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6.夢の中での会話

 僕は和歌さんの実家に行った日の夜、和歌さんの夢を見た。「今日は私の家に行ってくれてありがとね。」「ううん。こちらこそ。家族みんな良い人達でなんだか安心した。」「それは真筝君の人柄が良いからよ。」そんな会話で夢が始まった。「あれだけネギを貰えば今年の夏は薬味に困らないでしょ。」なぜか帰り際に貰ったネギの話になった。「確かに。そしてあのネギは甘くて美味しい。ネギって冬のイメージあったから夏も取れるんだなって思った。」僕はネギの感想を述べた。「なんかね。私もよくわからないんだけど、冬に取ったものを土の中に保管しているらしい。たっぶん。」多分を「たっぶん」とためて言う所から和歌さんもネギについては詳しく無いという事がわかった。「私はね、夏は冷たい麵類の薬味にするのが好きで、冬は鍋料理でトロットロになるまで煮込んで食べるのが好き。」「あとね。風邪をひいた後、お母さんがネギを焼いてガーゼに包んで首に巻いてくれた。よく季節の変わり目に風邪ひいてたから。でもね、ネギ効果からかインフルエンザにはあまりかからなかったな。最後になったのは小4の時くらいだな。」和歌さんはネギの好きな食べ方と風邪に良いとされるネギ効果について教えてくれた。「後、ネギって放置しておくと伸びるよね。あれちょっと面白い。」僕は退院したばかりでネギが伸びる話は知らなかった。                                               そんなネギトークも終わり今度は夕樺梨ちゃんの話になった。「でもあの人見知りな子が初めて会った人にピンク色のそうめんをねだるとは思わなかった。」確かに。最初、夕樺梨ちゃんは僕を不安そうに見ていた。でもだんだん慣れてきたのか僕の隣に来てくれた。「やっぱり真筝君の人柄かな。ゆかりが泣いた時も優しくしてくれたし…。」和歌さんがそう言った。それを聞いた僕はこう言った。「それとも、お姉さんの代わりだと思ってくれているのかな?」和歌さんは小さな微笑みを浮かべて「かもね」と呟いた。その顔は妹への心配がほぐれた姉の顔だった。「かもね」という一言にも「ゆかりの事これからもよろしくね。」と言われているようだった。僕は和歌さんに旅だけでなくもう一つ『妹の存在』という大切なものを託されてしまった。                                            そして、話は夏祭りの話になった。「いいなぁ。真筝君ところのお祭りって花火大会があるんだ。こっちは同じ日にやってるのに花火一つ無いし、盆踊りなんて『埼玉音頭』とか変な歌ばかり流れてる。やっぱ都会は違うな。」和歌さんがそう言った。「僕のところは『ダンシングヒーロー』が流れたよ。」と言うと、「あぁ、なんかあんた踊ってたよね。てかダンシングヒーローってどうやって踊るの?やって!」と和歌さんに急な無茶振りをされた。僕は冒頭の部分だけ踊った。夢の中でも明晰夢なら踊れるんだなって思った。すると和歌さんが「真筝君は私に選ばれたシンデレラボーイだよ!」とテンション高めに言った。一瞬、この人酔っ払ってるかと思ったけど、いや、この人は女子高生だ。そして、死者だ。と思い直した。和歌さんは死んでいる事を忘れさせるくらい明るい女の子だった。                                                                       「真筝、朝ご飯出来たわよ!」というお母さんの声で僕は目を覚ました。2階の僕の部屋から降りて居間に着くと、不意に朝ご飯をテーブルの上に並べていたお母さんにこんな事を聞いた。「お母さんって夢の中で踊ろうと思って踊った事ある?」お母さんは動かしていた手を止め「は?」と言った。そりゃそうだ。「おはよう」も言わずにいきなりそんなことを聞かれたら誰だって驚くと思う。僕はこの夢を見るたびにこのような事がどんどん増えてくると思った。

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