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パンドラボックス 第7話 初めての禁句(タブー)

ラーク・ウィッシャー:15歳。第一次グランハルト帝国戦争を戦い抜いたクラッチ・ウィッシャーの息子。職業クラスは魔法剣士。剣の技術に秀でているが、魔法に関してはてんでダメ。下級魔法でも最弱の威力しか出せない。グランハルト帝国の皆が持っている力、「グラン」を持っているが、うまく自分の力を理解していない。熱い性格で常にポジティブな考えを持っている。


クルーラ・クレイトル:40歳。関西弁で話す。商業の街アートリオンにて、クレイトル市場を経営している。職業クラスは行商人。特殊職業クラスであり、彼の話に背くものは行動不能となる。基本的に温厚だが、気に食わないことが起こると、彼の持っている能力で自ら制裁を下す。アートリオン市場会の会長も務めている。


ミカエル:15歳(人間年齢)。ラークの夢の中に現れた天使。容姿はかなりの美女。彼女の歌う歌には癒しの効果があり、支援要因として主人公パーティーを支える。ガベルからは『出来損ないの天使』と言われている。なにかわけがありそうだが……


ジョージ・ブライアン:性別おかま。40歳。ラークとともに第一次グランハルト帝国戦争で戦った英雄。第一次グランハルト帝国戦争時の年齢は30歳。職業クラスは二丁拳銃がメインウェポンのガンナー。スナイパーライフルも巧みに操ることから、グランハルト帝国戦争時は王城からクラッチたちの通信を頼りにガベルと戦った。現在では『なんでも屋じょーじ』を経営している。グランハルト帝国の皆が持っている力、「グラン」を持っている。


アンジェ・クレイトル:12歳。関西弁をしゃべる少女。初登場シーンは???表記。商業の街アートリオンの出身。職業クラスは魔術師だが、詠唱に関してはかなりのオリジナル。だが、自分の出したい魔法晶術が出せてしまうことから、アートリオンの中では変わり者と言われている。商業の街アートリオンでクレイトル市場を経営しているクレイトル一家の看板娘。グランハルト帝国の出身ではないため、『グラン』は使えないが、『覚醒』を備えている。だが、覚醒するためには条件があるらしく、その条件を満たしていないため、発動したことはない。


ミシェル・ベルサス:15歳。3話に出てきた少年。アンジェの幼馴染。職業クラスは???(アンノウン)。アンジェのことは好き。だが、彼女には気づいてもらえずにため息をつくことが多い。根はしっかりとした男の子だが、隠されていることが多すぎる。


ギルベルト・アンダーソン:業魔ガベルが率いる、暗黒四天王が一人。火の魔法の使用に長けている。口にピアスをつけており、性格はチャラくてウザい。敵を散々あおるのが趣味で、その性格上、味方までも煽ってしまうことがある。見た目年齢は20代前半。




≪配役≫

ラーク(不問):

ミッシェル/???(不問):

ジョージ♂:

クルーラ♂:

ギルベルト♂:

ミカエル♀:

アンジェ♀:






クルーラM「うちに帰ってきたラークはんたちを見ると、その姿はまさに、覚悟を決めたもんの顔やった。その顔を見たワシとジョージ、ミッシェルはそっと胸をなでおろした。その夜は宴会やった。夜遅くまでどんちゃんしよった子ども連中は大広間で眠りに入った。」


クルーラ「ハハハ!そんなに楽しかったんかいな?ほら、みてみぃ!ええ寝顔と寝息やで?」


ジョージ「あらん、私なんか飲み足りないのに」


クルーラ「おぉ、そうか!ジョージ!付き合うで。久々のうまい酒やけぇの」


ジョージ「いいわよ。ほら、ウィスキーよ」


クルーラ「お?気が利くやんけ。いつからお前さんはそこまで気が利くようになったんや?」


ジョージ「もとからよ!失礼ね。」


クルーラ「せやったか?ま、えぇわ」


ジョージ「……それよりもあんた。あの子……どうするつもり?」


クルーラ「……ミッシェルか?」


ジョージ「そうよ。あの子、人間じゃないでしょ?」


クルーラ「さぁのぉ。ただ、一つだけ言うとくとな……あいつの……ミッシェルの存在自体が、このアートリオンの禁句タブーなんや」


ジョージ「!?どういうこと!?」


クルーラ「アホかお前は。そこまで聞いたら図書館行く意味あらへんやろが」


ジョージ「……そうね。早まったわ。ごめんなさい」


クルーラ「謝らんでもえぇ。……お前さんに教えとこか……今から話すんわ、ミッシェル本人とアンジェは知らんことやが……このこと……ミッシェルがこの国の禁句タブーっちゅうんわ、こいつら以外の全員知っとる」


ジョージ「!?……変わったことするのね」


クルーラ「せや。てか、ワシの職業クラス忘れたんか?職業クラス行商人は、相手がワシに歯向かったらそこで終わりや。ワシがこの禁句タブーに対して肯定したらそれがこの街の答えになるんや。」


ジョージ「つまり?」


クルーラ「あいつを……ミッシェルを殺すな。そう命令したんや。あいつを人間として生活させる。差別なんて失くしてしまえばえぇ。例え、どんな存在でもな……」


ジョージ「クルーラ……」


クルーラ「そんなしんみりすなや。ワシの人生にあいつの人生足しただけの話や。後悔なんぞしとらん」


ジョージ「ならいいわよ。さて、アートリオン一番のお酒はあるのかしら?」


クルーラ「お!そんなら、えぇ酒があるで!飲もうやないか!」



―間―



ラーク「ふぁぁぁぁ……よく寝た……」


ミカエル「おはようございます。」


ラーク「あ、ミカエル。おはよう」


アンジェ「おっそいでぇ!ラーク!」


ラーク「ごめんね、アンジェ」


ミッシェル「みんな、朝食ができとるでー」


ラーク「げ!?もうそんな時間!?」


アンジェ「ラークが一番いっちゃん遅かったんやで!」


ミカエル「ぐっすり寝てましたね」


ラーク「だ……だってよ……てか、あの男の子……ミッシェルだっけ?なんであんなに元気なんだ?」


ミカエル「知らない」


アンジェ「商人の朝は早いんや!当たり前やろ!朝の市場の店、1店舗の店長やさけな」


ミカエル「あら、そんなにすごいお方だったのですね」


ミッシェル「アンジェ、その話はいいから……皆さんも、早く席についてください」


ラーク「わかった!」



―間―



ラーク「ふぅー食ったぁ……ごちそうさまでした!」


クルーラ「お粗末さんな!」


ミカエル「お粥というのですか?薄味で、その中にもいろいろな風味が合わさっていて、おいしかったです。体も温まりましたし」


クルーラ「そうやろ?『カンポウ』と言われる……まぁ、薬みたいな食材いれとるからの。出汁はアワビっちゅうもんからとっとるさけぇ、味は美味うまいはずや!」


ジョージ「う~ん、お酒を飲んだ後だから、最高にしみるわねぇ!」


クルーラ「さて……図書館に行くんやろ?」


ラーク「……はい!」


ミカエル「勿論です」


アンジェ「何ゆっとんねん!当たり前やろ!」


ジョージ「全員覚悟は……できたようね!」


ラーク「……俺たちは、目の前にあることばかりにとらわれていた。本当の歴史を見て、禁句タブーが何かを調べたい!」


クルーラ「なら、予備知識を教えたろ。んなもん、一から学んだら日が暮れるさけの」


ミカエル「予備知識?」


クルーラ「せや。まず、禁句タブーとは何かや」


ジョージ「私たちの言葉では『言ってはいけない言葉』っていう意味で使われているわね」


クルーラ「ほう、こりゃぁ驚いた。一部しか教えられとらんのやなぁ」


ジョージ「一部?どういうこと?」


クルーラ「禁句タブーっちゅうんは、『やったらあかん言動』という意味でワシらは使つこうとる。ただこの言葉、ややこしいんは、裏の意味があんねん」


ラーク「裏の意味?」


クルーラ「せや。裏の意味……神様かみさんはその裏の意味を恐れて禁句タブーを封じたんや。その裏の意味は……『世界を壊すような言動』や」


クルーラ以外全員「!?」


クルーラ「例えば……せやなぁ……おい、アンジェ」


アンジェ「なんや?おとっちゃ……」


クルーラ「(遮るように)ばぁか」


アンジェ「はぁ!?なんでやねん!!」


クルーラ「それや!」


ラーク「え?」


ジョージ「どういうこと?」


クルーラ「あんな?腹立つこと言われたら怒るやろ?そこなんや。そこが禁句タブーの怖いところやねん。ワシらが生まれる遥か昔にな、それがもとで戦乱が絶えなかった時代があったんや。ある帝国と、ある帝国、仮に帝国A、帝国Bとしようや。帝国Aは不作続きで、飢饉ききんちいっとてのぉ、その帝国が帝国Bの神様かみさんに悪口を言ったんや。『帝国Bの人間が神様かみさんを必要ないと言っとる。はよ、天界に帰れクソ野郎!』ってな。ラークはんに聞こう。自分がもし、帝国Bの神様かみさんとして、そないなこと言われたらどないする?」


ラーク「俺なら……イライラしたり怒っちゃったりしちゃうかもしれないけど、まず事実を確かめます!その事実を基に、しっかりと話をして……」


クルーラ「せや。まず、神様かみさんも確かめた。帝国Bの首長にその話をし、国民に確認させた。するとどうや。帝国Aの人間が神様かみさん悪口言っとったという言質げんちを得たんや。」


ミカエル「その話、聞いたことがあります。それに怒った帝国Bの神様かみさまは、帝国Aに怒りの鉄槌を落とした。その鉄槌がきっかけで、帝国Aと帝国Bが戦争になった。」


クルーラ「せや。一人の人間の心ない言葉が神様かみさんたちを怒らせた。挙句の果てには、帝国Aと帝国Bの力の強い神様かみさん同士で戦いが始まったんや。その戦いが第1次業魔戦争……」


ミカエル「……(唾をのむ)」


クルーラ「そうやで?嬢ちゃん。あんさんのおっかさんがうなった戦いや。その戦いを防ぐ元として、作られたのがパンドラボックスや。」


ラーク「でも、それっておかしくないですか?」


クルーラ「ん?なにがや?」


ラーク「それなら、なぜ業魔戦争に第一次とついているのです?パンドラボックスができたのなら、それで戦争が止まるはずでは?」


ミカエル「……第二次業魔戦争はパンドラボックスを作っているときに起きたのよ」


ジョージ「え?」


ミカエル「……」


クルーラ「せや。パンドラボックスの制作過程に目を付けた別の国の業魔が襲ってきたんや。そこで起きたのが第二次業魔戦争。その戦いを最後に業魔戦争は終わった。第一次業魔戦争が終息までに10年かかったのに対して、第二次業魔戦争は1ひとつきで終わったんや。」


ラーク「それってもしかして……」


クルーラ「せや。パンドラボックスが完成したんや。その完成したパンドラボックスが世の中の禁句タブーを食べてしもうたんや」


ジョージ「あら、タブーまみれの戦争がそんなに一瞬で終息を迎えてしまったのね」


ミカエル「パンドラボックスの力がそれほど強大だったのでしょう?」


ジョージ「……そう」


クルーラ「さ。あとは調べてきぃな。また、おいしい飯作って待ってるさけ」


ミッシェル「良かったらこれ、お昼ごはんやから持ってって!」


ジョージ「あら、助かるわね。ありがと」


ラーク「それじゃ、行ってきます!」




―間―



ミッシェル「…………」


クルーラ「えぇんか?ミッシェル」


ミッシェル「何がです?」


クルーラ「お前さんの好きな女が、お前さんのこと嫌いになるかもしれんのやで?それに、その恋はもう成就せんかもしれんぞ」


ミッシェル「かめへんっすよ。あの人らの言うてることが本間なら、遅かれ早かれ、俺の正体がわかってしまうやん」


クルーラ「……せやな」


ミッシェル「やとしたら、俺が話す前に、知ってもらうほうがええんとちゃうかって」


クルーラ「まぁ、知れるかどうかは知らへんけどな」


ミッシェル「?なんでや?」


クルーラ「お前さんのことを載せた文献なんざ元から無いんや」


ミッシェル「え?」


クルーラ「こういうもんがおるっていうんはあるけど、お前さんがそれっていう表現はあらへんねん」


ミッシェル「そうなんや……」


クルーラ「せや……せやから、これ以降はお前さんの仕事やで?アンジェにきっちり説明したり」


ミッシェル「…………」



―間―



ラーク「ここがアートリオン中央図書館の禁書庫か……」


アンジェ「せや」


ミカエル「しかし、本当にクルーラさんの名前を出したら入れましたね」


ジョージ「さすがというところね……さ、着いたみたいよ」


ラークM「そこにあったのは、厚さ30㎝あろうかという本が5冊と、厚さ10㎝ぐらいの本が2冊置いてあるだけだった。」


ラーク「うわぁ、この本、分厚すぎないか?」


ジョージ「そうね……これを全部は骨が折れそう」


ミカエル「ちょっと待ってください」


アンジェ「どうしたんや?ミカエルちゃん」


ミカエル「彼のものよ。我にその中身を見せよ。リード・オブ・ワード」


アンジェ「うわぁ!文字が!」


ジョージ「なるほど……その本から必要な情報を抜き取ったのね。さすがは女神さまだわ」


アンジェ「ほぁぁ……それはすごいなぁ……でも、ウチには読めへんわ」


ジョージ「なら、私が読みましょうか?」


ラーク「お願い、ジョージ」


ジョージ「わかったわ。……グランハルト帝国とクレス帝国の争いがもとに起きた第一次業魔戦争。その戦争で戦った帝国の神様、グランハルト帝国はミカエル、クレス帝国はガベルであった。グランハルト帝国を取りまとめていたミカエルはその戦いのさなか、ガベルに討たれ命を落とした。……詳細がないようね。」


ミカエル「……詳細は今朝、クルーラさんが言っていた通りです。グランハルト帝国とクレス帝国は元々、手を結んでいて仲良くしていたらしいのです。それぞれが納めている国々の人たちも国の行き交いが多く、二つの国は繁栄していたそうです。」


ラーク「?クルーラさんの話と違う気がする……」


ジョージ「それはそうよ。最初から飢饉の国なんてあるわけないでしょ?」


ラーク「それもそうか……でも、ミカエルのお母さんとガベルは仲良かったでしょ?なんでいがみ合ったの?」


ミカエル「クルーラさんの話を聞いていなかったの?グランハルト帝国が飢饉に陥ったことは知っている?」


ラーク「うん、グランハルト大飢饉。グランハルト暦450年におこった食糧危機だよね。その食糧危機があったから、両国は仲が悪くなって……」


ジョージ「まって。そのあたりもこの文献に書いている内容は違うみたいよ」


ラーク「え?」


ジョージ「この文献にはね、『そもそもグランハルト大飢饉なんてものはなかった』ってかいてあるわ」


ラーク「なんだって!?」


ミカエル「そもそも、その『グランハルト大飢饉』こそグランハルト帝国が作った禁句タブーなのよ。」


ラーク「どういうこと?」


ミカエル「グランハルト大飢饉は、グランハルト帝国が自分の国民が行った出来事を隠ぺいするために作った嘘だったのよ」


ラーク「え!?それじゃぁ、自分の国の考えを正当化するためについた嘘ってこと?」


ジョージ「近からず遠からずということかしら?ま、間違えてないからいいんじゃない?それよりも、気になる文章があったのよ」


ラーク「気になる文章?」


アンジェ「なんやなんや?」


ジョージ「これは、アンジェに関することかしら」


アンジェ「うち!?」


ジョージ「アートリオンの国に伝わる話よ」


アンジェ「ん?どれどれ?……読まれへん……難しいわぁ……」


ジョージ「ふふ……まだ子どもだものね。『アートリオンに昔から伝わる伝承として、アートリーバーンという伝説の生き物がいるといわれている。この生き物は人間に化けることもでき、実際の人間と同じように話したりする。』」


アンジェ「あ、それならウチも聞いたことある。たしか、時々山のほうから下りてきて、人を襲ったりするんやろ?」


ミカエル「あ、そう伝わってるんですね」


アンジェ「え?ちゃうん?」


ミカエル「えぇ。どうやら、それも禁句タブーとされているようですね」


アンジェ「なんやて!?」


ミカエル「実は……」



SE:爆発音



ラーク「なに!?」


ジョージ「外からね」


ミカエル「いきましょう」


アンジェ「ちょ!?まったってぇな!」


アンジェM「なんなん……ウチの知らないことが多すぎるやん……本間になんなん……これ……この世の中の禁句タブーって……」



―間―



ギルベルト「アーハッハッハッハ!!商業の街アートリオンを襲撃しろと言われてきたが、なんだ?このゴミのような国は!」


ミッシェル「やめぇな!!街に危害を加えんな!!」


ギルベルト「うるせぇな……おめぇらがこの街のおさをださねぇからこうなるんだろうが!あぁ?」


ミッシェル「せやから、今外出中でおれへんって言っとるやん!」


ギルベルト「おめぇらが、かくまってるのはわかってんだよ!早く出しやがれ!」


ミッシェル「絶対に……絶対に出すもんか!!」


ギルベルト「……そうか、なら……もう一回……お、あの家を燃やせば出てくるか?」


ミッシェル「そこは……アンジェとの……やめろ!!」


ギルベルト「ほう、お前の大事な家か?ならなおさらやめるわけにはいかねぇなぁ!!!」


ミッシェル「ちょ……やめ……」


ギルベルト「我が怒り!業火に焼かれよ!フレイムバースト!!」


ミッシェル「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


クルーラ「失せや!!クルセイド!」


ミッシェル「!?クルーラさん!!」


クルーラ「なんや?なんで、こんなに街が燃えとんねん」


ギルベルト「おめぇがこの街の長か?」


クルーラ「ん?あぁ、そうやで?なんや、お客様きゃくさんか?」


ギルベルト「まぁ、客っちゃぁ、客だわな」


クルーラ「……その口ぶり……ぇ客じゃなさそうやなぁ……」


ギルベルト「お!おっさん理解が早くて助かるね~!」


クルーラ「なにしにきたんや?あんさん、ガベルの手先やろ?」


ギルベルト「これも話が早くて助かる。」


クルーラ「縛れ……威圧プレッシャー


ギルベルト「!?」


ギルベルトM「へぇ~、これがプレッシャーね」


クルーラ「さてと、ここからはワシのターンや」


ギルベルト「ワシのターンって……俺の体の動き止める必要なくね?」


クルーラ「これ以上燃やされるんは堪忍なんや。この街はワシらにとって大事なもんやさけの」


ミッシェル「クルーラさん……」


クルーラ「さて、単刀直入に聞こうかいの……目的はなんや?」


ギルベルト「俺は、この街を治めるように、業魔神ガベル様に仰せつかったわけだ」


ミッシェル「ふざけるな!この街をどうするつもりなんだ!」


ギルベルト「さっきもいったじゃねぇか!この街を統治するために」


ミッシェル「そうやない!真の目的はなんや!」


ギルベルト「さすが、察しがいいなぁ……アートリーバーン……」


ミッシェル「な……!?」


クルーラ「…………」


ギルベルト「なんでそれを知ってるんだという顔だな。我々は神だ!知らぬわけがないだろうが!厄災の前触れ、アートリーバーン!」


クルーラ「黙れ」


ギルベルト「ぐ……」


クルーラ「ひざまずけ、クズが……」


ギルベルト「ぐぁ!!」


ギルベルトM「だから、なんなんだよ……この能力は……」


クルーラ「すまんのう……ウチのわけぇもんが」


ギルベルトM「それにこいつ……空気が……」


クルーラ「交渉決裂や……なぁ、あんさん……話がまとまれへんかったら……仕置きせんといかんやろ?……ハァァァァァァァァ!痛ぇじゃすまへんでゴルァ!怒りの鉄槌、正義の名の基に彼のものの脳天をぶち抜けぇ!怒髪天鉄槌ヒューリオスハンマー!!」


ギルベルト「ふげぁぁ!?」



―間―



ラーク「クルーラさ……!?」


ジョージ「……何があったの?」


クルーラ「見てのとおりや」


ジョージ「……説明してくれる?」


クルーラ「……こいつが、ワシらの国の禁句タブーに触れた結果や」


ミカエル「禁句タブー?」


クルーラ「あんさんら、図書館で『アートリーバーン』の項目は見ぃひんかったか?」


アンジェ「見たわ。けど、それがなんなんか読もうとしたときに、爆発音が聞こえたんや。」


クルーラ「さよか……けど、その話の前にせなあかんことがあんなぁ」


ラーク「え?」


クルーラ「のぅ、あんさん、いつまで狸寝入りしとんねん。はよぉおきぃな」


ギルベルト「………ハハハ、ハーッハッハッハッハ!!お前、強いなぁ……」


クルーラ「当たり前や。伊達にここのおさやっとらんで」


ギルベルト「なるほどな……さて、それなら、ちぃっと本気出すか」


ラーク「誰だ!あいつ!」


ジョージ「少し、まずそうね……ラーク、ミカエル、加勢するわよ」


ラーク「(ミカエルとなるべく同時に)おう!」


ミカエル「(ラークとなるべく同時に)はい!」


アンジェ「……え?ウチは?」


ジョージ「あなたが、この国の禁句タブーを知りたいなら加勢しなさい」


アンジェ「ちょいまちぃな!何言って……」


ジョージ「これは遊びじゃないの!!生半可な気持ちで加勢しないで……」


アンジェ「……!?」


ジョージ「……ま、あとからでもいいわ。クルーラ、いいわね」


クルーラ「かめへんで……ミッシェル!」


ミッシェル「はい」


クルーラ「アンジェを頼む」


ミッシェル「わかりました」


ギルベルト「さぁて……どいつから殺してやろうか……キヒヒヒ」


アンジェ「なんや?あいつ様子がおかしいで?」


クルーラ「……チッ。ジョージ」


ジョージ「わかってるわ。ラーク、ミカエル、私たちの動きについてきなさいよ?」


ギルベルト「我が血潮、古の溶岩流のように熱く滾り、我が体を熱く燃やせ!!悪魔的爆炎デビルズ・ブースト!!」


クルーラ「我が心の目よ見開かれん、第1心開放。我が心の聴覚開かれん、第2心開放。我が心の感覚研ぎ澄まされん、第3心開放……開眼かいげんせよ!感覚開放センセ・リリース!」


ジョージ「狙撃手スナイパーとしての才覚研ぎ澄まされん。完全開放フル・バースト!」


ミカエル「魔術の本流、私の心よりも深く深く沈みたまえ。ネイチャー・オブ・ワールド!」


ラーク「俺だってやれるんだ!ハァァァァァァ!第一陣開放ファースト・ブースト・パージ!!」


ジョージ「へぇ、ラーク……そんなの使えるのね」


ラーク「唯一、できる開放系がこれなんだ!」


ジョージ「そうなのね……まぁ、上出来よ」


ラーク「ありがとう。だけど、それよりも……」


ギルベルト「キヘヘヘ……キャーハッハッハッハッハ!」


クルーラ「せや……あいつを抹殺することが先や」


ギルベルト「抹殺ぅ?やれるものならやってみやがれぇ!テメェら人間に、神との力の違いを見せてやるよぉぉ!!」


ラークM「アートリオンの禁句タブー、アートリーバーンを守るため、俺らは戦う。この戦いが初めての神との戦いになり、初めて禁句タブーと向き合う戦いになったのは言うまでもない。」


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