因果応報
感想と評価、ブックマークをお願いします。面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。
入れていただけるとモチベーションがあがります
「勇者の使った光の攻撃魔法には二系統あったと聞いたことがある。遠距離照準型のレーザー系と、近距離広範囲型のライトニング系。君たち二人でそれを再現しているみたいだね」
エレキテルは、ホリーの攻撃魔法に感心している。
「当然。兄上と私は二人でひとつ。いつか結ばれて、勇者の血をつむいでいくの」
「おいおい」
ホリーに抱き着かれて、ライトは困惑する。
「あはは。仲良さそうでうらやましいよ。ところで、こいつらどうしよう」
エレキテルはヨシュアたちを睨みつける。彼らは床でぐったりとしていた。
「た、頼む……助けてくれ」
「ほんの出来心だったの」
「神は敵を許せる広い心を持てと教えにあります。なんでもしますから、許してください」
三人はみっともなく命乞いをしてくる。
困っていると、ホリーが進み出た。
「拷問してからぶっ殺す」
「こら。子供がそんなこと言っちゃいけません」
ホリーが据わった目をしているので、ライトは慌ててたしなめる。さすがに彼女の目の前で人殺しをするのは躊躇した。
「あはは。別に私たちが手を下さなくてもいいよ。仕返しは相手と同じことをやり返すことが鉄則。こいつらには、ボクたちと同じ目に遭ってもらおう」
エレキテルは笑いながら言った。
「同じ目?」
「ええ。こいつらの装備品を全部奪って放置しておくの。もちろんランプやたいまつも取り上げて。生き残れるかどうかは運しだいだね」
それを聞いて、ヨシュアと冒険者たちは震えあがった。
「じ、冗談だろ。ここは地下41階だぞ。何の装備品もなく暗い中、地上まで戻れるわけねえだろうが」
「へえ。君たち照明師を無駄だとバカにしていたじゃん。いなくても冒険できるんでしょ?自分で実践してみなよ。ライト君」
「わかった」
ライトは容赦なく冒険者たちの装備品を奪って、『勇者の袋』に入れる。
「や、やめてくれ!俺たちを放置しないでくれ」
「魔物に食べられてしまう」
「明りがないと出口もわからないのに、どうしろっていうんだ」
冒険者たちは口々に泣きわめくが、ライトたちは聞く耳を持たなかった。
「それだけ大勢いたら、素手でもなんとかなるでしょ。根性みせてみなよ」
「最後の情けだ。たいまつ一本だけのこしてやるよ」
火が付いたたいまつをその場に残し、ライトたちは去っていく。
やがて、41階の通路は暗闇に満たされ、冒険者たちの嘆きがこだまするのだった。
グローリー王国
王の間では、国王がメイドを怒鳴りつけていた。
「なんだこの料理は!まずいし量も少ない」
「は、はいっ!すいません」
まだ若いメイドは、頭を地面にこすりつけて謝罪する。
ひとしきりメイドを怒鳴りつけた国王は、やがて冷静さを取り戻して聞いた。
「……最近、食事の質、量ともに落ちておる。ワシの料理ですらそうなのだから、家臣たちの食事は推して知るべしじゃろう。何があった?」
「じ、実は宰相様の命令なのです。少しずつ食事の量を減らして、節約せよと……」
「なんじゃと?どういうことじゃ。宰相をよべい!」
再び怒り出した国王は、宰相ロックウェルを呼び出した。
感想と評価、ブックマークをお願いします。面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。
入れていただけるとモチベーションがあがります




