断片|二通のカルテ
【東京の吉川の自宅において発見。複写版】
■虚木真弓 カルテ記録(廃棄版)
【〇〇病院 内科病棟】
患者名:虚木 真弓(16歳・女性)
病名:急性白血病
担当医:吉川直樹
■ 8月12日 23:45
血圧:92/58(低下傾向)
脈拍:110(頻脈)
体温:38.2℃
SpO2:94%(酸素投与下)
患者より「息苦しい」「お腹が痛い」との訴え。
腹部触診にて圧痛あり。
血液検査データ:
白血球 800/μL(著明な低下)
CRP 8.2(上昇)
血小板 2.1万/μL(危険域)
所見:
敗血症の可能性を強く疑う。
腹部CTおよび血液培養検査を至急実施すべき。
→上席医・佐々木医師へ報告
→「想定の範囲。経過観察で対応」との指示
→再検討を要請するも却下
■ 8月13日 04:22
急変。呼吸停止。心停止。
蘇生処置開始。
■ 8月13日 04:58
蘇生処置を中止。
死亡確認。
死因:敗血症性ショック(疑い)
担当医所見:
追加検査が実施されていれば、
早期介入が可能だった可能性が高い。
記録者:吉川直樹
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【カルテ2:(正式記録)】
■虚木真弓 カルテ記録(正式版)
【〇〇病院 内科病棟】
患者名:虚木 真弓(16歳・女性)
病名:急性白血病
担当医:佐々木一郎(監修:吉川直樹)
■ 8月12日 23:30
血圧:98/62
脈拍:102
体温:38.0℃
SpO2:96%(酸素投与下)
患者より軽度の不快感の訴えあり。
腹部触診にて異常所見なし。
血液検査データ:基準値範囲内にて経過観察とする。
所見:
病状は安定。
現行治療を継続。
■ 8月13日 05:00
容態急変。心肺停止状態にて発見。
直ちに蘇生処置を実施するも、反応なし。
■ 8月13日 05:30
蘇生処置を中止。
死亡確認。
死因:急性白血病に伴う多臓器不全
担当医所見:
病状の進行は予測困難であった。
医療チームは適切な判断のもと、
最善の治療を行った。
記録者:佐々木一郎
確認者:吉川直樹




