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黄金神殿

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「も、もしかして、新しいダンジョン?中には手付かずの宝が眠っているはずだ。やった!」


ルドマンは叫び声をあげて、階段を下りていく。


「ダンジョンだって?」

「宝を見つけると、奴隷から解放されるかも!」


たちまちそんな叫び声があがって、奴隷たちがその穴に殺到した。


「き、貴様ら、仕事に戻れ!」

「うるせえ!もううんざりなんだよ!」


ムチを振るおうとした兵士を、ヨシュアが後ろからなぐって昏倒させる。


「早いモノ勝ちだ!」


ヨシュアたちもまけずにダンジョンに入っていくのだった。



ヨシュアは先を争うように階段を下りて行った。階段はらせん状になっており、どこまでも続くかのような深淵に続いていく。


「どけ!俺が先に行くんだ!」

「なんだと!貴様こそどけ!」


もはや冒険者ランクもギルドでの地位も関係ない。ヨシュアたちもギルドマスターも冒険者も、宝を得て奴隷から解放されるかもしれないという希望にすがって後先考えずに階段を降りて行った。


そして気が遠くなるほど降りて行った先に、彼らはついに最深部にたどりつく。そこは黄金で飾られた神殿のような場所だった。


「やった!!」


冒険者たちはつるはしをふるって黄金で作られた壁や柱を削っていく。


「これだけ豪華な神殿なら、価値があるお宝があるに違いねえ」


血走った目で周囲を見渡したヨシュアは、祭壇の上に棺桶があるのに気づく。それは厳重に鎖がまかれ、封印されていた。


「この中に、金よりもっと価値がある宝が?」

「どけ!俺のものだ!」


一同、必死になってつるはしを振るって鎖を斬る。余裕がある時ならそれが宝箱ではなく棺桶であることに疑問をもったはずだが、理性を失った彼らにそんな分別は残っていなかった。


「やったぞ!」


ついに鎖が切れ、封印がとける。ヨシュアたちは何の躊躇もなく蓋を開けた。


「なんだこりゃ!ババアだと!」


中を見てがっかりする。入っていたのは、老婆のミイラだった。


「ちっ。ババアに用はねえ!」


腹立ちまぎれにつるはしを胸に突き立て、祭壇を降りる。


「もっと宝がないか!探せ!」


血眼になって探す彼らの苦労は、やがて報われることになる。


隣の部屋に入ったヨシュアたちが見たものは、巨大な船とその周囲に散らばる黄金の兵士たちだった。


「やったぜ!」

「すげえお宝だ。これで俺は一生遊んで暮らせる」


冒険者たちは喜んで船にかけよる。

周囲の黄金像は、なぜか一様に恐怖の表情を浮かべていた。


船にロープを投げて侵入しようとした時、いきなり床に魔法陣が発生し、多くのミストレージが現れる。


「くっ!トラップか!くそっ!」


必死につるはしを振るって対抗しようとするが、実体のないモンスターに勝てるわけがない。


「うわぁぁぁぁぁ」


たちまちミストレージに取りつかれ、体を乗っ取られてしまうのだった。


「ひひひ。宝につられた冒険者たちがやっと来たわい」


神殿にそんな声が響き渡り、ミイラのような老婆が入ってくる。


「こやつらの精気を吸えば、ワシはまた若い姿になる」


老婆はゆっくりと、うつろな目をしているヨシュアたちに近づくのだった。


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