表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/54

勇者の目覚め


「あの……本当にダンジョンに入る気ですか?一人じゃ無謀ですよ」


ミリアは登録をしながらもホリーを心配していた。


それを見ていた冒険者たちが、親切心を装って近づいてくる。


「そうか、なら俺たちが協力してやるよ」

「ただじゃないけどな」

「その袋の中の金全部でどうだ?」


下卑た顔をする冒険者を、ホリーは冷たく切り捨てた。


「必要ない。信用できない仲間なんて不要」

「なんだと!この餓鬼!」


激高した冒険者が、ホリーに掴みかかってくる。

ホリーは素早く身をかわすと、腰に差していたナイフで切りつけた。


「ぐはっ!」


刃先が触れたとたん、屈強な冒険者たちが動けなくなる。

それを見たミリアが聞いてきた。


「それは?」

「勇者マサヨシが冒険の旅の序盤で使っていた『雷神のナイフ』。麻痺の魔法が掛かっていて、さわったらピリピリするの」


ホリーがナイフを振ると、キラキラした光が刀身にまとわりついた。


「わかりました。しかし、気をつけてくださいね」

「うん。無理はしない」


ミリアに挨拶して、ホリーはダンジョンの入り口に向かった。



「きゅい……」

「大丈夫。慎重にすすめば」


心配そうなイズナをなだめながら、ホリーは奥にはいっていく。

しばらく行くと、ホワイトラットの集団が現れた。


「えいっ!えいっ!」


ホリーは必死にナイフを振り回すが、ラットたちの動きは素早く、なかなか捕えられない。


「あっ!」


突き刺そうとしたナイフがかわされ、床に突き刺さってしまった。


「キィッ!」


慌てて引き抜こうとするホリーを、ホワイトラットが取り囲む。


「は、早く抜かなきゃ」


焦って力を込めても、ナイフはなかなか抜けない。そうしているうちに、ラットたちが集団で襲い掛かってきた。


「キィッ!」


「やだ!」


思わずホリーはナイフに光の魔力を込める。


それは雷に変換され、ピリピリする波動が辺り一帯に広がった。


「チューー!」

「いたっ!」


ホリーとラットたちは仲良く感電し、その場に倒れこむ。


しばらくして、ホリーだけがゆっくり立ち上がる。ラットたちはすべて感電死していた。


「ああ、びっくりした。でも、この魔法は新感覚。くせになりそう」


ホリーは危ない目をして。『雷神のナイフ』を引き抜く。


「このピリピリ魔法、攻撃に使えるかも。もっと試してもよう」


ナイフに光の魔力を通すと、稲光が巻き起こる。


ここにも、新たな勇者が目覚めようとしていた。


感想と評価、ブックマークをお願いします。

面白くなければ★一個。まあまあなら★三個、面白かったら五個お願いします。




入れていただけるとモチベーションがあがります


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ