表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/44

断片|彼女の孤独

【村長の家らしき焼け跡から発見された日記より】


 また増えた。

 お腹の左側に、新しい目。

 今度は小さな口も一緒に開いて、何かを囁いている。

 聞き取れない言葉。

 でも、わかる。

 餌を求めている。

 17歳の女子高生が、こんなことになるなんて。

 友達は恋愛の話で盛り上がってるのに、私は自分の体に宿った化け物と会話してる。

 おかしくて、笑いたくなる。

 でも笑うと、お腹の口も一緒に笑うから怖い。

 また移住者が来るって、村の人たちが言ってた。

 若い夫婦と小さな子ども。

 みんな嬉しそうな顔してる。

 私だけが知ってる。

 その意味を。

 巫女の役目って、こんなに孤独なものだったんだ。

 お母さんは教えてくれなかった。

「あなたが大きくなったら、きっと理解できるわ」

 そればっかり。

 理解なんかしたくなかった。

 普通の高校生でいたかった。

 進学のこと考えて、友達と遊んで、恋愛して。

 でも、もう無理。

 鏡を見るたび、自分じゃない何かが映る。

 体の半分は、もう人間じゃない。

 そして、あの子が来る。

 外の世界から。

 私と同じ血を持つ子。

 お母さんが言ってた。「あの子が来たら、何かが変わるかもしれない」って。

 私は救われるのか。

 それとも、あの子も私と同じ運命を背負うことになるのか。

 わからない。

 でも、もう時間がない。


【日記の隅の走り書き】

 普通の女子高生になりたかった

 誰でもいいから助けて

 でも誰も助けられない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ