人間チェスゲーム?
チェスをしたことある方へ。
作者はチェスをしたことがございませんので、ルールを無視してる場合がございますが、気にしないでそのまま読める方は読んでください。
どうしても気にしてしまう方は、意地と根性で我慢してください。
チェスをしたことない・ルールを知らない方へ。
本来のチェスはもっと難しいですし、こんなルールじゃないです。
なので、これでチェスを分かった気にならないで下さい。いないでしょうけど……。
チェスの本当のルールを知りたいのなら、本屋に行って初級編のチェスのルール本を読んだ方が絶対にいいです。
両方の方へ。
この作品を読もうという気になっていただき誠にありがとうございます。
それでは、楽しんでいってください。
チェスって知ってるか?
1対1のゲームで相手の『キング』を先に『チェックメイト』
つまり追いつめた方が勝ちになるゲームだ。
そのチェスが実際の……人間の世界に例えてみたら?
はてさて、どうなるかなぁ?
答えは、こうなる。だ
今から、俺は黒の『キング』だ。俺が殺されたら黒の国が負ける。
逆に言えば、白の『キング』を殺せば、幾らポーンが残っていようが俺たちの勝ちだ。
いかにはやくどちらかの王様の首を討ち取るか。それだけで勝敗がきまる。
面倒なチェスのルールはこの際無視して、これだけが今回のルールと行こうじゃないか。
キングは基本動かない。周りが動いて死んでくれるからな。
だが、時々その身を守るために移動する。逃げること可能って訳さ。
味方の死を代償にな。
だが、逃げようが敵はどこまででも追いかけてくる。
大将を討ち取るまで、どこまでも。
「キング! 逃げてください!」「だが、ナイト!」
「大丈夫です! 相手は大量のポーン。問題はありません!」
「だが、この数……」
「敵は大勢いますが、所詮はポーン。関係ありません! クイーン、ビショップ! キングを連れて逃げなさい!」
「おい! 何をしている! 馬車を走らせるな! 待てーーーーーー!」
胸が痛くって悲鳴を上げる。ナイトが死んだら、お前のせいだぞって。言われてる気分になった。
ナイトを見捨てて数時間後俺らは小川の近くで休憩していた。
すると――――――――……。
「ごきげんよう。お宅のナイトは死んでしまったのかしら?」
そう言いながら笑う白い服のクイーンとビショップ、ナイトが1人ずつ岩の上にいた。
「死んじゃいませんよ! 我が国のナイトはそんなに弱くない!」
「そうだ! 頭が空であれでしか才能を発揮できないんだぞ!? なのに、あいつが喧嘩で死ぬか!」
「おい、クイーン。一応腐っても味方だぜ? 貶してやるなよ……」
「随分仲がよろしいのですね。3人まとめてナイトの後を追って頂きましょうか」
そう言って、岩から3人が降りてきた。すると、ビショップにはナイト、クイーンにビショップ、俺にはクイーンがそれぞれ敵に向かって襲いかかってきた。
「初にお目見えいたします。私は白の国のクイーンですわ」
クイーンは武器を出さずに、ただニコニコとしたままで俺の前で立っているだけだった。
「……」
「どうかなさいましたか?」
「俺を殺さないのか?」
「あの雑魚共を片してから、貴方様をチェックメイトして差し上げようと思っているだけです」
「貴様、中々いい趣味してるなぁ」
「お褒めに頂き光栄です。黒のキング様」
そう言いながらニコニコする白のクイーンは一向に攻撃する気配すら見せない。
「どうです? これから、少し遠くへ行きませんか?」
「お断りだね。敵と仲良くお散歩なんかしねぇよ」
「そうですか」
一方、ビショップとクイーンは敵と、ほぼ互角に戦いを続けていた。
けれど、若干押されぎみだった。
「そう言えば、白の姫君」
「なんですの? 突然……。呼び方を変えて、隙を突くつもりでしたの?」
「いえいえ。こちらにも、頭のお固いクイーンがおりますので。呼び方を変えた方がよろしいかと」
「そうでしたの……。それで、何かありました?」
「貴女方の王様は、どちらにいらっしゃるのですか? 戦いに出られないほど、弱いお方なのですか?」
すこし、挑発的に質問すると
「いえいえ。国王は―――――――……」
「ここにおるぞ。最初からこの岩の上にいたぞ」
その声に、驚きながら振り返ると、岩からジャンプして降りてくる白のキングの姿があった。
「……これはこれは。白の国王様ではありませんか。初めまして、僕は――――――――」
言い終える前に、白のキングから、刃の線が一直線にこちらに走ってきた。
俺は、避けるのが手いっぱいで王冠を吹き飛ばされた。
「動かないで頂けると有り難い。死ぬにも、深手を負うより浅い傷で死ぬ方がマシであろう」
「……生憎、僕は死ぬつもりはございません。死ぬのは
貴方ですよ。白の国王」
「ふっ……。この白のキングが貴様ら弱小黒の国に負けるとでも申すのであるか?」
「そう、聞こえませんでしたか?」
「勝気でおるのも大概にしろ!!!」
俺らは、一斉に刃を交えた。白のクイーンはその様子をただマジマジと見ていた。
片手に刃を持った状態で――――――。
「貴様らはもうじき負ける。その証拠に見よ!」
と、言いながらある一点を指差した。そちらに目を向けると……
「クイーン……、ビショップ!!」
赤い色に染まった服で平然と立っている者たちの前でゴミのように倒されている2人の姿が――――!!
「あの者どもが倒せぬ敵の頂点である私を貴様ごときが倒せるとでもおも――――――」
俺はただ我武者羅に敵のキングに斬りかかっていた。暴走気味だったから、あまり記憶に残っていないが……。
「殺れぇぇぇぇぇええぇぇえぇ!!! クイーン!!」
そう白のキングが叫ぶと、白のクイーンは静かに笑って、
「国王の仰せのままに……」
そう言って、俺に斬りかかってきた。
流石に、自分より格上の敵2人も一度に相手できるほど俺は強くない……。
もう、おしまいだ。そう思った時、
クイーンの横から、鈍く光るものが……。
「!! な……。ナイト!!! 無事だったのか!」
少し、血まみれではあったが確かにそこにはいつものナイトが立っていた。
「キング、御無事で」
「あまり無事と言えた状況でもないがな」
「そうですね。それより、キング様は敵のキングを。クイーンは私が片付けて参りますので」
「……そうか。では、殺れ!!」
俺らは再び剣をとり闘った。
「白の国王、貴方は仰いましたね。『弱小黒の国に負けるとでも申すのであるか?』と。しかし、どうですか? 今の気分は……その弱小国家に負ける気分というのは」
俺は靴で白の国のキングを踏みつけ笑った。相手のキングの剣を握るための腕を奪った。歩くための足も奪った。そうさ。あと奪わなきゃいけない物はあとひとつだけ……
「……めぬ。認めぬぞ!!! 私の国は、最強なのだ! 貴様ら寄せ集めの弱小国家になど、負けるはずなどありはしないのだ!!!!!」
そう、これさえ奪えば俺は勝てるんだ。
「何度も言わせるな。お前は、もう負けるんだよ。あんまり動かないで。死ぬにも、深手を負うより浅い傷で死ぬ方がマシでしょ?」
「くそがぁ!!!」
あんたの首を、ね。
「終わりだ」
さようなら。白い国。
「やったー! 僕の勝ち♪」
「えー!? この前まであんなに弱かったのにぃ! いつの間にこんな強く??」
「へへっ! ナイショッ!」
僕は白のキングをチェスの盤上に寝かせて置いて静かに笑った。
久しぶりの後書きです。
こんにちは!妹明です。
一応警告させていただきましたが、
大丈夫ですか?怒り感じていませんか??
怒りを感じた方は、とりあえず部屋にいる縫いぐるみに八つ当たr(殴
すみません、反省しています。だが、後悔はしていまs(ry
さてさて、如何だったでしょうか?
まぁ、次こう言う系統の話を書くときはちゃんとルールを調べてやった方がいいと思いますので、その辺に関しては今回だけ無視していただけるとありがたいです。
今回は本作をお読みいただきまことにありがとうございました。
お疲れさまでした。
では、また次回作で。