野宿
「お父様の事は気にかかるけど、これ以上無理をしても馬つぶれそうだしね」
そう、今、馬車を引いているのは俺が出している精霊、ゴーレムのハーフ。
そうなると俺の状態と比例する。
ケンタウルスのケンちゃんもユニコーン4頭も、ヒーヒーヒーヒーと言いながら横になっている。
俺が回復しないと移動できない。
すまない。
「政宗、寝なさい」
いやいや、そう簡単には眠れないから。
ゔぅ。
ハイトンに腹パンチをされて俺は朝まで眠った。
俺の忠実な家臣は方法を選ばないらしい。
広い広い荒野の地平線に上る赤々とした太陽の朝焼けの光で俺は目が覚めると、ミラもハイトンもシュルリー王女も焚火の脇で横になっていた。
「目が覚めたかい、政宗くん」
甘い甘い言い回しで言ってきたのはマタザだった。
「迷惑かけたみたいで、すまない」
ふっ、と鼻で笑った。
「君は中途半端だ」
「ん?」
「魔法はプルートー氏が認めた腕、しかし、それは人間としてだ。
ハイエルフや魔族からしてみたらごろごろいるレベル。
剣は君は天叢雲剣に使われている。
使っていない。
剣を極め、剣と魔法をあわせ持った能力なら二つを掛け合わせたらどうだい?
元来、魔法剣士は最強の伝説があるからな」
たしかに、俺は天叢雲剣の力に頼りすぎていた。
無意識に動く体で戦っていた。
これは初期設定の剣聖スキルMAXのおかげなのだろう。
魔法は確か、万能の賢者スキルMAXならこの二つを掛け合わせたら・・・
「どうだい、僕と手合わせしてみないかい、な~に殺しはしないよ、
ふふふ、お尻には刺すかもだけど」
だから、その腰を振りながら言うのはやめてくれ。




