呪いの冥王
「あなたが瑠璃色のドラゴン殺しね、宮廷魔術師団でもっぱらの話題よ、宮廷魔術上席兼魔術師士官学校校長を任されていますプルートー・カース・ドラキューラ二世よ、夏のバカンスが長すぎてお給料少ないのよ、バイト見つかって良かったわ~」
「えっ、先生はお金を~~~ん~~~」
ミラが途中で口が開かなくなる。
「ミライア、お口にはチャックよ」
プルートー・カース・・・呪いの冥王ドラキュラ?なんかすごい名だな。
口を閉じさせられていたミラが解呪して、話し出す。
「プルートー先生はハイエルフと吸血鬼のハーフなんですよ」
「吸血鬼とエルフね~なんかあまり聞かないけど過ごそう」
「年齢は~~ん~~~ん」
「お口にはチャックよ」
うん、女性の年齢は言わないでさしあげろ、ミラ。
「お綺麗な先生に教えていただけるなんて光栄ですが、すみません、今日は体調が」
白肌のお顔が真っ赤になるのがわかった。
「あ、あ、あたしが綺麗ですって?」
「え~めっちゃ美人じゃないですか、スタイルもいいし」
前世だったら『セクハラだー』って査問委員会ものだな。
「お口が上手いこと、ほほほほほっ」
と、言いながらミラが運んできたお茶を飲んでむせっていた。
「どれ、少し見させてもらうわね、白魔法も一応マスターしているので」
と、俺の手を両手首を抑えて脈をとるような動きをするがプルートー先生から何やら温かい気のようなものが流れてくるのを感じた。
「なるほどなるほど、これは心に暗闇の力が住み着いているわね、これは静養して地道に治していくもので魔法では治せないは、ごめんなさいね」
「いえ、気になさらずに」
「ミライア、お薬は飲ませているのかしら」
「はい、こちらを」
先ほど細かくしていた薬草を先生に見せると、先生は指に少しだけつまんで舐める。
「流石ね、魔術師士官学校薬学課主席卒業なだけはあるわ、でも、ここにドラゴンの生き血を一滴入れれば文句がないのだけど、流石に新鮮なドラゴンの生き血を毎日一滴は難しいわよね」
「えっ?僕の生き血を御主人様にあげればいいんですか?」
「ん?あなたは?あれ?たしか、神龍スバラッヒー王の孫にしてハイレッド・ジェネナル・ドラゴンじゃない、なんでここに?」
ハイトン有名人?有名ドラゴン?
「おじい様の命で、瑠璃色のドラゴン殺しの家臣にならさせていただいてます、どうかこのことは内密に」
「もちろん、雇用主の家の情報なんて出すほど口は軽くないから安心なさって」
「御主人様、僕の血一杯飲んでくだしゃいね~」
なんか、ハイトン嬉しそう・・・・・・一滴でで良いんだろ?
「すみません、今日は休ませていただきます、御無礼お許しください」
「いいのよ、ゆっくり休んでちょうだい、レッスンはこの嵐が抜けてからのほうがよろしいはね、三日後には晴れるからその時に来るわね」
先生は天気予報ができるのだろうかと思ったが、俺はひどくなった頭痛から逃れるためにベッドに横になり静かに寝た。
先生はこのあと、ハイトン自慢の焼き菓子を土産に魔法陣に消えていったらしい。




