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「闇の魔法、厄介な物を受けたわね」


書斎と呼べるような一室に連れてこられた俺は、プルートー先生が俺の胸に手を当てて真面目な顔で言っていた。


「やばいですか?」


「やばい?ん~良くはないわよ、気をつけなければ心の隙間を侵食するわ、あなたほどの力がある者でも人の心はそれほどにもろいのよ」


「どうにかなっちゃうんですか?」


「それはあなた次第、心が侵食されたらあなたは殺人鬼になるでしょうね」


「殺人・・・・・・」


「天才と殺人鬼は紙一重、しかし、心でそれにならないか自制している。闇の魔法はその壁をもろくするのよ」


・・・・・・マタザを殺したいと思ってしまったときが、その自制が効いていなかったわけか。


「大丈夫、あなたは元々の力があるから次第にこの魔法は消えていくからしばらくの間だけ注意すれば大丈夫なはずよ」


しばらくとは具体的にはどれくらいなのだろう。

しかし、いつもとは違う真剣な顔をしているプルートー先生にはそれが聞けなかった。


部屋から出ると俺はハイトンの手を引いていた。


「ミラ、ちょっとごめん」


そう言い残して、二人になった。


「ハイトン、これから大事な使命を、いや命令をする」


「はい、なんでしょうか?」


「俺が修羅?殺人鬼になりそうになったら止めてくれ、殺してくれ」


「御主人様、それは」


口ごもってしまったハイトン。


「これは、逆臣ではない、俺からの命令だ」


「しかし、御主人様」


「安楽の死、お願いだ、俺を殺人鬼にさせないでくれよ」


涙しながらハイトンに抱きしめて言っていた。

殺人鬼になることだけは避けたかった。


「わかりました。最後の手段ですからね」


そう言ってハイトンは強く抱きしめ返してくれた。

ハイトンは、本当に良い家臣だ。



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