ラベンダー奇譚
昔あるところに
ラベンダーという名の少女がいました
少女はある日
恋をしました
とてもとても美しい少年に
少女は恋をしました
けれども
その少年が美しすぎて
少女はその少年のことを
遠くから見つめてることしかできませんでした
あなたのことが好き
大好きです
遠くから少年を見つめながら
少女は毎日胸で想いを唱えていました
毎日毎日
枯らすことなく少年を想い続けました
そんなある日
少年が花に微笑んでいるところを少女は見ました
それを見て
少女は思います
美しい花になりたいなと
香りの良い美しい花になりたいなと
花になって
美しい彼に摘まれたいなと
花になって
彼に微笑みをかけられたいなと
花になって…
彼に見つめられたいなと
すると
彼女の足から根が生えてきました
根は地面へと伸びていき
彼女の体がだんだんと緑の茎になっていき
彼女の紫色の綺麗な長い髪は
だんだん花びらに変わっていきました
少女は
香りがとても良い美しい一輪の花になったのです
すると
少女が恋してる少年が香りに誘われて来ました
少年は花になった少女の花びらを匂い
にこりと微笑みます
綺麗なお花だね
それに良い香りだ
一輪だけでこんなところにいても寂しいだろうし
僕のところにおいで
少年は花の根を優しく掘り起こすと
少年はその花を家に持ち帰りました
少年は毎日その花に水をかけながら
「綺麗だね」「大好きだよ」と声をかけました
紫色の花になった少女は
大好きな少年に毎日愛されそして大事にされ
とてもとても
幸せそうでした
ラベンダーという名前の少女が、あるとき、とても美しい少年に恋し、告白できずに待ち続けた末、一輪の花になってしまった─という逸話がヨーロッパにあるそうで。
その逸話からラベンダーの花言葉「あなたを待っています」が来てるとか…
詳しいお話しはわからないので、詩にして妄想してみたのでした(笑)
お読みくださりありがとうございました!