勝利
感想と評価、ブックマークをお願いします。面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。入れていただけるとモチベーションが上がります
「えいっ!『光線』」
ライトは瞼を持ち上げているグレムリンに光線を当てるが、金属の皮膚でできているらしく、あっさり跳ね返されてしまう。
(こうなったら、あの目を『光線』で打ち抜くしかない)
そう思ったライトは指先に魔力を集中するが、ふと思ってしまった。
(まてよ?光はどんな遠い距離でも一瞬で届く。つまり、このまま打ち合ったら相打ちになるんじゃないか)
脳裏に目をつぶされたヴィィと、黄金像になった自分の姿が浮かぶ。
(仮にそうなったら、こっちの負けだ。残された者は、ミストレージたちになぶり殺しにされるだろう)
勇者バーティが全滅した後に、ナバラジャが高笑いをする光景が浮かんだ。
(そんなんじゃだめだ……なんとかしないと)
考えている間にも、瞼がどんどん開いていく。思わず身を隠しそうになって、自分が盾を持っていることに気付いた。
(そうだ。この盾を使えば)
『鏡の盾』を大きくして、前に突き出し走り出した。
「王子!風を送ってください」
「わかった!」
クーデルは、最後の魔力を振り絞って追い風を送る。ライトの身体はふわりと持ち上がった。
ライトは盾を構え、ヴィィの一つ目の前に掲げる。
「何をしようと無駄。黄金像になってしまえ?なに?」
ヴィィと一体化しているナバラジャは声をあげる。頭の一つ目から送られてきた映像は、鏡にうつった自分の姿だった。
「い、いかん。とめぬと!」
必死にヴィィの魔力を制御しようとしたが、所詮取り付いた体なので反応が遅れてしまう。
「『黄金光』」
放った魔法は鏡の盾に跳ね返され、ヴィィとナバラジャは黄金像になるのだった。
「やったぞ!」
掛けに勝ったライトは、ガッツポーズをする。
「兄上!すごい!」
「さっすが私の婚約者様!」
ホリーとエレキテルが喜んで、抱き着いてきた。
「うっ……うらやましい。あんなに発情の匂いを振りまく少女たちに抱き着かれて……ボクもいこう」
さりげなく、クーデルまで寄ってきた。
「ち、ちょっと!なんで王子まで抱き着いてくるんだよ!」
「変態!!邪魔するな」
二人にしばかれて、クーデルはすねる。
「ひ、ひどい……ボクも頑張ったのに。ふ、ふん。いいやい。魔法学園にいったらハーレムをつくってやるんだからな」
邪険にされてもポジティブな王子様だった。
ヴィィとナバラジャが死んで、魔法がとける。黄金像にされた騎士たちが元に戻っていった。
「王子?ご無事でしたか?」
「ああ。なんとか生き残ったよ。勇者様の活躍でね」
クーデルは二人の美少女に抱き着かれているライトを指さす。
「やはり、彼は新たな勇者でしたな」
「ああ。そして最後まで生き残ったボクも勇者の仲間の資格があると思う。ふふ。これから楽しい冒険が始まるな」
クーデルはこれからの勇者の活躍に参加できる自分を思い、頬をゆるめるのだった。
感想と評価、ブックマークをお願いします。面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。入れていただけるとモチベーションが上がります




