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『意味が不明な場合の考察論』⑻
『意味が不明な場合の考察論』⑻
㈠
思想的範疇を超えて、物事を掴む時、物事が矛盾することはあり得ないんだろう。
しかしまた、そこから、思考が観念に移行し、思想的範疇に収める時、矛盾は発生する。
今書いている文章だってそうだ、意味が不明だ、で終わらせておけば良いのだ。
㈡
人間は、そこには留まらず、やはり、文章にして、意味が不明だ、を意味にしてしまう。
考えが及ぶ範囲で、思考を超越する現象が有る時、それを他者にも知らせたいのは分かる気がする。
同時に、考えてみれば、世の中には意味不明な現象が多々あるし、それは揺るがしようがない。
㈢
考察する思考は、まさに、それこそが意味不明なのであって、物事は鮮明に告示されている。
矛盾を矛盾として受け止めれば、何も難しいことはないのである、恐らくは。
そして、こうして生きていこうとする人々は、矛盾をも打ち負かして、意味が不明なものを、そのものとして、捉えているのである。