死が三人を分かつまで
少し時間が空いてしまいましたが次回は明日更新予定です。
さて、いよいよ結婚式当日だ。
招待状も送ったし指輪も用意した。
招待脚に出す食事も各地から集めた最高の物を用意したし抜かりはない。
後はその時を待つばかり。
結局大聖堂で結婚式をする事になったけど人数はかなり絞っており魔王を倒す旅でお世話になった人や魔王城まで送ってくれたレッドドラゴンも一応呼んである。
何かあってはいけないので一応警備代わりなんだけどね。
警備料代わりに食事を用意する約束はしてあるけど、実際には式の費用よりレッドドラゴンの食糧の方が高くついたのはここだけの話だ。
参列者も揃いマリーさんも準備は整った。
後は式が始まるのを待つのみである。
大聖堂には参列者が揃い厳粛な状態で花嫁さんが現れるのを待っている。
僕もかなり緊張してきた。
大聖堂のドアから花嫁さんのマリーさんが現れた。
「美しい......」
そんな事しか言えないなかと思うかもしれないけど人間言葉が出ない時の感想なんてそんなもんだよ。
マリーさんを僕が待つ所まで王女様が腕を組んで付き添ってきている。
普通なら逆なのかもしれないけど。
「ん?」
僕の気のせいか王女様の服装がドレスでは無くウェディングドレスの様な気がするんですけど......
たまたま似ているだけだよな。
嫌な予感しかしないけど。
僕の前までマリーさんが来ると隣に立ち腕を組む。そのまま神父様の前まで歩いていく。
何故か両腕が組まれている気がするけど気のせいだろう。
『気のせいだよね?』
僕とマリーさんと何故か王女様は神父さんの前に立ち止る。
これから神父さんの例のやつがあるのだろう。
「汝ヒロユキは、この女マリーとメアリーを妻とし、
良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が三人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」
「誓います」
「マリーさん、メアリーさん、あなた達は今、ヒロユキさんを夫とし 神の導きによって夫婦になろうとしています汝健やかなるときも 病めるときも 喜びのときも 悲しみのときも 富めるときも 貧しいときもこれを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?
「「誓います」」
「皆さん、お三人の上に神の祝福を願い、結婚の絆によって結ばれた このお二人を神が慈しみ深く守り、助けてくださるよう祈りましょう。
宇宙万物の造り主である父よ、あなたはご自分にかたどって人を造り、夫婦の愛を祝福してくださいました。今日結婚の誓いをかわした三人の上に、
満ちあふれる祝福を注いでください。三人が愛に生き、健全な家庭を造りますように。喜びにつけ悲しみにつけ信頼と感謝を忘れず、あなたに支えられて仕事に励み、困難にあっては慰めを見いだすことができますように。また多くの友に恵まれ、結婚がもたらす恵みによって成長し、実り豊かな生活を
送ることができますように。わたしたちの神によって。
そして祈りを捧げた。
気付いたら妻が二人になっていた......
「なんだこれ」
なる様になるかと半分諦めていたら急に大聖堂のドアが開かれた。
それは白馬に乗った騎士に見えたがどうやら王様のようだった。
絶句している周りの参列者を横目に大聖堂の中を馬の中に乗って入ってきている。
「王様......流石に降りてからこればいいんじゃないでしょうか?」
「この結婚は認められんのじゃ!マリーよ、其方が愛しておるのはワシだけじゃろ?さぁ城に戻ろではないか。」
何か面倒臭い事に。
と言うか王女様はスルーですか、そうですか。
僕は王様に向かって転移魔法を使った。
王様は無事に城へ転送された事だろう。
めでたしめでたし
これから先が思いやられるな......
しれっと神父が三人と言ってた辺り神父はぐるだったんだろうけどね。
このお話は王様成分35%でお送りいたしました。