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プロローグ

初投稿です。稚拙な文ですが、読んでくださると嬉しいです。


 俺の名前は平野明人(ひらのあきと)

 

 ただの平凡な高校生だ―――が、昔から自分が周りと比べてかなりの面倒くさがり屋、あるいは事なかれ主義であることを自覚している。


 学校では休み時間の間はずっと図書室にこもるか、机の上に突っ伏して寝ているかくらいだ。クラスの係を決めるときなどにはいかに自分が楽できるかを考えるのに必死になっていた。休日に外へ出かけることもほとんどなかったし、家にいてもただ一日中ずっとごろごろしていただけだった。


 親にペットを飼いたいかなどと聞かれた末には、即答で拒否した。べつにペットが苦手というわけではない。ただ単純に世話をするのが面倒だっただけだ。家族で外食に行くのも億劫だったし、旅行なんてもっってのほかだ。


 無用なトラブルを避けるために目立たず平凡に生きてきたし、これからもそんな何の変わりもない平凡で怠惰な日常が続くのだとばかり思っていた。


 そう、今日俺に――――平凡な日常を壊す出来事が起こるまでは――


 



――――――――


 ―???


 気がつくと俺は、何もない真っ白な空間にただ一人で佇んでいた。


 「何だここ?」

 

 てかどこなんだ?ここは?


 どうにも記憶が曖昧だ…


 俺はたしか今日、朝起きて普通に学校に行って、そして…どうしたんだったか?。


 




 ………そうだ!思い出した‼︎




 

 俺死んだんだ……通り魔に殺されて………。


 思い出した途端、通り魔に刺されたときの脇腹の痛みや恐怖の感情などが鮮明によみがえった。だが、何故かすぐに頭の中が冷静になり、すべての記憶がよみがえったとき、何かが胸にストンと落ちた感覚がした。自分自身が思った以上に冷静なことに若干の戸惑いを感じる。流石に自分が死んだ時にここまでドライなのは異常であると理解できるが、おそらくそれもこの非現実的なこの状況に、心が追いついていないからかもしれないと勝手に結論づける。


 というわけで、ここは天国に限りなく近い場所ではないかと推測する。


 一見眺めてみても果てのない真っ白な空間が広がっているだけで、地獄などを連想させるような禍々しいものは視界にない。


 まぁ多少、生前に怠惰でグータラな生活を送っていたからといって、地獄送りは勘弁願いたい。


 というか、そろそろ一人だと不安なので神でも天使でも(悪魔はさすがに勘弁願いたいが)いいので早く迎えにきて欲しい。


 と、そんなことを考えていたら―――。


 「どうもーこんちはー」


 「っ!!?」


 突然背後から聞こえてきた間の抜けた声に、俺は驚愕せざるを得なかった。。


 驚いて振り向いた俺の意識が向いた先には、男の俺でも思わず見惚れてしまうほどの美しさを兼ね備えた色素の薄い金髪の美少年が白い衣を纏ってふわっとした表情で俺を見つめ、ただそこで静かに佇んでいた。


 突然のことに少し驚いたが、なぜだか警戒心を抱かさせないその美少年に俺は努めて冷静に挨拶を返せた。


 「こんにちゅわ」


 ――こともなく、盛大に噛んでしまった。


 やべぇ、なんか宇宙人と邂逅したくらいの真面目な雰囲気だったんだが、かなり恥ずかしい醜態をさらしてしまった。


 だが、目の前の少年はそんなことなどお構いなしに会話を初めて――――はくれなかった。


 「っはははははははははっっ!!、噛んだよこの子!これ以上ないくらいの真面目な顔でっ!『こんにちゅわ』って!っはははははははははは!!!」


 っこのガキ!


 目の前のこのクソガキ、さっきまではあんなにのほほんとした顔をしていたくせに、今はその美しい顔を喜悦の表情に歪めて俺の失敗を笑っていやがる。今すぐにこの宇宙人?野郎をどうにかしてやりたいと思ったが同時に、元来の性格のせいなのかすぐに相手にするのが面倒になった俺は、今自分が置かれている状況を理解することを求めた。


 「おいこら聞け、ここはどこであんたは誰だ?」


 若干喧嘩腰になってしまったことには目を瞑って欲しい。


 「はははっ、ん?……ああ、はいはいほったらかしにしてごめんね平野明人くん」

 「!?」


 俺の名前を知っていることには少し驚いたが、この状況よりも奇異なことはないだろう。俺は再度務めて冷静に問い詰めた。


 「それで、俺の質問には答えてくれるのか?」

 「勿論だとも、君の質問に応じよう。まずはここがどこかという質問だったね。ここは、勿論君の知っている地球ではないし、君が考えているような天国でもない。ここは、魂の溜まり場だよ」

 「魂の溜まり場?」


 俺の疑問に、奴は意外と普通に答えてくれた。

 「そう、ここは本来来るはずのなかった魂が送られてくる場所さ」


 つまり?俺は意図せずしてここにきたわけだ。てことは、まさか!?。


 「うん、君の想像通りだよ。君は本来死ぬはずではなかった。君はなんらかの不具合に巻き込まれたのさ」

 「不具合って?」

 「さあ、詳しいことは僕にも分からない」

 「は?」

 

 いやいや、原因がわからないとかそんなことあるか?。


 「ごめんね、ただいま原因を鋭意調査中だよ」

 「えー……まぁいいや、それであんたは誰?」

 「ちょっと待って、君切り替え早すぎない!?。もっと不満とかないわけ?」

 「とくに興味ないんで大丈夫」 

 「えーー!?普通気になるでしょ!?。君頭大丈夫!?」

 「それは単純に心配しているのか?それとも単に貶しているだけかどっちだ?」


 こいつ、俺の善意の気遣い(ただ考えるのが面倒だっただけ)を無碍にしやがって。まぁいいや、早く話を進めよう。


 「それで、あんた誰?」


 俺はこれでもかと、面倒だという視線を奴に向けながら問いかけた。すると、奴は少し疲れたように溜息を吐いた。失礼な奴だ、疲れているのは俺の方だというのに。

 

 「わかったよ。君の質問に答えよう。僕の名前はテルン、一応神様やってるよ。あっ!ちなみに宇宙人じゃないからね!」


 やっぱりか、まぁ薄々察してはいたが宇宙人じゃないのは少し残念だ。なんて考えていると。


 「宇宙人より神様な会った方がびっくりすると思うんだけどなー。まぁいいや、それで他に質問がないようなら君の処遇について説明するけど?」

 「勝手に俺のを心読まないでくれる?まぁいいや進めてくれ」

 「りょーかい。まず君には選択肢がある。このまま天国に行くか、僕の管理している別の世界である異世界に転生するか。ちなみに転生してもらう異世界は剣と魔法のファンタジー世界だよ。さあ、好きな方を選んでくれ」

 「じゃあ天国行きで頼む」

 「えっ!?ちょっと待って!普通そこはさ『やっほうぃチートだ!ハーレムだ!異世界転生きたー!!』とか叫んで喜ぶところでしょ?」

 「お前が俺に求めていることとかどうでもいいからはやくしろ」

 「ちょっと待って!実は今天国が混んでてかなりの間待つことになっちゃうんだ!」


 天国が混んでるとか、改めて聞くとすげぇな。まぁそんなことより――――


 「じゃあなんで最初から二択にしたんだよ」


 俺が呆れまじりにそう呟くと。


 「それは……君ぐらいの年頃なら普通に異世界転生一択だと思って…」

 「まぁ、中には中には例外もいるってことだ。とりあえず異世界転生するしかないんだな?」

 「うん……待つことを選択すれば3000年くらい待ってもらうことになるよ」


 テルンはかなり落ち込んでいるようで、先ほどとの違いに少し戸惑った俺は、早く話を切り上げようと決意した。

 「はぁ、わかったからさっさとしてくれ。勿論チートはもらえるんだよな?」


 俺は呆れまじりに溜息を吐くと、異世界転生の催促をした。


 「うん!勿論だよ決断してくれてありがとう!じゃあさっそくだけど、君には三つチートを授けることができるよ!」

 「意外と多いんだな?」

 「うん!本当は一つだけしかあげられないんだけどね。これは僕からのサービスさ!!」

 「そうか、それはありがたい。一つ目は不老不死で頼む」

 「えっ!?いきなりぶっ込んできたね!?まあできなくはないんだけどね」

 「へーほんとにできるんだな」

 「不老不死じゃなくて不老長寿になっちゃうんだけどね。あ、ついでに病気で死なないようにしとくから」

 「いや、それだけでも充分だ。ありがとう。じゃあ二つ目だが今度は自分の寿命を決められる能力をくれ」

 「なるほどね、流石に何千何万年も生きていられるほど人間の精神力は強くないからね。おっけー了解したよ」


 テルンは瞬時に俺の意図を正確に汲み取ってくれた。心が読めるとは便利なことだ。


 「でもこれだと、まだかなりリソースが残っちゃうな……よし!授ける能力は4つまでにしよう。あと二つ何か欲しい能力があったら言ってよ!」

 「いいのか?」

 「勿論だとも!神に二言はないよ」


 ものすごいドヤ顔でそんなことを曰うこいつは、先程俺の天国行きの選択肢を半ば強制的に無くしたことを忘れたのだろうか?。


 だがどうするか。3つ目の能力はいくつか見当はつけている。あと必要なのは、剣と魔法の異世界でいかに俺が快適で怠惰に過ごせるかだ。そう、俺が向こうでやることはもう決めている。異世界転生では定番だと言われるかもしれないが、俺が望むのは誰にも邪魔されないスローライフ!。これにかぎる。だとすれば俺が望むのは…。


 「テルン、4つ目の能力はいらないからそのかわりに、3つ目は万能最強美女メイドが欲しい!」


 そう、俺が望んだのは剣と魔法の世界でスローライフしていくのに欠かせない、俺のスローライフを実現するための能力ではなくて、俺のスローライフを実現するための能力を持った召使いだ。召使いならべつにメイドでなくてもよいのでは?なんてちゃちなツッコミは、男の浪漫という言葉の前には霞んで消える。ちなみに、何故美少女ではなくて美女なのかというと、単に俺が年上好きだからというだけだ。


 と、自分の欲望をこれでもかと言うほど堂々と要求した。


 「…………っ!?ああ、わかったわかった勿論構わないよ。最強万能美女メイドだね。よし!任された!」


 どうやら俺の心を読んだらしい、若干引き気味のテルンは、そうやって早口に捲し立てた。べつにそこまで引くことはないだろうと思ったが、自分が心の中でしていた考えが結構キモかったのは自覚しているので黙することにした。


 そうしているとテルンが、召使いを与えるにあたって俺の要望を聞いてきた。


 「それで、どんなメイドが欲しいんだい?」


 テルンの要望にかなり迷いながらも、メイドの容姿を決めていく。え?能力はどうするかだって?とりあえず万能と言っておいたので細かいところはとくに言及しない。


 「よし!じゃあこれでいいかな?」

 「ああ完璧だ!ありがとな!!」


 と、なんやかんやあって俺たちは、万能美女メイドの設定を終えた。これでもかと自分の欲望を詰め込んだので、恥ずかしさはあるものの、これから現れる夢の美女メイドを想像するだけでこみあげてくる興奮が羞恥心を忘れさせた。


 「どういたしまして、じゃあ早速呼び出してみよう」

 

 テルンはそう言うと、手を打ち鳴らした。そうすると瞬きの合間に俺たちの目の前には、先程容姿などを設定した、ロングスカートのヴィクトリアンメイドのような格好をした美女メイドが現れていた。


 そのメイドの容姿は、その白く美しい絹糸のような神々しい長髪に、白磁みたいに透き通るような綺麗な白い肌を持っていた。そして、その細い瞳には全てを写し通すかのように美しい白銀の瞳があり、その長いまつ毛のせいでもあるのか、その瞳をのぞいていると引き込まれてしまいそうなほどの魔性の魅力を感じた。ふっくらとした艶のある唇にも眼が離せそうにないし、綺麗に整った鼻筋は彼女の整った顔を嫌と言うほど引き立てていた。身長は170cmほどで、女性にしては少し高い。そして何と言っても先ほどからずっと眼が離せない、このメイド服を押し上げる豊満な胸は俺の視線を嫌でも(決して嫌ではないが)引き寄せる。この細い腰のくびれも、キュッと引き締まった形の良いお尻も、彼女の色気を引き出し女性としての魅力を遺憾無く発揮していた。そして極め付けは頭の上に乗った猫耳と、その細長い白い毛に覆われた尻尾の先端が、ロングスカートの下からわずかに覗いている。


 そう!!!猫耳があるのだ!!俺が要望したのは獣人の白猫メイドである!!。最初に種族を決めるときには銀髪エルフか黒髪吸血鬼美女にするかでかなり悩んだが、その時俺の頭の中には天命(目の前に本物の神様がいるが気にしない)が降りた。獣人種を選べば、異世界でもふもふアニマルセラピーで戯れることができると!。美女と可愛い動物が、セットでついてくるとか最高すぎるだろうと気づいた時の俺の決断は早かった。それにペットと違って自分のことは自分でできるだろうし、こんなに俺に都合の良い最高のプレゼントは他にないだろう。ありがとな!テルン!!。実はまだ心の中でお前を密かにディすってたけど、もうやめるよ!。年上白猫美女メイド最高ーーーー!!!!。


 「さあ、この子が君のメイドだよ。基本君の命令には逆らえないようにしてあるし、君に対する忠誠心も厚く、君のことを護り、お世話し、存分に甘やかしてくれるだろうから可愛がってやってくれ。それと名前も君が決めるといいよ」

 「ああ、ほんとにありがとなテルン」

 「うん、こちらこそどういたしまして。さて、君も挨拶をしなさい、この人が今日から君の主人だよ」

 「はい、かしこまりました。初めましてご主人様。これからは、私がご主人様の全てをお世話しサポートさせていただきます。今後とも、何卒宜しくお願いします」

 

 そこで初めて彼女は口を開いた。そのクールな表情に、僅かな微笑みをまじえ俺を見つめていた。正直かなりドキドキしている。そりゃあ、こんな俺の好みにドストライクなメイドに見つめられたら、緊張するなと言う方が難しい。そこで俺も、彼女に対して挨拶を返した。


 「ああ、これからかなり面倒をかけるがよろしく頼む。俺のことを養ってくれ!」


 と、こんな感じで普通の女性ならドン引きするであろうこの言葉に彼女は…


 「勿論です。ご主人様、私になんなりとお申し付けください」


 彼女の返答に、違う意味で惚れそうになるところだったぜ。それよりも……


 「そろそろ名前ををつけても良いかな?」

 「はい、ご主人様に付けていただけるのならば、なんでもかまいません」


 むぅ、可愛いことを言ってくれる。実は彼女の容姿を目の前で見た時から、イメージは湧いていた。


 「君の名前は、クリスタルを縮めてクリスタ、なんて考えてみたんだけどどうかな?」

 「とても素晴らしい名前です!。ご主人様!、ありがとうございます!」

 「うん、どういたしまして」

 

 クリスタのクールな微笑みに合わせて、少し弾んだような彼女の声を聞いた俺は、彼女の顔から眼が離せなかった。可愛すぎるだろ!、この!!。

 たいしてセンスのある名前をつけてやったわけではないのだが、こんなに喜ばれては何も言う気はなくなってしまった。


 「名前が決まったようだね。じゃあそろそろ行ってもらおうか。赤子からやり直すことはできないから、新しい肉体に転生させてどこかに送ることになるけど。どこか希望の場所はあるかい?」

 「えっ!?そうなの!?そういう大事なことは早く言ってくれよ!」

 「ごめんごめん。新しい肉体は容姿もいじれるけどどうする」


 全く悪びれた様子を感じさせない態度は今更なのでスルーする。容姿については前ととくに変えなくても良いだろう。べつに前世の容姿がイケメンだったわけじゃないが、なんとなく自分の顔をいじることに忌避感を感じたからだ。


 「容姿は前世と同じでいいよ。転生する場所は、人があまり来ない静かな場所がいいかな」

 「りょーかい。だったら魔の森にしよう。あー、安心してよ。名前は物騒だけど自然豊かで住みやすいところだから。多少強力な魔物も出るけど、そのメイドちゃんがいれば邪神でも現れない限り君がやられることは絶対にないから!」


 ん?クリスタはそこまで強いの?勇者とか魔王より?いるかわからんけど。


 「じゃあ、そろそろ送るよー。平野明人くん、異世界生活存分に楽しんでよ。」

 「ああ、目一杯楽しませてもらうよ。行こうか、クリスタ。」

 「はい、ご主人様!」

 「じゃあな、テルン!」

 「うん、またね明人くん!」


 数秒後、俺とクリスタは青い光に包まれ異世界へと旅立った。

 

 こうして、俺たちの異世界ぐーたら生活は始まった。

 


 


 




 

 

 

 







 


 


 


 


 


 



 

 

 最後まで読んでくださった方、途中まで読んでくださった方もありがとうございました。


 この続きがいつ出せるかは未定です。

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