魔女
珍しく今日は大荒れの天気だ。
外は台風が直撃しているかのごとく暴風雨。
それは今、待っている人物が嵐を呼んでいるかのよう。
俺はリビングのソファーにハイトンの膝枕で横になっている。
天気と連動して今日は気分が優れない。
こんなときは、ハイトンはふざけて顔を近づけてくるようなイタズラ事はしなで優しく頭を撫でてくれている。
今日は久々に頭痛がする。
契約の刻印で俺の不調わかるのかな?ミラ、いつもとは違う煎じ薬を調合してくれている。
「御主人様、今日は先生が来る約束の日ですけど、来たら帰って貰いましょうね」
ミラは、ハーブだか薬草だかを乾燥させた物を石のすり鉢でゴリゴリと細かくしながら言ったが、流石がに会わずに帰すのは礼儀に反すると思いベッドには行かずこうして待っている。
そろそろ予定の時間らしく、ドラゴンの皮で作られた魔方陣をミラが広げた。なぜに時間わかるのかな?
腹時計か?今日は太陽が見えないから南中もわからない。
魔方陣を拡げてからしばらくすると、魔方陣が淡く青い光をだす。
「御主人様、来ますよ」
そうミラが言うので立ち上がると俺は軽く立ちくらみを起こしてしまい床に膝ま着いた。
フワァ~と光が強くなると魔方陣に一人の女性が現れた。
「みなさま、こんにちは、あら、膝ま着いてお迎えなんて幸栄だわ」
紺色のパンツスーツに身を包んだ女性、乳・・・デカイ!Fカップはあるな?と、下から見上げた。
顔を見るとレンズが細い赤い縁の眼鏡をしている、30代前半に見える。髪は金髪ロングで両耳の後ろに引っ掻けており、その見える耳は横に尖って長い。背は高いしなんか、「あたし失敗しないので」って言いそう。
「先生、すみません、御主人様は今日は見ての通り具合がよろしくなく、授業はお休みと言うことで」
「あら、そうなの、大丈夫?まぁ~バイトなので雇い主ありきなので私はかまわなくてよ」
俺はクラクラする頭を押さえながらソファーに再び座る。
「すみません、天気が悪いとたまにこうなるもので、座ったまま失礼いたします、私が魔法を教えて頂きたく頼みました、久慈政宗です」
ミラがテーブルの椅子を引き、先生に座るように案内して、座ると俺をじっと見ていた。
観察されているかのようだった。




