電子カルテ
「菜須さん、電子カルテで点滴交換ボトルの確認と点滴交換処置報告の入力しておいてね」
「はい」
まず一人目の患者様の点滴ボトル確認を済ませボトル交換処置をする。そして電子カルテに実行者のサインを入れる。
「菜須さん、次の患者様の点滴ボトル確認と交換を行い電子カルテに処置報告ね」
「はい」
二人目の患者様の点滴ボトル確認をするため、電子カルテの一人目の患者様のファイルから二人目の患者様のファイルへ移動したいけど移動方法がわからない。助けを求めて指導看護師さんを見つめてみる。この場にいた先輩看護師と会話が始まる。
「菜須さんファイト!」
「さぁ、頑張ってみようか!」
「人間苦手なことってあるんだね」
「○○さん(指導看護師)、スパルタですね」
「いやいや、身に付けてほしいから愛情よ」
「伝わりにくい愛情ですね」
この会話を聞きながら電子カルテを操作する。
「あ~ぁ、トップページまで戻ってる!」
「私、この画面初めてみました」
「なかなか居ないわよね、ここまで戻る子」
検索をかけてファイルを探す。病棟名を選択して個人名を選択してファイルを開く。
「できたぁ」
「菜須さん、ずいぶん遠回りしてきたわね」
「……」
そこに容態を確認しに来た医師によつ葉の指導看護師が
「○○ドクター、30分くらいかかりますよ」
「えっ?」
「機械音痴みたいでファイルチェンジに悪戦苦闘してますから」
「教えてあげたら良いじゃないですか?」
「愛情持って指導中です(笑)」
聞こえてますけど……。
笑ってないで最短コース教えてくださいよぉ。
電子カルテに悪戦苦闘中の赤ちゃん天使のよつ葉です。