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最強と呼ばれた女  作者: 木天蓼
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アリス13歳①

アリス13歳

ビルマ3歳


今日の天気は雨模様。

お外で遊べずビルマはつまらなそうだ。

こうゆう時はお家で大人しく過ごす。


私は椅子に座り、ビルマを膝の上に乗せて本を読んであげる。

今日読むのは、騎士の兜に色んな動物が入る話だ。

ネズミ、ウサギ、イヌ、ネコ、アヒル、様々な動物が入るが、最後にクマさんが入って、兜がバランスを崩し、コロコロ転がって行ってしまう話だ。


兜の中にクマなんて入る訳が無いけど、子供向けの本にそんな事は言えない。

ビルマが楽しんでくれているから問題ない!


一通り本を読んだら母さんが部屋に入って来た。

お母さんは厳しい。私に魔術を教えてくれたけど、ビシバシ注意された。

でも普段は優しい。

お母さんの料理は美味しくないけど私達の嫌いなものは入ってない。

逆にお父さんの料理は美味しいけど、私達の嫌いなものもたくさん入っている。

お母さんは私達の事を思って嫌いなものを抜いているらしい。

ピーマンとかにんじんとか。

そんなさり気ないところが大好きだ。


お母さんは私の横に座るとビルマを抱きかかえた。頭を撫でまくっている

ビルマはなされるがまま、気持ち良さそうにしている。


お母さんは偉大な魔術師らしい。

お母さんの部屋に肖像画がある。

昔、それこそ10代の頃に描かれたもので、魔術師としての偉大な功績を収めた時に描かれたらしい。

今は髪を短く纏めているが、昔は長くて三つ編みのツインテールだったらしい。

お父さんに聞いたら、昔は凄く嫌な奴だったらしい。でも今は最高の人だと言っていた。


あれ?いつの間にかビルマが寝ちゃっている。

お母さんに抱かれて安らかな寝息をたてている。


お母さんはビルマを寝室に運んで行った。

帰ってくるとその手には杖が二本あった。


「さ、アリス?魔術の修行よ!」


「・・・はーい」


ビルマの世話してればサボれると思ったのになー

そんな上手くはいかないか。


まあ、お母さんと一緒にいられるから魔術の修行も嫌いじゃないけどね。


私は軽く伸びをして、お母さんから杖を受け取った。


「今日は新しい上級魔術を教えてあげます。今まで教えたのは覚えてますね?」


「覚えてます、師匠」


魔術を教わる時はお互いに敬語だ。

それが家族といえどもケジメらしい。


「じゃあ今日は上級魔術なんかよりさらに難しい、精霊化というのを…コラッ!聞きなさい」


おっと、欠伸を噛み殺したのがバレたみたい。

杖でポコッと頭を叩かれる。

もー、ビルマとお昼寝しようと思ったのになー


私は眠気を堪え、お母さん、もとい、師匠の話を聞いていた。


(終わったら剣の素振りでもしようかな)


そんな事を考えたらまた杖で叩かれた。



時間ほど修行が続いたが、途中でポコッと杖で叩かれる音が響いた。


雨はザーザー降っていてカエルの鳴き声も聞こえた。

そのカエルはポコポコなる音に合わせてゲコゲコ鳴いていた。

カエルの鳴き声はずっと鳴り響いていた。

ポコポコ叩かれる音もずっと鳴り響いていた。

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