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目指せ最北端

虚構の世界(ゲーム)で北に、

男が北へ音速を超える速度で飛んでいた。

大した理由はない。

プレイヤー同士で協力し、

モンスターを倒し、

北の町へ進んでいくMMORPGにおいて、

誰よりも早く最北端を目指すための合理的な行動なのだ。

たとえそれが…





「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?やばい!思ったよりも高い!!!」






虐殺によって出現するお仕置き用のモンスターに全力でバフをかけ、

フルスイングで吹っ飛ばしてもらうことによるものだったとしても。












事の発端は男の所属するパーティのメンバーが

しばらくゲームをプレイできなくなりそうということだった。


「申し訳ない!!来週からしばらく仕事が立て込みそうであまりできそうにない…」

「まじかよリーダー…これから第四の町に向かおうって時にかぁ」

「まぁ仕事ならしゃーない」

「仕事落ち着いたらまたやろうぜ」


大学からの友人たちで組んだパーティ。

一か月前に発売され、今なお売れ行きを伸ばしている

この世界(ゲーム)で組んでいる素晴らしい仲間だ。


「すまねえ…誰より早く最北端まで行こうぜって約束したのによ…

  もうすぐ初の公式イベントも起こるらしいのに…」

「まぁ言ってたけど仕方ねぇよ仕事だもん」

「しばらくは前衛1後衛2でやってくよ」

「来週からだろ?それまでは一緒に進めようぜ」


それから五日間、モンスターを倒し、倒し、倒しまくり、

装備を強化し、スキルを鍛え、時にモンスター虐殺の判定に引っ掛かり

出現したとても強いモンスター、通称お仕置きMobに薙ぎ払われつつも

次の町への道をふさぐボスを討伐し、彼らは第四の町へとたどり着いた。


「到!!着!!」

「ボスはそこまで強くなかったな。

 あのムキムキこん棒赤ゴリラに比べれば。」

「お仕置きMobは勝てないからお仕置きMobなんだねぇ」

「真上に飛ばされたとき死ぬ前に宇宙見えた。地球は丸かった。」

「ここは地球じゃねぇだろ…まあすごい高さだったが。

 …とじゃあ今日はここで解散ってことで」


「「「Yes,リーダー」」」


ほかの三人がログアウトする(落ちる)なか一人、

明日北へぶっ飛ぶことになる男は、

町であるスキルを見つけた。

男に電流迸る!!

これを使えばリーダーとの約束を

明日にでも果たせるかもしれない!!と。

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