1章 異世界バトルロイヤル開始 <後編>
前編からの続きです
しばらく歩くとウエスタンな雰囲気の町が見えてきた。
七峰 「とりあえず宿を探さねーとなー。・・・んっ?」
町を見渡しながら歩いていると路地裏にぼろぼろの服を着た少女がいた。
ぐ~~~~
少女 「・・・・・」ちらっ
少女は俺の持っているパンを見ているようだ。
俺は持っていたパンを少女にすべて渡した。
七峰 「ほら、食べな。」
少女は黙ってパンを受け取った。
少女 「・・・ありがと。」
そのままどこかに走り去っていった。
この世界にもやはり貧富の差はあるんだろうと考えながら俺は宿探しに戻った。
町を一通り回って宿のようなものを見つけた。
宿に泊まるのにも金が必要だったので能力を使った。一晩で銀貨2枚だそうなのでとりあえず、銀貨3枚出した。
その日の夜に宿の風呂で石鹸を踏み頭を打った。幸い大事には至らなかったのでよかった。
その日はすぐに眠りについた。
翌朝
??? 「お前らぁぁ!!全員動くんじゃねぇ!!」
俺は宿の外からの大きな声で目が覚めた。
七峰 「うーーん・・。なんだ?」
俺はすぐに起床し外に出た。
外には人だかりができており、あまり見えないが大きな銃のようなものを持った大柄な男が叫んでいるようだ。
??? 「いいか!今日からここは、俺の町だ。
もし、逆らったやつはこうしてやる!」バンッ!
大柄な男は、人だかりの中にいた一人の青年に向かってその銃を撃った。
青年 「ぎゃあぁぁぁぁ!!」
ビリビリビリ!
バタン
青年は電撃のようなものを浴びせられ倒れてしまった。
「・・・・・・・・」
「きゃーー!」「やべぇ!」「誰か城に連絡しろ!」
大柄な男 「うるせぇぇ!こうなりたくなきゃ俺様に従え!」
七峰 (もしかしてプレイヤーの1人なのか?
くそっ。ここからじゃよく見えない。)
俺は人をかき分けて姿を確認しようと前に出た。
それが失敗だった。一瞬目線を前に送ったとき目があってしまった。
ピカッ
カードが光ってしまった。
大柄な男はにやりと笑いこちらに銃を向けた。
大柄な男 「おい!そこのお前ちょっと前に出な」
仕方なく俺は黙って前に出た。
大柄な男 「くっくっく。今日はついてるぜ。
カードが2枚も手に入るとはな。」
男はもう1枚カードを持っているようだ。
七峰 「じゃあ、今日はもういいんじゃないんですかねぇ?」
大柄な男 「そういうわけにはいかねぇなぁ。
まあ、おとなしくカードを渡せば命は助けてやるよ」
七峰 (クッ!能力を使うしかないか。だがまだ情報が足りない!
せめてあの銃の情報がもう少しわかれば・・・)
七峰 「い、いやぁその銃かっこいいですね!」
大柄な男 「ハッ、時間稼ぎか?まあいい、冥途の土産に教えてやるよ。
この銃は麻痺銃っていう名前でな。
撃ったやつを痺れさせるんだよ。」
七峰 (なるほどな、よし)
大柄な男 「そろそろおしゃべりも終わりだ。
早くカードをこっちによこせ。」
七峰 「わ、分かった。おっと!」
ズテッ
大柄な男 「ドンくせぇやつだな。早くしろ!」
七峰 「は、はい。すみません!今行きます」
俺は少し大柄な男に近づいた。
七峰 (こっから運しだいだ。やるぞ・・・)
七峰 「はいカードをどうぞ!」
バサッ
俺は手にもった砂を男に投げつけ物陰へと走った。
大柄な男 「ぶはっ!てめぇ!殺してやる!」ダァン!
男が放った弾は俺には当たらなかった。
物陰まで辿り着いた俺は、すぐに能力を使った。
七峰 「よし!<我は望む!>」
大柄な男 「おい!早く出てこいさもないと町の住民を一人ずつ殺してくぞ!」
俺はその声が聞こえた瞬間、一直線に走った。
大柄な男 (速い!だが・・)
大柄な男 「馬鹿め!これで終わりだぁぁ!」
ダァン!
男の放った弾は確かに俺のもとへと飛んできた、が
それは当たる瞬間に横にそれていった。
大柄な男 「なっ!?」
今回俺は3つのことを願った。
1つ目は剣、2つ目は素早さ、
そして3つ目は、初弾が絶対に当たらないこと、この3つである。
正直同時に3つの願いを叶えれるか聞いてなかったので賭けではあったが成功したようだ。
七峰 「うらあぁぁぁ!」
グサッ!
俺はそのまま持っていた剣を男の胸へと突き刺した。
大柄な男 「ぐあぁぁ!・・・ああぁ・・」
バタン!
男はそのまま倒れた。
町の人々 「・・おぉ・・・・おおおおぉぉ!!」
天弥が男を倒した瞬間、町中から歓声が沸き上がった。
「よくやった!」「ありがとう!!」「すごいぞ!」
七峰 「は、ははは・・・。」
ダァン!
ビリビリビリ!
七峰 「なっ!?」
バタン!
七峰 (体が痺れて動かない!!)
大柄な男はにやりと笑い動かなくなった。
パカラッパカラッ
七峰 (まずい!兵士が来てしまう!
事情があるとしても俺は人を殺してしまった。
この世界の法律がわからない、今捕まるのはまずい!)
少女 「落ち着いて。」
顔を上げるとそこにはあの少女がいた。
少女 「今助けるわ。」
少女が手を触れた瞬間、体が軽くなった。
七峰 「おお!すげぇ!ありがとう!」
少女 「礼は後で。速く行って。」
七峰 「ああ、あ!最後に名前だけ教えてくれ。」
少女 「・・・レイよ」
七峰 「OK!レイな。またなレイ!」
俺はそのまま町の外へと走った。
レイ 「またね・・か・・。」
フッ
レイはそのまま景色の中へと消えていった。
七峰 「ふいぃ~~~。これだけ離れれば大丈夫だろ。」
俺は町から大分離れた森の近くまで走ってきた。
素早さを上げていたので追いつかれる心配はないだろう。
七峰 「さて、カードの確認でもするか。」
俺は新しく手に入った2枚のカードを確認した。
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59.麻痺銃
弾を当てると一定時間動けなくなる。
1発撃つと5秒間のチャージ時間が必要となる。
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77.約束
双方の同意のもとの約束は絶対の強制力を持つ。
取り付けていられる約束は3つまでである。
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七峰 「どっちの能力も結構使えるな」
ただ気になるのはこの「約束」のカードの持ち主だ。
あいつの麻痺銃だったら殺さなくても
カードを奪えるし、人を殺すのも少しためらってたように見えたしな。
七峰 「まあ、考えても仕方ないな。次の町にでも向かうか」
ここは森の中の小屋。
この中では1人の女子高生がうずくまっていた。
女子高生 「ううぅぅ・・・。返してよぉ・・私のカード・・!」
がたがた
女子高生 「ひゃっ!」
強い風が吹き小屋が揺れた。
女子高生 「もうやだ・・。誰か助けて・・!」
今日はここまでですがこれから頑張って投稿しますのでよろしくお願いいたします