断片|最後のメモ
【村の中央、石の下から発見された焼け焦げたメモ帳より】
やっとでれた
あそこはきけん たましい 先生のおかげ
でも 火の音が 近い。 先生が 燃えてる。
でも 歩いてくる。
息が 焼けてるのに。
鉈 持ってる。
血が 手から 落ちてる。
「梓さん!」って 聞こえた。 清音 いる。
肉の波が うねってた。
赤く光って 触手みたいだった。
先生 中に 入ってきた。 熱い。 皮が焦げるにおい。
それでも 止まらなかった。
「離れろ」 「二人を」
聞こえた。
刃の音。
肉が裂ける音。
黒い液。 血じゃない。
鉄の匂い。
清音が 倒れた。 まだ 息してる。
でも にくゑが 離さない。
先生の白衣 焦げてる。 体も 赤い。
それでも 鉈 振ってる。
何度も 何度も。
「医者なのに」 「人を殺しても」
先生――なにかいってる――
泣きながら 叫んでた。
刃が 入った。 音が 変わった。
光が 走った。
地面が 揺れた。
清音が 笑った。 涙 出てた。
先生が 倒れておきない
せんせい ありがとう
手が 震えてる。 火が 近い。
清音の手 まだ温かい。
にくゑの声 もう 聞こえない。 村が 燃えてる。
人が 笑ってる。
空も 赤い。
――先生
――清音
(この後は焦げていて判別できない)




