2人の闘い
轟音が止み、土けむりが晴れた時蓮鬼はただ一点を見ていた。そこには、上半身を失い地面に倒れたメラの下半身があった。蓮鬼はあまりの事態に頭が回らなかった。
「なっ何してるんですか!」
「何って…弟が変な事を考えていたから罰を与えただけだ。」
あまりのアレクの冷静さ戸惑う蓮鬼。
「でも…殺す事はなかった…」
「確かに殺す事はなかったな…だがああでもしないとあんたが危なかったからな」
「え、どう言う事ですか?」
「まぁ、後で分かる。後は任せたぞ!」
アレクは蓮鬼の肩に手を乗せそう言った。
「一体何を…」
その時、いきなりセラフィスが蓮鬼に話しかけた。
(蓮鬼様!後ろです‼︎)
「後ろ?」
蓮鬼が後ろに向くとそこにはメラの下半身が立っていた。メラの上半身があった場所には禍々しい負のエネルギーが集まっていた。
「なっ何だあれ…」
(恐らく…アレがメラの能力でしょう。)
(能力?セラフィスの天地万物や魔聖反転みたいな感じか?)
(はい。それに近い感じだと思って頂ければいいです。多分能力名は魔力凝縮か命魂回復のどっちかでしょう。今も回復しているところから見ると恐らく命魂回復でしょう。)
「命魂回復…」
あまりの出来事に蓮鬼はおもわず声を漏らした。それを聞いていたアレクはニヤリと口元を動かすと蓮鬼に話しかけた。
「ほう、命魂回復を知っていたか流石だ。だが、能力名を知っていても真の能力は知らないだろ?」
「あらゆるすべての攻撃を受けても復活する…これ以外にもあるのか?」
「ああ、あるぞ。だが俺の口からは言うえねぇ。俺たちの掟なんだ。知りたかったら…闘え。そしたら分かる。」
「なるほど、メラを殺したのは罰なんかではなく俺と闘わせるためだったのか。」
「すまない。正直こんな事はしたくなかった、だがやはり俺たちは強いやつの下につきたい。だから、ここは頼まれてくれ!頼む!」
「はあ…しょうがない。わかりましたよ。闘いましょう。その代わり今度こっちのお願い聞いて下さいね。」
「わかった!俺に出来る事なら何でもしよう。」
「私も、出来る事なら何でもしましょう。」
「アレクさんキラさんありがとうございます。それでは、少し下がっていて下さい。」
蓮鬼はそう言うとすでに回復し終わったメラの方に向く。メラは今までとは違い蓮鬼に向け殺気を向けていた。そして、復活して初めてメラが口を開いた。
「ありがとう。兄じゃ」
「ふん!これが終わったら貴様には罰を与える!わかっているな?」
「ああ」
「なら悔いが残らんように全力でやれ」
「はい!」
そう言うとメラはどこからか漆黒色の巨大な大剣を片手に持ち、それを一振りすると肩に乗せた。
「この大剣は地獄にあるスティクス川の水で鍛えて作った大剣!名をタナトス‼︎触れるたびに死が近づくと思え‼︎」
「タナトス…死神からとったのか、なるほど。じゃーこっちも!」
そう言うと蓮鬼の服が一瞬にして変わった。上半身は白を基調とした織物にに金の刺繍が刻まれた着物。下は黒一色の袴。さらに腰には二本の刀が収まっていた。蓮鬼は左側にある鬼丸国綱に手をかける。そして、ゆっくりと刀を鞘から抜く。横に一閃。
「鬼丸国綱。それがこいつの名前だ。」
そう言うと刀を鞘にしまった。
疑問に思ったメラが質問する。
「何故剣を直す」
「それが俺の流派だ。後、剣じゃなく刀だ。」
「ああ、わかった。それじゃー始めようか?」
「そうしよう。」
メラは大剣を地面と平行にし、後ろに構える。蓮鬼はそのまま、棒立ちである。
「く!それが相手に対する敬意か‼︎」
蓮鬼はただ一言も喋らずにただメラの言葉を聞いていた。アレクとキラは数メートル離れた所でそれを見る。
(くそ!ウザい。)
ついに切れたメラは戦闘体制に入る。そして構えた瞬間、信じられないほどの勢いで一気に蓮鬼との距離を縮めると蓮鬼にめがけその勢いのまま斜めに一回転すると大剣を蓮鬼めがけ振り落とした。一直線に進む大剣に未だ動かない蓮鬼。
とその時信じられないことがメラの目の前で起きた。綺麗に蓮鬼めがけて進んでいた大剣をあの薄く鋭い刀で止めたのだ。だが、メラが1番驚いたのは大剣を刀で止めたことでわなく、止めた時の刀の動きが見えなかった事だった。あまりの驚きに目を見開くメラとアレク、キラの一同。そんななか、蓮鬼は少しだけ口元のこうを動かすと一言、
「舐めすぎだ」
そう言うと蓮鬼は目にも止まらぬ速さでメラの大剣、タナトスを切り刻んだ。
「なっ!俺のタナトスが!」
「ふっ!本気でこい。じゃないとその体を…切り刻むぞ?」
その瞬間メラの背中に寒気が走った。それと同時にメラは思った。ヤバい相手だと。
蓮鬼とメラの間に風が吹く。2人の闘いはまだ始まったばかりである。
はい!今回もありがとうございます( ̄▽ ̄)
ついに闘いが始まりました!正直締め方がわからなくてこれが合ってるのかも自信ありません‼︎次も頑張るので是非読んで下さい‼︎