増築、棟梁
堀を作ってる最中に何度か大工の棟梁が訪れた。
堀を作る、美少女ゴーレムを見て俺を「こいつ、頭大丈夫か?」って顔で見てたよ。
そりゃ~俺だって、上司が美少女の社員ばかり集めてたら人格を疑うよ。
しかし、ゴーレムなんだから許してよ。
「よろしく、お願いします」
と、初日に挨拶したら土下座されてしまった。
偉い人なりの態度をするのは難しい。
俺は絵心はない、画伯だ。
だが、図面は書ける工業科卒業だし日本の城郭マニアだから。
イメージしたのはこじんまりして、でも味がある犬山城の天守をイメージしながら図面をおこした。
「御領主様、木造の城はあまりないのですが良いのですか?」
「城塞じゃなくあくまでも住まいだから構わないよ、今回は手狭になってきたから増築で」
「はい、わかりました」
この世界では、石作りの城、宮殿が一般的らしい。
俺が図面をおこした家は、
一階がおよそ64畳のワンフロアー。
二階が8畳4部屋。
三階が8畳1部屋。
一階が今いる家と廊下で繋がる連立式天守に近い。
台所は、新しく作ろうか相談したらミラは今までの家で利用で良いらしい。
お風呂は狭かったので別棟に新築をした。
「御領主様の図面は見たこともありません」
と、日本の城郭「望楼型」が珍しいようで、俺を蔑む目が尊敬の眼差しに変わっていた。
屋根は一階二階を黒瓦にしてもらい三階を銅板瓦にして貰った。
木材の加工も職人スキルがあるのかわりかし早く、準備期間を経て夏前に着工となり、夏が終わる頃には形として出来上がっていた。
仕事早いな。
その間、度々シュルリー王女とプルートー先生は訪れて、
「愛の巣ね」
と、プルートー先生はうっとりしていた。
違いますね。
「私の部屋はあるのかしら?あるわよね?それにしてもちっちゃいわね~ガツンと宮殿作りなさいよ」
シュルリー王女、部屋は用意してませんから。
一階は靴が基本の世界のため大理石にしてみた。
夏場でもヒンヤリする。
「御領主様、この地域は冬が厳しいので床暖房をいれませんか?」
床暖房があるなら絶対に使いたいがどうゆう風に熱を送るんだ?
床暖房を頼むと、マジックアイテム魔獣コアなるものが運ばれてきた。
エコキュートみたいな物で、地下に管を通してマジックアイテム魔獣コアで暖められたお湯を流すとのことだ。
このマジックアイテム魔獣コアがすこぶる高い、一台1億ライトワールゴールド。
貴重品らしく魔獣から取り出されたコアを原材料に使って作られる動力炉、燃料代わりに魔力を補充しないとならないが俺の魔力を7日に1回入れれば良いらしい。
夏は水を通せばヒンヤリ。
万能だな。
マジックアイテム魔獣コア、何かに活用出来そうだな、今後考えよう。




