悪ー弐拾七ー
ユニアドは夜になると必然的に人口が少なくなる。
その訳はユニアドにいる大半が仕事などで別の地方から来ている者が多いからである。
しかしそれでも街から人の姿が無くなるというわけではない。当たり前だが。
人がいなくなれば、その機を伺っていたかのように街に不良などのゴロツキ共があちらこちらに湧いて出てくる。
暗闇に照らされる建物の光の幻惑に吸い寄せられたかのように、その習性は完全に夜行性の生き物と変わらない。
一人、また一人と現れ、気付けば街は多くの不良達に占められた。
そして街は大なり小なりの“悪”が点在するようになる。
小さい方は主に街の中心部に存在しており、その大半が不良だ。
だが、塵も積もれば山となるという言葉があるように、小さいといってもその数はあまりにも多い。
一つ一つが大したことがなくても全てを統合さえすればそれなりのものになるだろう。
そして大きい“悪”だが、これは大体外周部にあるのが多い。
数は少ないこそすれ、その一つが街の住人を脅かすものになりかねない。
なにせ、廃墟が並ぶ人目の少ない所に存在する者達は大抵。
闇関係の仕事に関わるものが多いからだ──。




