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酒

城の中に戻ると、食堂に通された。

大きな円卓にはすでに料理が運んでられており、バッサル法王、シュルリー王女、プルートー先生、マタザ、ミラは席に座っていた。

俺とハイトンも空いていた椅子に座った。

「おお、我が親愛なる友人よよく来てくれた」

と、バッサル法王が言う。

俺っていつのまにかすごい立ち位置になってませんか?

上手く言葉が出せずに頭だけ下げ目礼をした。

「腹がすいたか?さあ食べられよ、とにかく食べよ」

「すいません、食欲があまり」

「なら飲め、良い酒があるぞ」

と、ワインを勧められた。

一口口に含むと渋い深々敷く喉に通すと張り付くようなワインではなく、まだ若々しく少し甘みのあるワインでぐいぐいと飲んでしまった。

この世界に来て初めての酒。

酒は避けていた。ダジャレではない。

気鬱の病になってからは、禁酒していた。

我を忘れてしまうことがあったために。

嫌いではない、大好きだ。

久々の酒にぐいぐいと飲んでしまった。

そして、記憶が途切れた。