女性
次の瞬間、映像が切り替わり、再び純白の部屋に戻っていた。
「ここは十階だ」
部屋は四階とは少し違っていた。あちらにはシングルベッドが一つだけだったが、ここには様々な寝具が揃っており、大きなダブルベッドが一つ置かれている。
そのベッドの上には、一人の女性が横たわっていた。
その女性を見つめていると、いつの間にか“あの方”の姿は消えていた。
女性の体は枷で拘束され、手足と首が大の字になるように固定されている。
彼女は一切の衣服を身につけておらず、完全に裸の状態でそこにいた。
「そこのあなた」
女性の声はかすれており、その口調からも、彼女の身体がどれほど弱っているかが伝わってくる。
「あなた、私と“楽しいこと”しない?」
「え……?」
楽しいことってなんだ?
ここには、四階にはなかった何か特別なものでもあるのか?
「こっちに来て」
女性が顎で示す。
私は戸惑いながらもベッドのそばまで歩み寄る。
ジャラ……と鉄鎖が揺れるたび、女性の呼吸が徐々に荒くなるのが分かる。
「触って」
再び奇妙な要求。
私はおそるおそる、彼女のお腹に手を置いた。
「んあぁ~」
その声に驚き、私は思わず手を引っ込める。
鉄鎖のぶつかる音がさらに激しくなる。
「続けて!もっと……もっと欲しいの……!」
仕方なく再び腹部に触れるが、彼女の興奮は収まらない。
焦った私は、お腹から胸へと手を移動させた。
それでようやく、女性の呼吸が少し落ち着く。
私はその様子を見て手の力を強め、撫でるというより揉むように動かし始めた。
「んあぁ~」
女性の声を無視し、私は動物としての本能だけを頼りに、彼女を気持ちよくさせようと手を動かす。
しかし、私の手が女性の陰部に触れた瞬間——
すべての音が、一気に止まった。
空間は静まり返り、私は女性の呼吸音まではっきりと聞こえるほどだった。
「挿れて」
「……挿……?」
迷いながらも、女性の言葉に従う。
私は指を彼女の中へ差し入れた。
「んあぁ~もっと!もっとちょうだい!」
再び興奮が爆発した。
右手の鎖が引き千切れ、彼女の手が私の腕を強く掴む。
そこで私は、ひとつの考えに至った。
私は——
銃を、彼女の中に挿し込んだ。
「んあぁ~最高……!とっても気持ちいい……!」
引き金を引く。
銃声が響き、静寂が戻った。
銃を引き抜くと、黒い液体が大量に流れ出す。
そのとき、背後から足音が近づいてきた。
「お前がやったのか」
いつの間にか“あの方”が現れていた。
「うん、俺がやった」
「五階」
瞬きをする間もなく、景色は再び切り替わり、私は純白の部屋に戻った。
短編小説を読んでいただきありがとうございます。
この作品は短編小説です。
路面電車で通学中の空き時間に書きました。
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