アクアプラネット・前
次は夜の話ををします。
(変な意味ではありません)
「お前達がここにきた理由はフェンリルからすでに聞いている」
ポルセドンはフォークを蓮鬼に突きつける。
「東の国か…また厄介な所に行きたがるものだ…」
「で、どうなんだい?あそこは通っていいのかい?」
ミランダがポルセドンに向かって問いかける。
「ミランダよ…本当にお前は昔からその態度は変わらんな…」
「そんな事はどうでもいいんだよ。
で!どうなんだい?」
「ふむ…通るのは別に良い」
(あれ?以外にすんなりいったな)
「ただし、1つだけ注意と願いを聞いてほしい。それを受け入れるのならば通るのを認めよう」
(やっぱり、そう言う事か…)
「いいだろう。何をすればいい?」
「ふむ…まずは注意からしてやろう…アクアブルードラゴンを知っているか?君は?」
「アクアブルードラゴン?ちょっと待ってくれ…」
(セラフィス!わかるか?)
(はい。検索の結果、アクアブルードラゴンとは古代より生息している巨大水龍で、頭を8本持ち、雑食、全て目に入ったものは攻撃する気性の荒い性格らしいです)
(おけ!ありがとう!)
「ああ、アクアブルードラゴンか、知ってるよ」
「ならよい…そのドラゴンが最近フロスト・カースにある島を根城に次々とあそこにいる生物達を食べ荒らしている。
ただでさえ危険なフロスト・カースに龍までいる始末…おすすめはしないが通りたいと言うのなら通るがよい」
「そうだな…もし、その龍と戦いになったりした場合はどうすればいい?」
「それを我が頼みたい事なのだ。
もし、見つけた場合、または見つかった場合は奴を倒してほしい。
やつがいる事であそこの海の生態系は一気に変わりつつある。
それは、わしに取っても面倒な事が多いのだ。
だから、あそこを通るのであればついでに倒してほしいのだ」
「なるほど……ジーク、そのアクアブルードラゴンはジークくらい強いのか?」
コーヒーを飲んでいたジークは話を振られるとコップを置き、蓮鬼の方を向いて話した。
「それはありえん。昔一度、ばったり会って闘った事があるが……1撃で決めてしまった…
海ごと廃になってしまったがな…」
「…その話は置いといて!ジークより強くないなら多分死ぬ事はないから大丈夫だね!」
ポルセドンから凄まじい何かを感じた蓮鬼はすぐに話の方向を変える。
「それじゃーこっちはあんたの条件を飲むよ」
「交渉整列だな…」
そう言うと蓮鬼の目の前に紙とペンが出てきた。
「それにサインをしてくれ……昔にある男に裏切られ、死にかけた事があるからな…」
「わかった」
そう言うと蓮鬼はスラスラと自分の名前を書いた。
(良かったー‼︎オリスに字、教えてもらってて)
すると紙はどこかに消えた。
それと同時にポルセドンは立ち上がった。
「それじゃー話は終わりだ。
ビクトリア、いつここを出るつもりだ?」
「明日の朝には」
「なら、今日お母さんと話をしなさい…
いつもの所で待っているよ」
そう言うとポルセドンは部屋から出ていった。
するとビクトリアも立ち上がり、
「それじゃー、みんな!聞いてくれ!
さっきも言ったように出発は明日の朝にする。それまではまだまだ時間があるから自由に過ごしていい。
次に陸地に降りれるのはまだ分からないからしっかり、羽を伸ばしておくように!
以上!解散!」
「「「「はい!」」」」
すると船員達は立ち上がると続々と各自話をしながら出ていった。
残ったのは俺とジークとフェンリルとミランダだけだった。
「なぁ、どうする?まだ2時だぞ?」
「うむ…どうしたものか…」
《我らはさっきこの国の住人を1人吹き飛ばしたばかり。邪魔者はまず決定だな…》
「そんななかで羽を伸ばせるわけがないもんなー…。姫ちゃんには悪いけど今日も船の中で過ごすしかないかな…」
そう言うと蓮鬼とジークとフェンリルは立ち上がるとドアがある方まで歩いていった。
と、その時
「まて」
「ん?」
ミランダが3人を引き止めた。
「どうした?ミランダ」
「…それはお前達だけの場合だろ?」
「まぁ、確かにそうだけど…それがどうかしたか?」
「…その〜もし良かったら…私がついていってもいいぞ?」
「え?マジで⁉︎それなら俺達、今日は船の中で過ごさなくていいのか?」
「そう言う事だ…ただし、じょ、1つだけ問題がある」
「なんだ?」
「私がついていても助けれる幅は狭い。そこで…もし良かったら…そのな、私の彼氏役をしてほしいのだ…」
「え?…ミランダの彼氏役?分かった。なら俺がそれは受けよう。なら、俺とミランダが最初に歩いて、後ろがフェンリルと姫ちゃんとジーク、一番後ろが変化したアレク達。
これなら、町であんなに強さを示した2人に守られている姫ちゃんに襲う事は出来ないし、後ろはアレク達がいるから大丈夫だろう」
「そうだな…それなら問題ないな」
「よし!そうと決まればミランダ、来いよ」
「え?今?なぜだ?」
「だって俺達わざわざ暇な時まで魔法使うほど馬鹿じゃないし、歩いて帰るにはお前がいなきゃ意味ないじゃん」
「確かに…てっきり夜に出るのかと…」
「夜に?なんで?」
「この町は昼より夜の方が賑やかになって楽しいからだ。屋台なんかも夜には出るから、毎日お祭り気分、しかも私達が来てるからもっと凄いはずだ」
「そっか…なら夜まで一緒に時間潰そうぜ?俺この町の事もミランダの事ももっと知りたいからな」
(え!私の事も!どうしよう!どうしよう!
わざとさっきは彼氏役とか言うったのに向こう本気出し…
取りやめにしては勿体無いし…)
などと少し照れてるような悪いような気持ちを抱きながら1人ブツブツ言うっていると、
いきなりミランダは手を掴まれた。
「え!何⁉︎」
「ほら!行くぞ!」
「…うん」
そう言うと蓮鬼達とミランダは海の城を後にした。
その後、4人はたまに絡まれながらも夕方まで楽しく過ごしたのだった。
今回もありがとうございました。
次回は明日の夕方に出しますのでどうぞよろしくお願いします。
目指せ!ビックマーク数100‼︎
これを達成するには皆様のお力が必要です。
どうかお願いします!