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開拓

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シャイン島の町づくりは、家宰セバスチャンの指揮の元、順調に進んだ。


「ライト様は木を伐りだしてください」

「わかった。やってみる。『光線(レーザー)』」


大人が二人分両手を伸ばしても届かないほど太い木が、まるでチーズのようにきれいに根本から切れる。


「よし。これを町を囲む壁にするぞ」


ドワーフの職人と避難民の技術者が、協力して凹凸をつくり、組み合わせられるようにする。


「よっこらしょっと!」


それを大人数で運んで積み上げていく。瞬く間に平原には木でできた壁が出来上がっていった。


浜辺では、ホリー率いる漁師たちが食糧調達している。


「『落雷(ピりレイン)』」


魚の群れに向けて、雷魔法を放つ。稲光が水面を走ったあとは、大量の魚が気絶して浮かんでいた。


「領主様、ありがとうございます」


感謝する漁師たちに、ホリーは指示する。


「小さい魚は別にして。この子たちの餌にする」


ホリーの足元には、ピィピィと鳴く蛇鳥の雛たちが口を開けて待っていた。


整地(アースグラント)


川べりでは、エリキテルが『巨人の槌』を叩きつけて、住宅地エリアの地盤を整地している。

他にも土魔法を使って、複数の水路をほっていた。


「えっと……住居エリアと農地エリアを分けて、農地にも農業用水をいきわたるようにしないと。この気候なら、アレも育つだろうしね。楽しみ」


なぜか農業地の一部は水の入れすぎで、泥のようになっていた。


そして、クーデルは連れてきた冒険者と兵士を率いて、島内を探検している。


「ここはまさに魔物の宝庫だな。おいしそうな魔物がいっぱいだ」


イノシシや野牛など、食べられそうな魔物を大量にゲットして嬉しそうに鼻を引くつかせる。


「これはナナイロイノシシですな。こんな珍しい魔物がいるとは……しかも、尋常じゃないほどの獲物がいる」


新たにギルドマスターに任命された冒険者は、この島の豊かさに驚いていた。


「王子様、ここに冒険者ギルドの支部を作りたいんですが、よろしいでしょうか?ダンジョンが制覇されて、魔物が減っているんです。俺たちこのままじゃ、失業なんです」


ギルドマスターがそう懇願してくるが、クーデルは笑ってかわす。


「あはは。ボクに頼まれてもね。ここの領主はホリー嬢だし、彼女に頼んでみたら?」

「そ、そんなぁ。前のギルドマスターのせいで、俺たち冒険者は彼女に嫌われているんです。ぜひお口添えを!」


必死に王子にとりなしを頼む冒険者たちだった。


夜になると、木壁に併設されて作られた櫓に電球が設置される。


「おお……明るい」

「あれが劣化版光のオーブ『電球』か。でも、あんなに沢山取り付けられている。グローリー王都より明るいぞ」


電球から発せられた白い光は、魔物を寄せ付けない。おかげて、テント暮らしでも安心して生活できるのだった。



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