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メロノア書筆店と…

こんにちわ、日間ランキング1位になれて嬉しい作者です。

皆さま評価、ブクマ、感想などありがとうございます!

だいぶ長くなりそうだったので、途中で切りました。

 パンジー曰く、ペンと紙の店に入ると、香木の香りとインクの匂いが香った。

陽の当たらない棚には様々な紙とインクが置かれ、反対に陽の当たるところには様々なペンが置かれていた。

店の中央には大きな机があり、試し書きができるように何個か使いかけの瓶が置かれていた。


「いらっしゃい。ようこそ、メロノアの書筆店へ。」

「はじめまして、ララバイと申します。」

「窓側にあるペンは全て試し書きができるわ。気になったものを中央のテーブルで試してちょうだい。あと、インクと紙もある程度書き心地を試していただけるわ。紙は机の引き出しに、名前付きで保管していて、インクは私に声をかけてちょうだい。」

「わかりました。」

「ごゆっくり。」


 声をかけてきた人は、店主のメロノア本人で良いらしい。パンジー情報によると、店の名前が店主の名前であることは、このゲームではよくあることらしい。まずは紙の棚に行き、紙とインクを確認する。

どうせ旅行感覚でゲームするなら、旅行記のような日記をつけるのも面白いかと思ったのだ。

楽譜用と旅行記用として探し始めると、少々高いが作詞作曲中は無地に見える紙や、楽器が使えない場所でも譜面に音符を記載すれば、頭の中に書いたメロディが流れる譜面などがあった。

どちらも代えがたいと考えていると、パンジーから提案があった。


「マスター、もし譜面でお悩みでしたら、こちらの譜面紙をお勧めします。」

「どんな譜面紙なの?」

「こちらの譜面紙は、吟遊詩人ギルドが発行している譜面紙で、曲を作り終えた後にサインを入れることで、自動的に楽曲が吟遊詩人ギルドに登録されるのです。わざわざギルドに行かなくても、この譜面を使えば登録ができるんです。書き終わるまで、書いている本人しか見えないインクもありますし、ギルド発行の譜面紙の方が安価なので、お勧めです。」


 譜面紙はパンジーのアドバイス通り、ギルド発行のものにした。

インクを工夫すれば盗難防止になるのなら、譜面紙に盗難防止機能はいらないし、そもそも楽器が使えない場所で作曲はしないだろう。 そう考えたらお勧めのものが、良いと思ったのだ。


「ふむ…それなら譜面紙はギルド発行の方にしましょう。次は日記用の紙ね!それっぽいのが良いわ。」

「でしたら羊皮紙はどうですか?羊皮紙であれば細工と裁縫を使って、装丁を整えることができます。」

「それはいいわね!羊皮紙は…ロール紙なの?」

「ロールじゃないのもありましたよ!」


 日記用の羊皮紙は、わざと日に焼けて黄ばんだようにした、ダメージ加工付きの羊皮紙にした。 形から入るタイプとしては、いい買い物なんじゃないかと思う。それに、違う場所に移動したとしても、割とこの紙は手に入るらしい。ずっと統一して使い続けるにはちょうど良い紙だ。

 インクを選びに棚を見ると、虹色に光るインクや香りがするインクなど、とっても種類が豊富だった。 色も綺麗でパンジーと目移りしながら見ていると、書き終わるまで書いている本人にしか見えないインクに、古典ブルーブラックのような色味を発見し、譜面用にはそのインクを選んだ。 日記用のを探していると、一つのインクに惹かれた。


「輝きのインク…光をあてると金色に光るインク、全7色…ですって。ねぇ、パンジーこれ素敵じゃない?」

「では、試し書きさせてもらいましょう。黒、赤、青、緑、茶、紫、濃桃の7色ですね。」

「気になるのは緑と紫なのよね…両方とも試しましょう!」


 パンジーと試し書きをするなら、ペンも合わせて選んでからにしようと決め、ペンの飾られている棚へ移動した。

ペン売り場には羽ペンやガラスペン、象牙でできたようなペンが色々置いてあった。 中でも一番輝いていたのはガラスペンで、色とりどりでデザインも種類が豊富だった。

クラゲが泳いでいるようなガラスペンや、宇宙のような模様のペンもあって、本当に悩ましい。


「マスター!これ素敵です!」

「まぁ!パンジーの花が入ってるわ、このガラスペン。」

「淡い紫と黄色のガラスで出来ているから、アメトリンの宝石みたいです!」

「そうね、ペンはこれにしようかしら!試し書きしましょう。」


 カウンターで本を読んでいたメロノアさんに声をかけ、インクを用意してもらってテーブルへ向かう。

これから使う予定の紙と同じ試筆紙に、さらさらとペンを滑らせると、インクが金に光ったり鮮やかな緑になったりしてとても美しかった。 書き心地もペンがひっかかるようなこともなく、なめらかな一級品で、パンジーもこのペンをだいぶ気に入ったようなので購入を決める。紫のインクも試してみて、雰囲気では緑の方に軍配があがり緑にした。


「これで、必要なものは全部揃ったかしらね?」

「あとは、レターセットなんてどうでしょうか?」

「なんでレターセット?」

「このAWOではプレイヤーと住人が仲良くなって、交流することができます。その中の一つに『文通』というのがあって、文通をしていると土着のお祭りの日程を教えてくれたり、隠しイベントやシークレットクエストのヒントがもらえたりするんですよ!」

「それはすごいわね!」

「お店をしている人ならシークレットセールも教えてくれます!」

「セール?!なんてこと、レターセットを用意しなくちゃ!」


 女の聖戦ーだと思っているーであるセールを逃すのは、アラサー的には逃せないイベントだったので、すぐにレターセット置き場に向かった。

音がなるものや、いい香りのするもの、他にも透かしの入った上品なものまで様々で、ここでも目移りする。

そうしているとメロノアさんに声をかけられた。


「ずいぶん迷っているみたいね?」

「メロノアさん、…えぇ、どれも素敵なレターセット選びきれなくって。」

「わかるわ!その気持ち!!」

「え?」

「私もレターセットとか綺麗で選べないタチでね、選べないなら全部買っちゃえって思って、買いあさった結果がこのお店なの。」

「そうなんですか?!」

「そうよ、本当はレターセット専門店だったんだけど、オリジナルのレターセットとか作り始めたら、規模が拡大しちゃったの。」

「すごい…まさに自分の好きが仕事になった感じなんですね。」

「そうなの!ただねぇ…お店をしているとなかなか休めないし、手紙を出す友人も限定されているから、手紙を書く機会がめっきり減ったのよね。」

「それはなんだか悲しいですね、作ったレターセットも使えないし。」

「そうなの!一番はそこなの!それに他の街の様子とかも知りたいし!」

「好きなことが自由にできないのはすごくわかる!私も仕事していなかったら毎日旅行に行ってるわ!」

「やりたいことができないのは本当に苦痛よねー!あ!お客さん私と文通しない?!」

「え?」

「お客さん用のレターセットを、切れるごとに毎回更新してお届けするわ。その代わりお客さんは私に手紙を書くの、そうしたら文通もできるし、お客さんは吟遊詩人だから他の街の様子もわかるでしょ?」

「確かに。」

「お客さんはレターセット代が毎回ただ、お互いwin-winじゃない?」

「…その話、乗ったわ!」


-- secret quest clear!

--住人フレンドが追加されました。

--シークレットクエスト:メロノアの友達になろうが完了しました。

報酬の2000Fと定期的なレターセット進呈を手に入れました。

庇護者の箇所、単語の意味的に不自然であるとご指摘を頂戴いたしましたので、

下記のように修正します。随時に修正してまいりますので、いつまでも治ってない箇所など発見しましたらご一報をお願いします。

現→アメトリンの庇護者

新→アメトリンが庇護する者

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