一撃必殺
感想と評価、ブックマークをお願いします。面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。入れていただけるとモチベーションが上がります
ライトたちは透視魔法を通じて、その様子を見ていた。
「やっぱり王子はロリコンだったんだね。あそこまで開き直られるといっそすがすがしいというか……」
「呆れている場合じゃないぞ。早く助けないと」
ライトは『光線』を放とうとする。
「ちょっと待って、あのゴーレムみたいなでかい奴に見られたらお終いなんだよ」
エレキテルはのぼーっと立っているヴィィについて説明する。目が合っただけで黄金にされると聞いて、ライトたちも恐怖に震えた。
「しかし、このまま手をこまねいてもいられませんぞ。王子の魔力は尽きかけている」
ドレレンツの言う通り、クーデルを取り巻く風の威力がどんどん落ちている。周りを取り巻いているミストレージの餌食になるのは時間の問題だった。
「しかたない。これに掛けるしかないね」
エレキテルはライトの手を取って、いい気分で高笑いしているナバラジャの首に照準を当てる。
「いい?外れたら終わりだからね。ヴィィがこっち向いたらそれだけで全滅なんだから。君にすべてかかっているんだからね」
「プレッシャー与えないでよ」
ライトは慎重に照準を合わせる。
「今だ!」
「レーザー発射!」
壁越しにナバラジャに向けて、光魔法が放たれるのだった。
「うふふ……そろそろじゃな。たっぷり精気を搾りとってやる。それとも黄金にして、永遠にワラワの美に花をそえてやろうか」
ナバラジャの声を聴きながら、クーデルは絶望する。
(くそっ!こうなったら、潔く……)
ナイフを取り出し、自分の喉に当てる。
(もっと若い子の匂いを嗅ぎたかったな……魔法学園にいけなかったことが悔やまれる。今年の女の子はどんな匂いだったんだろうか)
変態みたいなことを考えながらナイフで喉を突こうとしたとき、いきなりナバラジャの顔がずれた。
「は?」
「ほえ?」
訳が分からないといった顔をしたナバラジャの頭が、静かに床に落ちる。その首は綺麗に切断されていた。
「な、なにが起こったんだ?助かったのか?」
王子が首をかしげていると、周囲を取り巻いていたミストレージたちが消えていく。巨大なヴィィも動きを止めていた。
「やった。ナイスショット!!」
そんな声が上がり、神殿へのドアが開いてエレキテルたちが入ってきた。
「みんな!助けにきてくれたのか!」
クーデルはようやく安心し、笛から口を離す。
同時に魔力切れで倒れそうになったので、ホリーが駆け寄って支えた。
「大丈夫?」
「ああ、この匂いはホリーちゃんか。くんくん。かぐわしい」
心配するホリーの匂いを、王子は思う存分堪能する。
「変態!」
ホリーに思いっきりひっぱたかれて床に転がる王子だった。
感想と評価、ブックマークをお願いします。面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。入れていただけるとモチベーションが上がります




