何でもいいって言ったよね?
最強勇者の魔王討伐後のほのぼのアフターストーリーです。
メインは勇者ヒロユキのスローライフと主には妻と娘との日常などを描ければと思っています。
余り冒険には出ませんが、たまには出るかもしれません。
エルフの里には行くと思いますが。
俺は最強の勇者ヒロユキ
本名は田中裕之 中学一年 クラスは一年二組
出席番号は十五番だった筈なんだけど......
小学校を卒業し今日から晴れて中学に入学のはずだったんだんだけど、入学式で校門を通り抜けたら謎の光に包まれて気付いたらこの世界ハイランドに異世界転移していた。
どうやら勇者召喚とかで呼ばれたみたいだけど、まるでラノベみたいだなと思った。
「はいはい、魔王を倒せばいいんですね。」
僕をこの世界に呼んだ魔法使いのおじいさんに開口一番そう言った。
魔法使いのお爺さんは唖然としてたけど呼ばれた僕より呼んだ方が驚いてるってのはどうなのよ?
大臣が現れて、いきなり上からこれから王様に謁見せよとか言われたんだけど......
「はいはい、テンプレテンプレ」
って言ったらテンプレは通じなかったみたいだ。
これぞ王様みたいな頭に王冠乗せたおじさんに
「勇者よ魔王を倒して欲しい。魔王倒してくれたら何でも臨む褒美を与えよう。」
「今、何でもって言ったよね?」
「うむ、なんでもじゃ」
どうやら何でも貰えるらしい。ただしこの返しは望んで無かった。
僕は少しやる気が出たね。
そこからお金と鉄の剣を渡されて旅に出て紆余曲折は有ったけど僕は無事に魔王を倒した。
五年もかかったけど別にエルフの里で遊んでいたわけではない。
決してエルフのお姉さんが美人揃いで居心地が良すぎたなんて僕は知らないからね。
そして魔王を倒した僕は、今王様の前にいる。
魔王倒したら何でも欲しい褒美を与えるという約束の為に戻って来たのだ。
スライムに追いかけ回されて転んで捕食されそうになったり、ゴブリンに棍棒で頭を殴られて血が吹き出したり、サキュバス に誘惑されて楽園に行ったりしたのは今では良い思い出。
僕はこの旅に出る前から報酬は決めていた。
王様の横に立っている美女だ。
元の世界の芸能人も比にならない位の美女だ。
魔王を倒した勇者が王族と結婚するのは
ファンタジーの王道だからね。
そう、後は王様の質問に一言こう答えるだけだ。
「◯◯を下さい」
これで僕の勇者としての旅は終わり後はアフターストーリーでしかない。
それも超絶美女との甘い新婚生活が待っている。
今から顔がにやけてしまいそうになる。
そろそろ王様からテンプレが来るだろう。
「勇者ヒロユキよ、この度は本当によくやってくれた。王国代表として勇者ヒロユキに感謝を申し上げる。魔王を倒した勇者ヒロユキに何でも臨む褒美を与えよう。好きに申すがよい。」
王女様に視線を送ったら頬を染めていた。
『なにこれ、可愛い』
深呼吸を一つ入れて僕は欲しい者を伝える。
「王妃様を下さい」
と。
王様の顔が埴輪みたいなっているし。
宰相のおじさんは土偶みたいだな。
王女様は目尻に涙を浮かべて震えている。自分が選ばれると思っていたんだね。
王妃様は女神の様に微笑んでいた。
何故王女様を選ばなかったって?
だって僕、年上がタイプなんだよ。
こうして勇者ヒロユキのアフターストーリーは始まったのだった。
この小説はほのぼの成分100%でお送りいたします。