ケンタウルスのケンちゃん
ミラの話を聞いた翌朝はハイトンが作ったパンケーキに塩漬け菜っ葉に干し肉を挟んだ朝食を食べた。
あまじょっぱくなかなか、面白い味。
不味くはない、美味しいけど違和感があるってやつです。
ガレットを思い出す。
朝食を食べたあと、俺が命を吹き込んだゴーレム、ユニコーンが引く神輿形馬車に三人で乗車、家を出た。
『パラリラ、パラリラ、パラリラ、パラリラ』
なぜかケンタウルスのケンちゃんが先頭を走っている。
パラリラ、パラリラは品がないので、『わっしょい』と言うように指示した。
『ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ、ショイ、ワッショイ、ワッショイ、ワ、ショイ、ショイ、ワッショイ、ショイ、ドケドケ、テヤンデー、バーヤローメー、』
うん、なんで変な言葉になる?
何故に江戸っ子?
しかも、速い速い。
う~酔う気持ち悪い。
我が領地、イバラキ州を抜けると関所があったが、
『バーヤローメー!こっちとら~デューク久慈様の先達だー!関所を開けろー、バーヤローメー!』
うん、生成しなおさないと駄目かな。
4時間かかる道を2時間で走り抜いた、我がゴーレム、ケンタウルスケンちゃんとスピコーンは余裕綽々の顔で、王都セルシーの街に入った。
流石に最後の関所は、俺が顔を出して公爵の証のブローチを翳したけどね。
途中の関所の役人、ちゃんと仕事しなよ。
こんな、ケンタウルス通しちゃダメだよ。ダメダメ!
イジメ~ダメ。
そう今日の目的はイジメと勘違いにより傷ついている、シュルリー王女だ。
宮廷の前に着いた神輿形馬車から俺は、飛び出し・・・吐いた。
「おえぇぇぇぇぇ~。」
ヒロインが吐く作品は名作って聞いたことあるけど、ごめんなさい。
中身はオッサン主人公の俺が吐きました。
隣で美少年も吐いてます。
「おげぇぇぇぇぇぇ~。」
「大丈夫ですか?」
ミラは平気なようで、馬車から降りるとケンタウルスのケンちゃんを撫でてました。
ミラは慣れていたのね。
再生成はミラが残念がるだろうから諦めます。
「HEY、baby」
赤ん坊はいません。
主人公よりイケメンが現れました。
マタザ衛士隊長でした。
ミッチーと呼びたい。
「こんな、所で吐いちゃダメだよ」
「お、お~、申し訳ない」
「こりゃ~珍しい、珍客、チンチン客だね~、はははっ」
今は気持ち悪いから静かにして。
「デューク久慈、君が現れたってことは、シュルリー王女に用だね、すぐに面談の予約するから応接間で休みたまえ」
と、光輝く金色の鎧を着たマタザは宮廷の奥に消えていきました。




