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トトちゃんと虹色の食べ物

作者: ハーメルンホイッスル

 とある所にトトをいう小さな女の子がおりました。トトちゃんは元気な女の子で、今日も何処かへお散歩するようです。

「トト、お散歩行くならこれを持って行きなさい」

お母さんから渡された物は虹色の食べ物でした。トトちゃんは、お気に入りのうさちゃん鞄に入れていざ出発!

トトちゃんが公園に差し掛かると、大きな風船が茶色い物を食べていました。その風船は、今にも破裂しそうな雰囲気で、茶色い物をすごい勢いで食べてます。

「風船さん、風船さん、それ以上食べると割れちゃうよ!」

「なんだい?お嬢ちゃん?僕はこれが大好物で食べるのがやめられない程なんだ!邪魔をしないでくれるかな?」

トトちゃんは、風船が割れる音が嫌いだった為、何とか止めさせようと、風船についている紐を引っ張りましたがビクともしません。

「そうだ!お母さんの虹色の食べ物を食べさせて、驚いている内に茶色い物を取り上げよう!」

うさちゃん鞄から、お母さんの虹色の食べ物を取り出し少し千切った後、風船さんの口に投げ込みました。

「びっくりした!何をするんだい?僕の好物を返しておくれ」

「やだよー」

 茶色い食べ物を取り上げたトトちゃんは、返して欲しい風船さんと追いかけっこを始めました。走り回っていると風船さんから徐々に空気が抜けて徐々にスリムになって行きました。

「ハァ…ハァ…こんなに走ったのは何時ぶりだろうか…」

「風船さん、なんだかすっきりしたね!」

「ああ、そうだな、悲しい事と辛いことが多くて大好物を食べていたら、止められなくなってしまったいた…お嬢ちゃんありがとう助かったよ!」

「じゃあ、これ返すね!」

「いや、それはもういらない、君に上げるよ」

風船さんは笑いながら何処かへ行ってしましました。トトちゃんは、風船さんからもらった茶色の食べ物をうさちゃん鞄にしまいお散歩を再開させました。

「これは、俺の物だ!」、「いいえ、私の物です」、「いや、僕の物だ!」

トトちゃんが、町を歩き喫茶店に差し掛かると、一つのテーブルを囲み、言い争っている赤、青、緑色の三色の火がいました。

「ねぇねぇ?何を争っているの?」

「お嬢ちゃん!聞いてくれよ!この白い食べ物は俺の物だって言っているのにこいつらが取ろうとしているんだ」

「いいえ、違います!これは私の物です、私が遠い所まで行って取ってきたのですから」

「いいや、僕のだね!僕がここまで運んできたのだから僕の物だ!」

言い争う三色の火は、ヒートアップしてしまい火の勢いが上がってしまいました。このままでは喫茶店は燃えてしまいます。

「みんな、落ち着いて!まずはこれを食べて落ち着こう?」

トトちゃんは、虹色の食べ物をうさちゃん鞄から取り出し、半分千切って均等に三つに分けた後、三色の火へ渡しました。

「もぐもぐ…おいしいなぁ…こんなおいしい物があるのに俺達は何で一つの食べ物にこだわっていたのだろうか…」

「そうですね…他にもある事は知っていたのに熱くなってしまいました」

「なんだかばかばかしくなっちゃった…」

「お嬢ちゃんありがとう、これ上げるよ持って行きな」

三色の火は頷き合い、トトちゃんに白い食べ物を渡しました。それから三色の火は帰って行くとトトちゃんはお散歩を再開しました。

「うぅ…お腹すいたなぁ…」

トトちゃんが、何もない空き地に着くと、1人の少年がお腹を空かせていました。

「どうしたの?お腹すいたの?」

「うん、ずっと何も食べてないんだ…」

「じゃあ、これ上げるね」

トトちゃんは虹色の食べ物、白い食べ物、茶色い食べ物をうさちゃん鞄から取り出し少年に渡しました。

「おいしい…おいしいよ…」

「よく噛んで食べないと体に悪いよ?」

少年は、涙を流しながら食べ続け、あっと言う間に平らげてしまいました。

「ごめんね、全部食べちゃった…」

「大丈夫だよ!もっと食べさせてあげたいけどもうない…ごめんね?」

「いや、ありがとう助かったよ」

「あ、もう帰らなくちゃ!お母さんに怒られちゃう!」

「待って!君の名前は?」

少年は、トトちゃんに名前を尋ねましたが、トトちゃんは脇目も降らずに自分の家に帰ってしまいました。

「ただいま~」

「おかえりトト、お散歩楽しかった?」

「うん、楽しかったよ!」

トトは母親に笑顔で答えた後、ふとテレビに目を向けると、さっき出会った少年の雰囲気を持つ大人が映っていました。

「私は昔、空腹で動けなくなっていた所を名も知らぬ少女に助けられた過去があります、私はあの少女のような優しい心を持つ人がだくさんいる国にしたい!」

母親から呼ぶ声に気が付き、トトはテーブルに着くと母親に不思議な顔をされてしまいました。

「どうしたの?トト?何かいい事あった?」

「何でもないよ~」

トトは、テーブルに置かれた沢山の色の食べ物を食べていき、最後は両の手を合わせました。

「ご馳走様でした」

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