ミライア・サン
ミライア・サンと名乗る桜色の腰まであるロングの髪の毛が印象的な、真っ白いワンピースを着た女の子は、女子高生ぐらいだろうか、その背格好体型に前世に残してきた娘を思い出してしまって少し心が痛む。
ドラゴンの遺体はテムスさんが預かると言うのでとりあえずは預ける事にした。
もちろん信用などはしてはいないが郷に入っては郷に従えでしかなく、異世界では、異世界の住人に従うしかない。
「あのさっきのは?」
とりあえず状況を把握するために歩きながら質問をしてみた。
「ドラゴン、邪龍ドラゴラムですか?」
「えぇ、ああいった生物にはあまり出会したことがないもので」
「まぁ~、平和なお国の方なんですか?」
「平和ですね~平和過ぎて皆ボケてますけど、平和ボケ・・・ニホンって言う島国から来ましたが」
異世界でニホンってわかるのだろうか?
「平和なのにドラゴンを一撃で倒すなんて謙遜ですか?ニホン、すみません、大陸から出たことがないので島国の名前は知らなくて」
大陸か、地図とかは後々、仕入れられれば良いな。
ミライアは話を続けた。
「さっきのは、月に一度の生贄を捧げる日、今日は私が生贄でした、命拾いしちゃいました」
安堵と複雑な気持ちなのか口だけが笑って目は真面目な遠くを見つめたような表情だった。
「生贄?」
「はい、生贄を差し出す代わりに村を襲わない約束になっているのに今日はあのドラゴラムは約束を破って火を放って」
虫の居所が悪いのは多分、俺のせいです。すみません。黙っておこう。
「生贄って毎月出してたら人口とか大丈夫なんですか?」
「あ~、まぁ~、え~」
何か言いにくそうだからこれ以上探るのは止めて差し上げよう。
15分くらい歩くと、村?集落のなかで一際立派な石積の2階建ての建物へと案内された。
「こちらがギルドです」