表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メシマズ異世界の食糧改革  作者: 空亡
第六章 魔王の死

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

234/358

第217話 「一世一代の大告白」


 次に誰がやって来るのか?

 期待に胸を膨らませ、落ち着きなく川辺を歩き回っていた稲豊は、


「この格好は、やはりなんだか――――こそばゆいのぅ」


 と、はにかみながら現れたルートミリアを見て、再びの限界を迎えた。

 鼻血は堪えたものの、地面に仰向けに倒れ、顔からは沸騰したヤカンのように蒸気を昇らせる。


 この世でこれほど美しい物が、他にあるのだろうか?

 例え目の前に拳大の宝石があろうが、見たこともない絶景があろうが、いまの稲豊にとっては些末さまつな出来事に過ぎない。


 後光が煌々と差すくらいに、水着姿のルートミリアは眩しく見えた。


「そ、そんなにおかしいかの? やはりいつもの服に着替えてくる!」


「まったぁぁ!! ぜんっぜん変じゃありませんから!! そのままの貴女でいてください!!」


「そ、そうか? ではとりあえず……一緒に涼むか?」


「はい! お供します!」


 もはや座り心地にも慣れてしまった岩の上に、ふたりは横並びに腰を下ろす。

 しかし岩の感触にはすぐ慣れたが稲豊だったが、ルートミリアの水着姿にはまだまだ慣れそうもない。


 稲豊は視線を逸しつつ、慣れるまでの時間稼ぎの話題を模索する。


「えっと……そうだ! アドバーンさんって、どんな経緯いきさつでクロウリー家にやってきたんですか?」


「アドバーンの?」


「その! アドバーンさんって、けっこう謎なところあるじゃないですか? だからちょっと気になったというか何というか」


 意識するあまり、遠い話題に着陸してしまう。

 色気の『い』の字もない話題だったが、ルートミリアは嫌な顔ひとつ見せなかった。

 

「そうじゃのぅ。アドバーンに関しては、実は妾もよく知らんのだ。妾が産まれる前から母に仕えていて、父と共にエデンと戦った。母が身籠ってからは、クロウリー家の執事としてやってきた。妾が知っておるのは、そのくらいかのぅ」


「え? アドバーンさんが仕えているのって、ルト様のお母さんの方なんですか? 俺はてっきり、魔王に仕えているものだとばかり……」


「母とアドバーンがどこで知り合い、どんな関係を築いたのか妾は知らん。だが、ただの主従関係でないことだけは確かじゃの」


 リリトとアドバーンの謎の関係。

 稲豊は想像を巡らしたが、最終的に想像の域を出ることはなかった。


「あとは……そうそう! 幼き頃に、奴の両親について訊ねたことがある。アドバーンは少し悩むような素振りを見せたあとで、こう言った。『天使のような母と、悪魔のような父との間に生まれました』とな。どうやら、父親との折り合いは良くなかったようじゃの」


「アドバーンさんの両親かぁ。なんかあんまり想像できないッスね」


「何度も穴に落とされて、父が嫌いになったのかもしれぬのぅ」


「あはは! 違いないですね!」


 森の中の小さな川辺で、ふたりはしばらく無邪気に笑い合った。

 そして一頻りの笑いをこぼしたあと、どちらともなく空を見上げる。


 少しの沈黙のあと、口火を切ったのはルートミリアの方からだった。


「シモン。間者をするのは…………辛いか?」


「いえ、俺が望んだことですので」


 はっきりと告げた稲豊だが、その表情は晴れやかとは程遠い。

 何か複雑なものを抱えていることは、誰の目から見ても明らか。


 澄み渡る空から視線を外したことが、何よりの証拠だった。


「まだ、妾に報告を終えてないことがあるのではないか?」


「………………」


「言いたくなければ、それでも構わん。だが、それを口にすることでシモンの積み荷が少しでも軽くなるのなら、話して欲しい。妾は例えほんのわずかでも、お前の力になりたいのだ」


 ルートミリアのまっすぐな想いが瞳に宿り、稲豊の心に訴えかけた。

 嘘や見栄などのない、彼女の本心が伝わってくる。


 だから稲豊も、誤魔化そうとは思わなかった。


「わざと報告しなかったわけじゃないんです。ただ、どう報告すればいいのか分からなくて……。心の整理がついてから、報告するつもりでした」


「そうか、急かすような真似をしてすまなかった。シモンが話したくなければ、妾は――――」


「いえ、良いんです。結局のところ、俺は自分で整理なんかつけられないのかもしれない。ルト様に訊いてもらえることで、納得できることがあるかもしれません」


 稲豊はすうっと大きく息を吸ってから、ぽつりぽつりと話し出す。





「俺は人と魔物の友好と、食糧改革を望みながら……心のどこかで復讐心を燻ぶらせていました。それはエデンの人たちと霞の沼へ行ったとき、首をもたげさせたんです。ハーピーを退治して、子供たちを連れて沼を出る途中、俺はトライデントのひとり…………レフトの仇の、ティオスと一緒になる時間がありました」


 それは偶然が生み出した時間。

 勇者が子供たちに武勇伝をねだられ、レトリアがエルブとシグオンにハーピー戦について語っていたとき、稲豊は隣りを歩くティオスの存在に気がついた。


 ハーピーとの戦いに参加できず不貞腐れていたティオスを見ていた稲豊は、自身の心の奥から湧き上がる、黒いものを感じていた。それはどんどんと色を濃くしながら、肺を黒で満たしていく。やがて肺に収まりきれなくなった黒は、気道を通り、言葉となって口から溢れた。


『…………魔獣を殺せなかったことは、そんなに残念なことなんですか?』


 会って間もない人間に、そんな質問をぶつけられると思わなかったティオスは、少し驚いた様子で稲豊の方を見た。


 しかし、そんなことで稲豊の黒は消えはしない。

 再び、悪意という名の言葉が口を飛び出す。


『敵を殺すことは、そんなに楽しいことなんですか? 魔物を殺すとき、あなたはおよそ……どんな気持ちで行っているんですか?』


 不審に思われるかもしれない。

 そんな思考は、黒によって完全に塗りつぶされる。


『ああ、お前はアレか? 人と魔物の共生運動だか何だかって連中のひとりか?』


 だが幸いにも、ティオスの勝手な勘違いで事なきを得る。

 ティオスはやれやれと首を横に振ったあとで、友達とでも話すような気さくな口調で言った。


『オレさぁ、ガキのときに親父とお袋を魔物に喰われたんだよ。それも目の前でボリボリってさ』


 絶句する稲豊をよそに、ティオスは続ける。


『オレが生まれたのは、アート・モーロの南西にあるちっぽけな村だった。でもちっぽけだからこそ、村人みんなで手を取り合って暮らしてたんだ。足りない物も、豊富な物も、村人全員で分け合った。親父もお袋も、そんな暮らしに満たされてたみたいでさ。でもある日――――オレたちのささやかだけど幸せな暮らしは、魔物の襲撃によってあっけなく終わりを告げた』


 ティオスは平然とした表情で語るが、それが辛くないことの証明にはならない。友人を失った稲豊は、身を引き裂かれるような苦痛を感じた。だが彼女は両親で、しかも子供のときの体験である。幼い心に、想像を絶する痛みを感じたに違いなかった。

 

『親父は仕事終わりの一杯を楽しみにする普通の農夫で、お袋は編み物が得意な普通の主婦だった。軍に入っていたわけじゃない。魔物どころか、虫を殺すことすら躊躇していた善良なふたりが、なんで惨たらしく殺されなきゃいけなかったんだ? オレが魔物を恨む理由としては、十分過ぎるとは思わねぇか?』





「俺は……ティオスに言い返すことができませんでした。だって、俺だってレフトが殺されたときには、エデンの全員を憎んだんですから。彼女のその話を聞いてから、悔しくてやるせなくて……。なんだか、ずっと心の中がもやもやしてて……」


 すべてを話し終えた稲豊は、なんとも言えない複雑な表情で奥歯を噛んだ。

 するとその頭に、小さな手がそっと添えられる。


 そしてそのまま、ルートミリアは優しく稲豊の頭を抱いた。

 温もりが、肌を通して伝わってくる。


「この世は理不尽で、辛くて悲しくて……そして冷たい。できればお前には、食糧改革の終わったこの世界を見て欲しかった。無力な妾にいまできることは……凍えるお前の心を、こうして温めることだけ。許せシモン」


「ルト様は何も悪くないです……何も悪くない。間違ってるのは、この世界の方です。俺たちで変えましょう。一緒に」


「うむ……うむ! 必ず変えよう。悲しい運命の鎖から、皆を解き放とう」


 ふたりは静かに瞳を閉じて、温かな時間にその身を委ねた。



:::::::::::::::::::::::



 長い包容を終え、ルートミリアが再び岩に腰を下ろしたとき、稲豊はハッと面を上げる。


「そうだ! 忘れるところだった!」


「ん? どうしたシモン?」


「ちょっと待っててください!」


 稲豊は急いで木の枝に干してあったズボンのところに駆け寄ると、おもむろにポケットをまさぐった。そしてポケットの中から小さな瓶を取り出すと、嬉々としてルートミリアのところへ駆け戻る。


「なんじゃ? その黄色い液体は?」


 当然の質問をするルートミリアへ、稲豊は得意気な顔を向ける。

 そして小瓶を差し出しながら言った。


「これは『蜂蜜酒ミード』といって、ヒャクと蜂蜜を混ぜて作ったとっておきです! なんせ、魔女の遺産をふたつも使ったんですからね。ルト様が気に入るかなと思って、今朝方に作ってきました」


「ほ、ほう? 妾のためにとな……? そこまで言われたら、一口ぐらいは試さねばシモンに悪いな。うむ」


 ルートミリアは母親が嫌いなので、仕方なくといった様子で小瓶を受け取る。しかし稲豊は、彼女がゴクリと喉を鳴らす音を聞き逃さなかった。


 素直じゃないルートミリアの態度に心の中で笑いながら、稲豊は彼女の反応を待つ。


「ふわぁ、なんと甘く香ばしい……。よ、よし! 飲むぞ!」


 なぜか気合を入れたルートミリアは、恐る恐ると小瓶に口をつける。

 そしてそれをゆっくりと傾け、蜂蜜酒を一口分だけ口に含んだ。


 その直後――――


「くうッ!」


「ル、ルト様!?」


 ルートミリアがうずくまり、苦しそうに呻く。

 思いも寄らない反応に稲豊は狼狽し、具合を見るために慌てて駆け寄った。


 するとルートミリアは、小刻みに震えながら口を開く。


「う、旨すぎる…………!」


「…………へ?」


 呆け顔をする稲豊の前で、ルートミリアはガバっと立ち上がった。


「甘い香りだが、甘すぎることのないまろやかな口当たり。酸味と甘味が絶妙に合わさりあって、これはまさに……絶品。そう……絶品と断ずるのに、些かの迷いもない。シモン、でかしたぞ!」


 再び岩に腰を下ろし、えびす顔で小瓶に口をつけるルートミリア。

 稲豊はその微笑ましい様子に胸を撫で下ろすと同時に、彼女の眩しい笑顔に心を奪われていた。


『ああ、やっぱり俺は……ルト様の笑顔が大好きだ。もっともっと、この笑顔を見ていたい』


 心の中でそんなことを考えつつ、稲豊はルートミリアの横顔を見つめる。


 そのときだった――――


「やっぱり俺、ルト様が好きです」


「ぬあッ!?」


 ルートミリアが、驚いて小瓶を落としそうになる。

 だがそれ以上に、口に出した稲豊自身が驚いていた。


 そんなことを口に出すつもりはなかったのに、完全に無意識のことだったのだ。


「きゅ、急にどうしたのじゃ?」


 顔を林檎のように赤くしながら、ルートミリアが訊ねてくる。

 それは稲豊も同様で、できることならこの場を逃げ出したい衝動に駆られていた。


 しかし、心にもないことを口にしたわけではない。

 むしろ本心だったからこそ、無意識の内に口をついたのだ。

 言ってしまったものは仕方ない。稲豊はもう、自分の心に従うことにした。


「俺は……ルト様が好きです! 大好きです! だから、だからその……主従関係も嫌いなわけではないんですけど、俺としてはその……こ、恋人同士の関係になりたいと思っているわけで! だからその……もしルト様も同じ気持ちだったなら、俺とつ……付き合ってください!!」


 言ってしまった。


 稲豊の脳内は、後悔や気恥ずかしさや不安でぐちゃぐちゃだ。

 でもその言葉は嘘偽りのない本心。これでダメなら、ある意味では納得できる――――という達観が、心のどこかにはあった。


 チラとルートミリアの様子を窺えば、彼女は真っ赤になったまま凍りついていた。


「………………………………そそ、そうか……!」


 少なくない時間を費やしたあとで、ルートミリアは声を裏返しながら言う。

 そして嬉しいような困ったような顔をし、ちびと蜂蜜酒を一口飲む。


 そこからまた、しばらくの時が流れた。

 やがて蜂蜜酒をすべて飲み干したルートミリアは、


「妾も……同じ気持ちである」


 ものすごく恥ずかしそうに、そう口にした。


 耳を疑うのと同時に、歓喜の感情が稲豊の胸に押し寄せてくる。

 可能ならば、大声で叫び、踊りだしたいほどだった。


「そ、それじゃあ!?」


「しかし、待つのじゃシモン」


 小躍りしそうになるところを、ルートミリアに制される。

 彼女の表情は先ほどまでと違い、どこか憂いを帯びていた。

 

「妾も同じ気持ち……だが、それは妾だけではないのだシモン」


「え? それって……どういう?」


 ルートミリアの言葉の意味が分からず、途端に不安になる稲豊。

 そんな稲豊を諭すように、ルートミリアは続ける。


「お前はもう、ひとりだけの体ではないし、妾もただのルートミリアではない。妾は魔王軍の総大将で、お前は多くの者に慕われておる。マリーもクリスたちも、あの色恋沙汰には無縁だったミアキスでさえ、お前に淡い恋心を抱いておるようじゃ。この状態でもし妾たちが婚約でも発表しようものなら、どうなると思う?」


「そ、そりゃあその皆が祝福…………ってわけには、いきませんよねやっぱり」


 素直に祝福する者もいないわけではないだろう。

 むしろその方が大半かもしれない。

 しかし中には、反発しへそを曲げる者も現れるかもしれない。


 稲豊はこのときになってようやく、ルートミリアの言いたいことが分かった。


「皆が心をひとつにせねば、エデンとの戦いは不可能なのだ。だからシモン、妾だけでなく……皆を愛せ。我が父がそうしたように、他の者にもお前の愛を分けてやるのだ」


「そう……ですね」


 お互いの立場という壁が、立ちはだかる。

 せっかく仲の良くなった王女姉妹を、こんなことで再び仲違いさせるわけにはいかない。そんなことは、稲豊でなくとも分かることだった。


 OKをもらえたような、振られたような。

 複雑な感情が稲豊の中で渦を巻く。岩に腰を下ろした稲豊は、呆然と川を眺めた。


「だがなシモン? お前を慕う者がどれだけいようと――――」


「……へ?」


 落ち込む稲豊の顎を、ルートミリアがくいっと持ち上げる。

 そして――――


「んむ!?」


 ゆっくりと、かつ濃厚に、稲豊へ口づける。

 それは全身を溶かすほどの熱となって、稲豊のすべてを駆け巡った。

 

 やがて永遠にも一瞬にも感じられる時が過ぎたあとで、ルートミリアはゆっくりと唇を離す。そして稲豊が大好きな不敵な表情を浮かべてから――――


「一番は妾だ。それだけは……忘れるな?」


 吐息が掛かるほどの距離で、ルートミリアはそう口にした。


「は、はひ!」


 先ほどまでの複雑な感情は一瞬にして霧散し、天にも昇るような気持ちが稲豊を覆う。


 いったい何を悩んでいたのか?

 ルト様と付き合えないわけじゃない。

 この戦が終わってさえしまえば、堂々と婚約だってできるはずだ。


 すべてから解放されたような、逆にすべてが満たされたような心地よさ。稲豊はより一層、食糧改革への決意を固めるのだった。


「さて、少しお前を独占しすぎたかな? そろそろ、次の者に変わってやらねばの」


 稲豊の様子を満足気に眺めたあとで、ルートミリアは皆が待つであろう後方の森へ振り返る。するとそのとき――――


「ちょ、次はボクの番だってば!?」

「イナホ! 敵襲だ!!」

「逃げてください~!!」


 緊迫した大勢の言葉が響き、稲豊らは何事かと警戒する。

 そして臨戦態勢をとったふたりの前に、()()は現れた。


「みんなで楽しそうなことをやってるじゃないかい! アタシも混ぜてもらおうさね! 久しぶりに、この美貌で皆を悩殺さね!」


 現れたのは、用事を終えてやってきたバーバラだった。

 彼女が来るのは別に良いのだが、問題なのは彼女がどこから入手したのか、極小サイズのビキニを着ていたことだ。


 血のように赤い極小ビキニを着込む、()()()()のバーバラ。

 それはもはや凶器を通り越して、兵器の域にまで到達している。


「ぐああ!! 目が……目が潰れる!!!!」


「お? 坊主はここにいたのかい。さあ美人にお杓子しな!」


「イナホ殿!! いまお助けに…………ぐおぇぇ……!」


 アドバーンやライトも止めに入ろうとするが、バーバラを見るだけでノックダウンしてしまう。現場はまさに大混乱。


 酒池肉林で始まった森の中での祝宴は、阿鼻叫喚の地獄絵図で幕を下ろすのだった……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ