンラビットを挑発した。その言葉に反応したのか、クンラビットはその巨体に見合わぬ高スピードで、一気に肉薄して迫って来た。そのまま行けばこちらに着くまでに、一秒と掛からなかっただろう。だが、こちらとの距離が10メートルほどまで近づいたころで、どこからか"スパンッ"という大きな音がなったと同時に、クンラビットは大きく真横に吹っ飛んでいった。


 そして俺はというとーーー


 「え?なに?何が起こったの!?」


 高速すぎる戦闘に眼が全く追いついていなかった。あと、状況にも頭が全くついていけず、置いてけぼり状態だった。

 

 そして俺は、クリスタの方はどうなったのかと、おそらくこの惨状を引き起こしたであろう張本人の様子を窺った。すると彼女は、右腕を左側に振り切った状態で、ただ悠然と佇んでいた。


 その佇まいがあまりにも自然だったもので、しばらくは何も言えなかった。少し、自分の心と頭が落ち着いたころを見計らって俺は、一連の戦闘に関する詳細を求めた。


 「クリスタ!。今なにをしたんだ?」


 だが、本当に聞こうと頭で思っていたこととは違っい、彼女が何をしたのかが気になったのか、つい先にそれを尋ねてしまった。だがクリスタからの返答はとても簡単なものだった。


 「奴がこちらに突進して来たので、()()()をして止めました。ご主人様」


 ん…?…んんんんんんんんんんんん?んぁ!!??


 今ビンタって言ったか!?ビンタって!!?。ビンタってあれだよな……あの普通のビンタのことだよな?。いや、普通のビンタじゃあ、あんなことにはならないんだけどさ。でもクリスタが嘘つくわけがないし……。


 クリスタやべぇ


 それが俺の中の一番の感想だった。


 今度からあまり怒らせないようにしよう。多分俺に怒ったりすることなんてないんだろうけど、そうしよう!。そう静かに決意を固めた。

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